ハナコラボCLOSE-UP 「視聴者の心に残る天気予報を届けたい」／気象予報士・水谷花那子さん

名前：水谷花那子（みずたに・かなこ）
職業：気象予報士

気象予報士として数々のメディアで活躍する水谷花那子さん。前職は総合商社という、異色の経歴をもつ。「学生時代から“お天気お姉さん”に漠然と憧れはあったものの、当時は周囲と同じように就職活動をしなきゃと思い、商社に内定をいただきました。ただ、入社までの間にふと“本当にやりたいことは何か”を考えたら、気象予報士の夢が諦めきれなくなって…。入社と同時に資格取得のための勉強をスタートしました。仕事をしながら、週1回、〈ウェザーマップ〉が運営する〈気象予報士講座クリア〉に通う日々は、いま思い返すとかなりハードスケジュール（笑）。案の定、両立はむずかしく、試験に集中するため、会社は2年で退職。さらに1年間猛勉強し、5回目にして気象予報士の資格を取得しました」。

資格取得後は〈ウェザーマップ〉に所属。愛媛のテレビ番組のレギュラーを2年間務めたのち、現在は、TBSテレビ「Nスタ（日曜）」のほか、TBSラジオの複数の番組でお天気コーナーを担当する。「Nスタでは、お天気棒で画面を指しながら話すことで、視覚的に伝わりやすい映像づくりを心がけています。1分程度しか放送時間がないので最低限のことしか伝えられませんが、季節のネタを伝えるコーナーもあり、毎週、色々な場所でロケできるのが楽しいです。一方、ラジオは音声だけなので、むずかしいことは説明せず、耳で聞いてすっと入ってくるようなシンプルな伝え方に。どちらも、視聴者の方の反応は直接入ってきませんが、家族や友人はもちろん、社内のあまり喋ったことのない人に『説明が分かりやすい』『水谷さんに言われたから傘を持った』と声をかけてもらえるとやりがいを感じます」。

今後の目標は？「現時点で明確な目標はありませんが、たくさん趣味をもっているので、それと天気を絡めたような仕事ができたらなあと思います。大好きなゴルフと天気は密接なので、何かしら企画ができそうですよね」。

大学時代は第二外国語でスペイン語を選択し、1年間留学も経験。「ヨーロッパに憧れがあったのと、周囲に英語が得意な人が多かったので、人とは違う語学を学んでみたいと思い選択しました。留学後は、毎年1人で旅行へ行ってましたが、社会人になり、コロナもあってここ数年は行けていません。なので、最近は都内のスペイン料理店を巡ったり、お家で簡単なアヒージョを作ったりしてスペイン気分を味わっています」。

水谷さんが今回訪れたのは、渋谷にある〈XIRINGUITO Escribà（チリンギート エスクリバ）〉。スペイン・バルセロナで1番おいしいパエリアを提供すると言われている人気のシーフードレストランです。
まずは、看板メニューのパエリアの中から、チキンと魚介の出汁が効いた「ミックス 海の幸と山の幸」をチョイス。アサリやムール貝、チキン、サルシッチャというスペインのソーセージ、キノコが入った食べ応え抜群の一品です。「日本で食べるパエリアはお米が柔らかめだけど、これは水分量が少ない、堅さが特徴の国産バレンシア米を使用しているから本格的。チキンと魚介の出汁が効いている上に、少しカレー風味もあって新鮮な味わいです」。
「シラスと生海苔のアヒージョ」は、日本人シェフが考案した和風の味付け。上にのった卵黄を最初に割り、とろみが出るまでよく混ぜたら完成。別売りのバゲットの上にのせていただきます。「アヒージョはよく食べるけど、シラスと生海苔の組み合わせは新しいですね。オリーブオイル一滴も残さず食べたいくらいおいしい！」

お酒も入り、本格スペイン料理に舌鼓。「渋谷の景色を眺めながら、おいしいスペイン料理が食べられて幸せ。またプライベートで行きたいです」。

家族に影響されて始めたというゴルフは、歴10年以上。気象予報士の傍ら、雑誌『週刊ゴルフダイジェスト』にも出演している。「大学生のときはゴルフサークルに所属し、プレーする上での基本的なことはもちろん、OBと交流することで、年上の方とコースをまわるときのマナーを学びました。最近は忙しくて行けていませんが、愛媛のテレビ番組にレギュラー出演していた時代は自宅からゴルフ場が近いので週1回は行ってましたね」。
ゴルフの魅力は、「初めて会った人ともすぐに仲良くなれる」こと。「例えば、コンペに参加すると初めて会う方と同じグループになることが多いので、必然と話すことになるんです。年代がばらばらなので、普段出会えない方と仲良くなれるのはいいなと。仕事先でもゴルフネタは話すきっかけになります」。

愛媛のテレビ番組にレギュラー出演が決まったのをきっかけに、初めての一人暮らしをスタート。初めて自炊をし、料理に目覚めたそう。「作ってみたら意外と簡単にできるし、スーパーで食材を好きなだけ買っても外食と比べたら全然安くてびっくり。普段、何をしていてもついつい仕事のことを考えがちですが、料理をしている時間はそのことだけ考えられるので、意外とリフレッシュになります。レシピは夫の要望のときもあれば、クックパッドやYouTubeなど、インターネットを参考に決めることも」。