さあ、行くわよ? きゃりーぱみゅぱみゅの 「大人なLADYになるわよコラム」第29回〜『久しぶりに頭をポンポンされたわよ』〜
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。第29回は「恋愛センサー」のお話。
『久しぶりに頭をポンポンされたわよ』
皆さま、ごきげんよう。先日、ものすごく久しぶりに異性から急に頭をポンポンされたせいで思わず口から心臓が飛び出るかと思った、きゃりーぱみゅぱみゅです。いや~、びっくりしました。マジで何年ぶりだったんだろうか…。
相手は最近知り合った人で、もちろんサシで食事をしたこともなく、みんなで食事するのもそれが2回目とかそのくらいの距離感です。それなのに、先に帰ろうと思って靴を履いていた私の目の前にフラ~ッと現れて、いきなり頭をポンポンしてきたんです。「身長何センチなのー?」って言いながら。
私はドギマギしながら「あ、えっと、158センチです」と答えたんですけど、「へー、いいねー」と言ったその人の身長は160センチちょっとくらい。私と目線の高さがほぼ一緒です。まさかその高さからポンポンが飛んでくるとは思いもしなかったので、その目線から逃げるように立ち去っていった私///////
……これでよかったんでしょうか?
いやいや、いいわけがありません。好意を持っているわけでもない相手にイケると勘違いをさせてしまうかもしれません。でも、それとは真逆に、ポンポンしてきた手をボクサーのようにサッと避けたり、「なんすか?」と睨み返すわけにもいきません。いったい何が対応として正解だったのか、今も答えに悩んでいます。皆さまはこういうとき、どうされているのでしょうか?
もちろん、ポンポンマンにとってそれは特に好意とかではなくて、ちょっと女性慣れしてる人の“スキンシップその1”程度の意味でしかないことはわかっています。ただ私は、そういう男女の駆け引き的な勘が鈍すぎるせいで、こういったノリの返し方がまったくわからないんです。
思い返せば、昔からそうなんですよね…。相手が好意を持ってくれていると思ったら実は持ってなかったり、ないやろ~と思ってた人が実は持ってたりとかがあるあるで、どうも私の恋愛センサーには狂いが生じているようです。
そういえばずいぶん前に、脈あり判定をした人から「うちでごはん食べようよ」と誘われて、これは!と思ってそれなりに覚悟して行ったものの、ガチでサラダ食べて映画観るだけで、きれ~にソファに座ったまま解散したこともありました…。
そういう痛恨のミスもあるんです。だからいきなりポンポンをやる前に、以下のカードのうちどれをもってのポンポンなのかをはっきりと示してほしいんです。
① 友達として仲良くなりたい
② 好意がある、付き合いたい
③ 身体目的
もし①だったら、「おもろ女」枠としてまあありえることなので、こっちもふざけてポンポン対応します。②だったら、滅多にないことなので真剣にポンポンと向き合います。③は……一番ないだろ、“きゃりーぱみゅぱみゅ”じゃなくても別にいいだろ、となります。
「自分はこれです」というカードを市場のおじさんみたいにキャップに入れて、ポンポンマンに被ってきてほしいです。この恋愛における3つの選択肢。これが二人の間で一致していないから、ケンカやトラブルが起きるんだと思うんですよね。
だけど世の中には“モテてたい”という人たちが男女問わず一定数いて、好きなタイプや過去の恋愛とかをやたらと聞いてきたり、その気もないのに思わせぶりな態度すらとってきたりします。それを絶え間なく繰り出すことで、日々“ゲーム”をしているんです。
それが楽しいのはわかるんですよ? わかるんですけど、「なるほど、これもゲームか…」と思ってそこからそっと離れると、「最近会ってなくてぴえん」とかDM送ってきたりして、またゲームに引き戻そうとしてくるという…。もう何がしたいねん。それにうまく付き合えるほど、こっちは器用じゃないんです?
そもそも私は、常に「私なんかに…」というスタンスです。ゲームに参加するどころか、性格は小学生男子みたいだと言われるわ、声はキーキー声だわで、オンナとしての自信が基本的にないせいなのか自己評価がえらい低いんです。
そしてそれに追い打ちをかけるように、現実主義者なもう一人の自分が「だいたい女の人なんてたくさんいるのに、わざわざその中から“きゃりーぱみゅぱみゅ”なんかに行かねーだろ。普通行くか?」と、私の耳元で囁いてくるんですよ?
そういった理由で、私の恋愛ゲートには普段から超重厚なシャッターが下ろされています。内側からは外の音がほとんど聞こえません。だからこそ、私のことが好きだったり、気になってるといったことがあれば、シャッターの前ではっきりと声に出してほしいんです。そしたら内側から力を振り絞って少し上げてみますから…。
とはいえその隙間から入れたところで、その遥か先に「結婚」というシャッターも下りてるんですよね。別名「同じ墓に入る」というシャッターでして、これまた超絶重厚なやつなんです。重たすぎて上げることなどまずないだろうと思っています。でも、だからといってそのままにしておくと、そのうち錆び付いてしまって、上げたいときには時すでにお寿司かもしれません……。
やっぱり私、もっとフットワーク軽い女になります。
そう思って、スルーするつもりだったポンポン丸からのDM(また会いたいな)に、「マジで?」と返してみました。すると秒で返信が。
「きゃりーちゃんのこと好きになっていい?」
………………………………………………………。
やっぱりシャッターは下ろしておこうと思いました。あ、どうか本人がこの連載を読んでいませんように⭐