言葉にするっておもしろい。歌人・伊藤紺さんと“金ミル短歌”、始めてみませんか?
ひと粒頬張ると、優しいミルクの甘みで、心が優しくほぐれていく。そんなささやかな癒しの時間をくれる、《Kanro 金のミルク》に思いを馳せ、透明感溢れる言葉を紡ぐ歌人・伊藤紺さんと一緒に短歌の魅力を学びませんか? 金ミル短歌講座の始まりです。(PR/Kanro 金のミルク)
等身大で楽しめる“短歌のアソビ方”
次々と流れていく感情という湧水を掬い上げ、純度を高め、あたため、言葉という形にする。そんな創造の流れを思わせる作品の作り手、歌人・伊藤紺さん。
フラれた日よくわからなくて無印で箱とか買って帰って泣いた
例えば、こんな伊藤さんの歌に触れると、小難しくてクラシカルな短歌のイメージは一掃され、ふわっとした言葉にできない感情に色をつけるような、短歌独特の魅力を感じられるのではないでしょうか。
Hanako読者と世代が近く、共有できる感情がたくさんある。今回は、そんな伊藤さんならではの、等身大で楽しめる“短歌のアソビ方”を、弁護士の菅原草子さん、エディターの藤田華子さんと一緒に教えてもらいました。
「祖母が短歌を詠んでいたのですが、私自身はまったくの初心者です(笑)」と菅原さん。一方、藤田さんは「実は短歌、読むのがすごく好きで大学時代の研究課題テーマだったんです。当時はニューウェーブ短歌をいくつかまとめて考察したり。でも自分で詠んだことはないです」。
二人とも、短歌に触れた経験はあるものの、“自分が詠む”という作業は初めて。ワクワクしながらも少し緊張気味の二人に、まずは伊藤さんが短歌の基礎知識をレクチャー。
「そもそも、短歌とは、1300年以上前から続く日本伝統の詩で、俳句も実は短歌から派生してできたものなんです。5・7・5・7・7の31音が基本ですが、字余り、字足らずの歌も多く、必ずしも合計31音でなくてもいいのが特徴です。また、俳句と違って、季語は不要で、歌を数える時は“句”ではなく、1首、2首…と数えます」
読んだ時の気持ちのいい響きやリズムも大切な要素のひとつで、短歌に書くことは事実でなくてもよい。このように自由度が高いのも短歌の魅力の一つです。
短歌の心は、好きな歌から学ぶ
さて、ルールを理解できたところで、実際、どう書き出せばいいのか、なかなかピンとこない人も多いはず。そこで伊藤さんが用意してくれたのが、彼女自身が好きな4首の名歌。
「短歌の心を知るには、自分の好きな歌があることが一番いいんです。歌のように日常の中でふと思い出したり、頭から離れなくなったりするのも短歌の特徴。それが、短“歌”たる所以だと思っています。ちなみにお二人はこの4首の中で好きだな、と感じるものはありますか?」(伊藤さん)
短歌が学生時代から好きだったという藤田さんは、穂村弘さんのファンで[4]の歌がお気に入り。「情景がパッと浮かぶし、何より女の子がかわいいですよね(笑)」。
「うんうん。雪が降っているのを見て、『雪だ!』と言っているのですが、体温計を咥えているので、『ゆひら!』となってしまう、そんなシーンを描いていて、とても可愛らしいですよね」(伊藤さん)
「全然、その情景を感じられなかった(笑)」と短歌の読み解き方に新鮮な感動を持つ菅原さん。「私は[3]が好きかも。なんとなく共感できます。わかりやすいなと感じたのは[1]ですかね」。
[1]は「君にゆで」までが5音、「玉子の殻を」が7音で、単語が次の句にまたがる「句またがり」という技法を使った一首。
「今『わかりやすい』とおっしゃったけれど、わからないという人もいるかもしれません。例えば『たくさん色々な思い出がある中で、なぜゆで玉子の殻をむいてもらったことを覚えておくんだ?』ということが気になってしまう人もこの世にはいるでしょう。どんな歌も読む人の感性によって読まれ方は異なるんです。だからこそ、歌を読んで感じたことに自信をもってほしいし、書くときも人に伝えるようにではなく、自分勝手に正直に楽しんでみてほしいんです」
伊藤さん流・短歌の嗜み①
まずは自分の感性に委ねて。自分勝手に正直に楽しむ。
「なるほどー!」と納得の菅原さんと藤田さん。段々と短歌の楽しみ方の肌感を掴んできた二人が、口を揃えて難しい、と言ったのが[2]の歌。
「そうですね。好きな人は好きだし、ピンとこない人はピンとこない。それも短歌の面白いところ。みんなが同じイメージを共有できる訳ではないんです」
伊藤さん流・短歌の嗜み②
同じ短歌でも、みんなが同じイメージを共有する必要はない。
「この歌では前半、目が覚めるだけで嬉しい、という漠然としたこの世の喜びを感じている。一方、人が作った空港というものは人工的で、精巧でシンプルですね。」(伊藤さん)
「確かに無機質な感じだし、特別感もありますよね」(藤田さん)
「非日常感があります」(菅原さん)
「そうですね。一見前後の繋がりは限りなく薄いように見える。けれど、なんでしょうね。わたしは空港が好きなのですが、空港って出会いや別れ、期待や涙などに溢れているにもかかわらずどこか静かで、まるで心の中の世界みたいだと感じます。前半と後半が、そんなイメージで大きくゆったりとつながっている。言葉がもっているのは意味だけではないんです。イメージが美しく繋がる場合もあるんです」。(伊藤さん)
伊藤さん流・短歌の嗜み③
言葉の意味だけに捉われないで。
《金のミルク》の一生に思いを馳せた一首を詠む
ここからは実際に、菅原さんと藤田さんに短歌を詠んでもらうことに。今回のテーマは「金のミルク×休日」。《Kanro金のミルク》といえば、心までほぐれるような、優しい自然な甘さが人気のミルクキャンディ。気分を切り替えたい時のワンブレイクとしてはもちろん、大切な誰かへのちょっとした癒しのお裾分けとしてもぴったり。
今回は、そんな“幸せのスイッチ”《金のミルク》がある、まったりとした休日のワンシーンをイメージしながら、「付け句」というスタイルで短歌を詠んでもらいました。「付け句」とは、下の句の7・7が決まった状態で、上の句の5・7・5を考える言葉遊び。
事前に伊藤さんに考えてもらった付け句用の下の句と、お手本の短歌がこちら。
「私が考えてきた下の句は“金のミルクは考えている”。《金のミルク》を食べる人の休日がよりまったり、長く感じられるように、休日の金のミルクは、平日に比べて少しゆっくり溶けようと心がけている、というお茶目な歌にしてみました。《金のミルク》ってオンとオフを切り替えたり、癒しや喜びを人に与えている。でも、すごく短い命でもあるんですよね(笑)。《金のミルク》の一生にはどんな変化があるのか、その流れを考えてみましょう!」
伊藤さんが自身も実践している、短歌を作り上げていく時のコツを教えてくれた。まず1つはなんとなく思いついた言葉を書いてみて、そこからさらに自分の感覚と近い言葉を探っていき、その中でちょっといいかもっていう言葉を使って歌を作っていくこと。
そして、2つ目は、イメージを明確にすること。書きたいことを言葉ではなく、映像や写真のように思い描きながら、自分の中でどんどんクリアにしていくことがとても大切なのだという。
「金のミルクの一生。人生ならぬ、飴生ですね(笑)」(藤田さん)。「金のミルクって性格よさそう(笑)」(菅原さん)。《金のミルク》の気持ちを考えるという斬新なテーマに二人とも想像力を膨らませながらノートに下書きを。
「普通の文章よりも、より性格がでます」と伊藤さん。《金のミルク》を頬張りながら考えた二人、一体どんな短歌ができるのでしょうか!?
白さのイメージの連続性が美しい、藤田さんの歌
いざ、短歌を披露! まずは藤田さんから。
《金のミルク》との親しい間柄が垣間見える菅原さんの歌
続いて菅原さんの短歌は…
《金のミルク》とともにある休日の安らぎを、短歌にしたためてみませんか?
三者三様の魅力が表れた短歌。違いがあるからおもしろいし、自分だったらどんな言葉に落とし込むだろう、と創作意欲を掻き立てられたのではないでしょうか?
素材にこだわり、ミルクの自然な香りとやわらかな甘み、コクを感じさせる《Kanro金のミルク》は、大人が食べても満足できるワンランク上のミルクキャンディ。だからこそ、ただのお菓子、に留まることなく、“幸せのスイッチ”として平日のオフタイムや、休日の安らかなひと時に寄り添う存在になることができるのでしょう。
《金のミルク》では「金ミル短歌キャンペーン」として、今回と同じ下の句“金のミルクは考えている”を使い、「金のミルク×休日」をテーマに短歌を2023年10月16日(月)12:00~10月23日(月)11:59で募集します(キャンペーン詳細は下記参照)。
伊藤さんが教えてくれた短歌の魅力やアソビ方、菅原さんと藤田さんの詠んだ歌を参考に、《金のミルク》は一体何を考えているのか、想像を膨らませて、とっておきの一首を詠んでみてください。
何気なくトライしてみたら、短歌の虜になるかもしれません。言葉の可能性は無限大。ぜひ、自分の感性で描く、自由な言葉の世界を広げていってくださいね。