語り出したら止まらない! 料理家・ 食育インストラクター/和田明日香の「私の最愛料理本。」
落合 務『「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ』は、料理家、そして主婦としても料理を作る際の指針になったお守りのような本です。
MY BEST COOKBOOK:『「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ』落合 務
「『さぁ、できた』『野菜たっぷりがいいでしょ』といったシェフの声が聞こえてきそうな文章が楽しい」と和田明日香さんが話すのは、イタリアンの巨匠・落合務さんによる一冊。料理家を志す前は料理についてまったくの無知だったからこそ、気遣いにあふれる内容が染みたのだそう。
「一般的なレシピ本は極力シンプルに構成される傾向にあるため、昔は『もうちょっと教えてほしいな』と感じることが多くて。一方こちらの本は、工程写真の枚数が多くて初心者でも再現しやすい。作り慣れている人も、いろんな場面で生きるイタリアンの基本が学べます」
なかでも衝撃を受けたのが『野菜とごまのアーリオ・オーリオ』。「サラダのように野菜がたっぷりで、しかもパスタにすりごまを使うの? という意外性もありました。オイル系のパスタソース作りでは、水分と油をしっかり混ぜ合わせる乳化という工程が必須。バターやチーズ、パスタの茹で汁を利用することが多いんですが、落合シェフは家庭によく置いてあるすりごまを使うことを提案していて、目から鱗でした!さじ加減が難しい乳化がすんなりできた驚きとともに『おすすめの野菜や分量は書いてあるけれど、せっかくなら残り野菜を使って冷蔵庫を掃除しちゃおう』という主婦に優しいメッセージにもぐっときて。分量にしばられない柔軟性や、作る人に寄り添う姿勢も学びましたね」
開くのは決まって、ゆとりがある週末。料理のプロになったいまは料理本を見ることはほとんどないが、「敬愛する落合シェフの本だからこそ、普段より手の込んだ特別な食卓にしたい日に本棚から出します」と和田さん。「作り終わって、シェフのレシピはやっぱり違うわぁ〜としみじみしながら食べる時間が至福です。私もこんな風にお料理を伝えていきたいですし、誰かのそんな存在になれたらうれしいですね」