作り上げるプロセスもまた楽し。AIRLY OLD FOLK HOUSE 二人のMy Better Room
高台にある風通しのよい古民家で二人暮らしを楽しむ。

LEARN 2023.07.17

二人暮らしを始めたのを機に、都心から郊外へ。古民家の趣を残しつつ、自分たちらしさも取り入れて、一軒まるっとセルフリノベーション。

美容師の高山紗季さんと写真家の柿崎豪さんが暮らすのは、神奈川県東部の丘の上にある平屋の古民家。「人生で一度は古民家に住んでみたかったんです。改装可の物件をひたすら探して、この家に出会いました。床は少し傾いているし、リビングは前の住人が改装途中で諦めたまま。寝室は何年も手をつけられていない状態で(笑)。住めるようになるまで半年はかかりました」と、高山さん。大きな窓から気持ちいい風が抜けるリビングは、鴨居を打ち抜いてさらに広々とした作りに。「リノベーションはするけれど、既存のものはできるだけ生かす」をモットーに、部屋の中心には、鴨居を解体して出た廃材を生かしてさんが作ったテーブルが置かれている。高山さん曰く「二人とも料理が好きなので、友達が遊びに来たときには、このテーブルを囲んで料理を振る舞っています」。

柳宗理のエレファントスツールや、福岡のインテリアショップ〈MORE LIGHT〉のオリジナルプロダクト、溶岩を削ったペンダントランプなど、日本家屋のよさを生かした空間の中には、モダンなアイテムもちらほら。
「私は古道具が好きで、豪くんはプロダクト物が好き。それぞれの家から家具を持ち寄ってみたら、素材も年代もまったく違うのに、古い空間の中で不思議とうまくマッチしたんです」

温かい雰囲気の寝室は、木造モダニズム住宅を多く手がけた家・吉村順三の自邸をイメージして柿崎さんが改装。「床や壁には、ラワン材を張って塗装して。部屋に光が差すといいなと思ったので、トタンを剥がして三角の天窓も作りました」。

イサム・ノグチの照明や、部屋の片隅に作られたランドリースペースの床のタイルが、寝室を和モダンな空間へと引き立てている。
「実はリビングやキッチンは未完成。かなり労力がかかりますが、自分の力で部屋が生まれ変わっていくのが面白くて」と、柿崎さん。二人の理想の部屋作りはまだまだ続くようだ。

photo : Rintaro Kanemoto text : Nozomi Hasegawa

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