もっと!「日本の美味しさ簡単レシピ」 パリパリといくらでも食べられる!「煎酒」でさっと和えたサラダ感覚の切り干し大根。
旅行先で買ったり、おみやげでもらったストックフード、キッチンに埋もれてませんか?その1品、ぱぱっとひと手間加えるだけで、きちんとしたひと皿になるんです。料理家さんたちが提案する、日本各地のストックフードを使った簡単レシピの連載を、より詳しく、コツやポイントとともに紹介します。今回は〈南風食堂〉三原寛子さんが「煎酒」をアレンジしました。
十七皿目 〈南風食堂〉三原寛子さん×煎酒 ほんのり梅風味の切り干し大根と香味野菜がさわやかな和え物。
江戸時代、醤油が普及する前に、広く用いられていた「煎酒」。元は日本酒に梅干しを入れて煮立てて漉したもの、現在はそこにかつお節などを加えて、よりうま味を凝縮させた万能調味料として再び注目されている。まろやかな塩気とほんのり梅の風味で、白身のお刺身や貝類にもぴったり。「うま味がしっかりあるので、油などを使ってコクを出さなくても大丈夫。カロリーも控えめでさっぱりした1品を作りたいときにはおすすめです」と、三原さん。
▶まずは、材料の下準備をします。
今回もカンタン!切り干し大根を戻して、千切りにした香味野菜と合わせ、煎酒でさっと和える、これだけ。
▶切り干し大根を戻しておく。
戻した汁はとっておき、煎酒と合わせる。切り干し大根の戻し汁には、うま味も栄養も溶け出しているので、それを生かさない手はなし。
▶切り干し大根と香味野菜を切り、ボウルへ。
切り干しは4cmの長さに、大葉、しょうが、みょうがは千切り、青ねぎは小口切りにして、ボウルに入れる。写真の紫っぽく見えているのも、切り干し大根。こちらは、三原さんが紅芯大根を自家製で干したもの。
▶ポイントはすりごまとこしょう。
この2つが入ると風味もぐんとアップ。
▶煎酒と、ごまとこしょうも加えて混ぜる。
最後にすりごまを加えると、風味をプラスしてくれるとともに、余分な汁気をすってくれるので、ほどよく全体に味がなじむ。
▶梅雨のどんよりも吹き飛ぶ、さわやかな切り干しのサラダが完成!
混ぜ合わせたら、器に盛ってできあがり。梅のほんのりした風味に、香味野菜のさわやかさが加わった切り干し大根は、梅雨どきのじめじめした時期にもぴったりの副菜。しみじみした味わいの煮物にするのとはまた違う、切り干し大根のぱりぱりな食感は思わずクセに。サラダ感覚で食べられる、新鮮なひと皿です。
今回使用したのはこちら
【煎酒(いりざけ)】
日本酒に梅干と花がつおを入れて煮詰めた江戸時代の調味料。梅干の酸味と塩気にかつおのうま味が加わり、まろやかな味わい。刺身や肉料理のつけダレにも。「煎酒」300ml 756円(税込)。■問い合わせ:銀座 三河屋☎03-3571-0136)
今回のレシピはこちら
【切り干し大根と香味野菜の煎り酒和え】
材料(2人分)
切り干し大根……………………40g
青ねぎ……………………………2本
大葉………………………………5枚
しょうが(薄切り)……………3枚
みょうが…………………………1個
煎酒…………………………大さじ1
切り干し大根の戻し汁……大さじ1
こしょう…………………………少々
すりごま……………………大さじ1
作り方
1.切り干し大根を水で戻し、よく水気をしぼり、4cm長さに切る(戻し汁大さじ1は使うのでとっておく)。青ねぎは小口に、大葉、しょうが、みょうがは千切りにする。
2.ボウルに切り干し大根、青ねぎ、大葉、しょうが、みょうが、煎酒、切り干し大根の戻し汁、こしょう、すりごまを入れ、よく混ぜる。
レシピを教えてくれたのは……
【〈南風食堂〉三原寛子】
みはら・ひろこ/小岩理佳さんとの料理ユニット〈南風食堂〉として、雑誌の料理紹介から、食に関する企画提案や商品開発まで幅広く活動。
photo:Chihiro Ohshima