古き良きアメリカの風景が残る、ロックとソウルミュージックを生んだ音楽の聖地へ! 映画『エルヴィス』で話題!エルヴィス・プレスリーの故郷メンフィスを旅してきた。【アメリカTRIP】
公開中のハリウッド映画『エルヴィス』も話題の、“KING of ROCK”ことエルヴィス・プレスリー。彼の故郷であるアメリカ南部の街・メンフィスを旅してきました! 日本からはアトランタ経由でトランジットを含めると約20時間の旅。まるで映画の中のような街並と音楽、フレンドリーな南部の人々、その土地ならではのグルメとの出合いが待っていました。
ブルース&ロックの発祥地として知られる音楽の街「メンフィス」。
メンフィスはブルースの発祥地であり(諸説あります)、エルヴィスの伝説のライブによってロックミュージックがメジャーシーンに押し上げられた音楽の聖地として知られています。
そんな街を体感すべくマストで訪れたいのは、古き良きアメリカの雰囲気が残る「ビールストリート」。
ネオンがきらめく道沿いにはクラブや音楽バーが立ち並び、映画『エルヴィス』にも何度か登場します(ロケ地はオーストラリアだったそうですが、その再現度の高さに驚きました)。アメリカのメディア『USA TODAY』で『アメリカの最も象徴的な通 Best10』に選出されたこともある、音楽の街・メンフィスを象徴する場所なのです!
今回訪れたのは、ブルースの巨匠B.B.キング氏が開業したストリートで人気No.1のライブミュージッククラブ〈B.B.キングス・ブルースクラブ〉。ブルース、ソウル、クラシックロック。毎晩、生ライブによる熱いパフォーマンスが繰り広げられています。
ソウルフルな歌声と演奏に、思わずステージ前に出てきて踊りだす観客も多く、これぞメンフィスの夜!といった趣。もう、最高でした〜!
〈B.B.キングス・ブルースクラブ(B.B. KING'S BLUES CLUB)〉
■143 Beale Street Memphis, TN
■901-524-5464
■11:00〜深夜、金土11:00〜翌1:00(予約推奨)
■無休
エルヴィスが愛した〈ザ アーケード レストラン〉で、エルヴィスお気に入りのサンドを頬張る。
1919年創業、メンフィス最古の歴史を誇るダイナー〈ザ アーケード レストラン〉は、エルヴィス行きつけの店だったことで有名。いつもお気に入りの席に座って、ピーナッツバターのバナナサンドを頬張るのがお決まりだったそう。
著名なハリウッド俳優や、ジョン・F・ケネディ元大統領も訪れた伝説のダイナーは、思わず写真に撮りたくなるほどレトロかわいい空間でした。こちらもメンフィスに来たら絶対に外せないスポットです。
〈ザ アーケード レストラン (The Arcade Restaurant)〉
■540 South Main Street Memphis, TN
■901-526-5757
■7:00~15:00
■無休
これぞ郷土料理! 行列BBQ店で味わうメンフィス流BIGステーキ。
海外旅行の楽しみといえば、その国ならではのグルメ。メンフィスには100軒以上のBBQ専門店が存在しています。週末に訪れた〈セントラル バーベキュー〉の前には、長蛇の列。それもそのはず、この街のBBQレストランランキングで何度もNO.1になった人気店なのです!
メンフィスBBQ最大の特徴は「ドライスパイス」か「ウェットソース」かを選べる点。前者はオリジナルのBBQソースを塗ったもの、後者は肉にオリジナルスパイスをすり込んだもの。豚肉が主流です。
分厚いステーキですが、カットしてみると柔らな肉質に驚くはず。ナチョスやソーセージ&チーズプレートなどのサイドメニューも充実して、パーティー気分で食事を楽しみたい人にもオススメの店です。
〈セントラル バーベキュー ダウンタウン(Central BBQ - Downtown)〉
■147 E BUTLER AVE, MEMPHIS, TN
■901-672-7760
■11:00~21:00(要予約)
■火休
もはやテーマパーク⁉ エルヴィス伝説の大邸宅〈グレイスランド〉を見学。
テネシー州きっての観光スポットといえば、エルヴィスが22歳(1952年)で購入し、1977年に亡くなるまでの約25年間暮らした大邸宅〈グレイスランド〉。約45億円をかけて改修工事などを進め、2017年にオープンしました。約5.6ヘクタールの広大な敷地にはコロニアル建築の邸宅のほか、エルヴィスの博物館、ギフトショップや飲食店、ミニ映画館を併設。エルヴィスの魅力をこれでもかと味わいつくせるエンターテインメントパークとなっています。
大邸宅の一部を見学できる「グレイスランド ツアー」にぜひ参加してみて。エルヴィスの人生を振り返る写真展示コーナーでは、兵役時代の軍服姿や、元妻プリシラ・プレスリーとの仲睦まじい写真などを楽しむことができます。エルヴィスファンならずとも見応え充分!
〈グレイスランド (Graceland)〉
■3717 Elvis Presley Blvd,Memphis, TN
■901-332-3322
■9:00~16:00
■無休
アメリカで2番目に長いミシシッピ川でカヤック体験。
メンフィスにはアメリカで2番目に長い川、ミシシッピリバーが流れています。全長3779km、アメリカ合衆国のミネソタ州からメキシコ湾へと注ぐ大河をせっかくなら体感したい! ということで、〈カヤック・メンフィス〉主催のアクティビティに参加してみました。
インストラクターが付いてくれるので初心者でもなにかと安心。最初に操作方法のレクチャーを受け、いざ大河へ! リバーフロントのビルやブリッジを眺めながらのカヤックはとても気持ちよいものでした。
〈カヤック・メンフィス (KAYAK MEMPHIS)〉
■要予約
■公式サイト
全米レストランランキングTOP10入り!〈dory〉でサスティナブルディナー。
全米のアイコニックなレストランを選ぶ『USA TODAY's Top 10 New Restaurants of 2021.』にランクインした、イーストメンフィスにある一軒家レストラン〈dory〉。鹿のジビエや地元の新鮮食材を使いできるだけフードロスを減らす工夫をしているサスティナブルな点も、高く評価されています。
コース料理は6品構成で季節によって内容は変化。シェフのクロッグ氏は、植物や動物からインスピレーションを得ながら、地元の契約農家と密に連携してレシピを考案しているのだとか。アーティスティックなビジュアルのひと皿も多く、目でも楽しめます!
ジャスミンライスや出汁をきかせたヒラメのスープなど、味付けや食材選びに和の要素を感じるラインアップ。近年アメリカではクリームこってり系の料理よりも、こうしたあっさりヘルシー系がトレンドなのだそう。
最後はサツマイモのスイーツで〆。旅の疲れを癒やしてくれる甘さにうっとり。
〈dory〉
■716 West Brookhaven Circle Memphis, TN
■901-310-4290
■16:00〜21:00、金土〜21:30 (要予約)
■日月休
内陸ならではのシーフード料理が楽しめるレストラン〈キャサリン&マリーズ〉。
メンフィスで生まれ育ったシェフたちがオープンした〈キャサリン&マリーズ〉では、祖母の料理と南部の伝統に根ざした革新的なイタリア料理を楽しめます。
シーフードメニューも豊富。内陸にあるメンフィスでは、新鮮な魚介類が手に入りづらいぶん、スパイスを巧みに使った個性的な味付けのシーフード料理が人気なのだそう。
ぜひ食べてほしいのが、南部名物のコーンブレッド。トウモロコシで作ったソルティーなパンで、オリーブオイルとチーズを混ぜたソースにディップしていただきます。トウモロコシの香ばしさが口の中に広がります。
ワインやカクテル、モクテルなどドリンクの種類も豊富なので、個性的なシーフード料理とのペアリングをぜひ楽しんでみて。
〈キャサリン&マリーズ(Catherine and Mary’s)〉
■272 S. Main St. Memphis, TN
■901-254-8600
■16:30〜21:00、ハッピーアワー16:00〜17:00
■日月休
日本では珍しいニューオリンズ料理に舌鼓。ミッドタウンの〈セカンドライン〉へ。
メンフィスのミッドタウンにはセンスのいいレストランがいくつも点在。〈セカンドライン〉では豊かな食文化で知られるアメリカ南部の街・ニューオリンズの郷土料理を堪能。カジュアルな雰囲気の店内にはバーカウンターとテーブル席、そして開放感のあるテラス席も。
ニューオリンズ名物といえば、アメリカ原住民の伝統の味にフランスやスペイン、西アフリカなどの食文化の要素を加えたスープ「ガンボ」や、海老を焦げ目がつくまで焼いて味付けしたシュリンプ&グリッツが有名。
今回はそのアレンジ版、サクッと揚げたてのオイスターフライと、まるでお粥のような食感のチーズグリッツがセットになった「oyster plate + a side」をオーダーしてみました。香ばしいオイスターのフライはスナック菓子感覚でポイポイと口に運べるから、食べはじめたらなかなか止まらない!
南部名物のスイーツ、濃厚な「キーライムパイ」を最後に食べるのもお忘れなく。
〈セカンドライン(Second Line)〉
■2144 Monroe Avenue, Memphis, TN
■901-590-2829
■ランチ/ブランチ:金〜日11:00〜13:45
ディナー:月、水〜土17:00〜22:00
アフタヌーンメニュー:金・土14:00〜17:00
ステーキナイト:日17:00〜20:30
■火休
ファンキーでヒップなルーフトップバー〈タイガー&ピーコック〉。
昨年オープンしたばかりのホテル〈Memphian Hotel〉の最上階ルーフトップバー〈タイガー アンド ピーコック〉は、ファンキーでヒップでかなりエキセントリック。独特の世界観で彩られた店内は、どのエリアも写真におさめたくなるほどフォトジェニック!
店名にもなっているタイガー(トラ)とピーコック(孔雀)のモチーフをいたるところに発見。ぜひ探してみて。ちなみにフードは「Charcuterie & Cheese」$16.50や「Blueberry Grilled Cheese」$14.50などお酒のおともにぴったりのメニューが充実しています。
〈タイガー&ピーコック(Tiger and Peacock)〉
■21 S. Cooper St, Memphis, TN
■901-538-7313
■17:00〜23:00、木〜土〜0:00
■月休
メンフィスの最高級ホテル〈ザ ピーボディ メンフィス〉で約90年続く「ダッグマーチ」を観賞。
メンフィス最古であり最高級の4ツ星ホテルといえば、1869年創業の〈ザ ピーボディ メンフィス〉。創業150年以上の歴史を誇る格式高い雰囲気に、背筋がピンと伸びます。
こちらを訪れた一番の目的は、1930年代から脈々と受け継がれてきたホテルの伝統行事『ダックマーチ』の観賞。
毎朝11時に、ホテルの屋上の小屋に住んでいるカモがエレベーターでロビーまで降りてきて、噴水へと歩いて移動します。そして夕方の17時になると、レッドカーペットをみんなで行進して戻っていきます。つまり1日でダッグマーチを観賞できる機会は2回。人気イベントゆえ30分前までの場所確保をオススメします。
『ダッグマーチ』とあわせて〈ザ ピーボディ メンフィス〉のレストランでぜひ楽しんでほしいのが、伝統的な英国のハイティー。
軽食とスイーツからなる合計2つのティースタンド、お好みのお茶1種、そしてウェルカムシャンパンをエレガントな雰囲気の中で堪能できます。
〈ザ ピーボディ メンフィス (The Peabody memphis)〉
■149 Union Ave, Memphis, TN
■901-529-4000
■ダッグマーチ:毎日11:00~、17:00~の2回(土はホテルゲストのみ見学可能)
アフターヌーンティー:木金13:00~15:30、土日13:00~17:00
■アフターヌーンティーは月~水休、ダッグマーチは無休
キング牧師が銃弾に倒れたモーテル跡地に建つ〈国立公民権運動博物館〉へ。
人種差別の解消を求めるアメリカ公民権運動の歴史を学ぶことができる〈ナショナル・シビルライツ博物館(国立公民権運動博物館)〉。子どもたちの修学旅行先の定番でもあるこの場所を訪れることで、アメリカの歴史や、映画『エルヴィス』の時代背景についても、より深く理解できるはず。
1700年代後半に奴隷貿易で連れてこられた人々の辛い状況や、労働環境改善デモの様子を再現した展示、公共交通機関で行われていた差別の残酷さを伝えるビンテージバスの展示などに心をえぐられます。
キング牧師が暗殺された部屋も生々しく残されていました。あらためて、人権の大切さについて考えさせられることでしょう。
〈ナショナル・シビルライツ博物館(National Civil Rights Museum)〉
■450 Mulberry St, Memphis, TN
■901-521-9699
■9:00~18:00(入場券販売は~17:15)
■火休
エルヴィス伝説はここからはじまった⁉〈Sun Studio〉へ。
最後にご紹介するのは、まだ無名だったエルヴィスがデビュー曲を収録したことで知られる〈Sun Studio〉。いま現在も音楽スタジオとしてバリバリの現役です。
1階のバーでは、エルヴィスと仲間たちが映ったビッグサイズの写真が出迎えてくれます。ロック界のレジェンドたちの資料や収録部屋をガイド付きで見学できるツアーもあり、エルヴィスファンにはたまらないスポット。
エルヴィスが実際に使用していたスタンドマイクを手に解説するガイドさん。その傍らには、現在公開中の映画『エルヴィス』の撮影で使われたギターもさらっと飾られていました。TシャツやGジャンなど、オリジナルグッズも販売しているので、お土産にぜひ。
〈サンスタジオ (Sun Studio)〉
■706 Union Ave., Downtown Memphis, TN
■901-521-0664
■10:00~17:15、金土~18:15
■無休
そのほかにも、年に一度だけ開催される『ヴィーガンマーケット』に運良く参加できたり、アメリカのスポーツカーの歴史を振り返る〈エッジ モーターミュージアム(Edge Motor Museum)〉を訪れたり。一生忘れられない旅となりました! 映画『エルヴィス』の世界観や、音楽、グルメ、フレンドリーな南部の人々の温かさに触れられるメンフィスへ、旅に出てみませんか?
※営業時間や定休日、料理の値段は変更の可能性あり。訪れる際は公式サイトなどを必ずご確認ください。