古い町並と伝統文化で心ときめく旅へ。 食べ歩きや体験も!レトロかわいい「飛騨高山」の町を巡る旅。
江戸時代、城下町として整えられた岐阜県飛騨高山の町。築100年以上にもなる町屋や建築物が並び、古き良き面影を残しています。まるでタイムスリップしたような情緒ある飛騨高山周辺を巡る旅はいかが?
名古屋駅から「特急ひだ」で高山駅に到着。
名古屋駅から「特急ひだ」に乗車すること約2時間30分。道中の車窓からは木曽川の清流や飛水峡の奇岩、中山七里などの絶景を楽しみながら高山駅に到着。
飛騨高山は、商人町として発達した上町と下町を合わせた三筋の古い町並など、江戸時代の面影を残す歴史的建造物が残っています。出格子が連なる軒下に用水路が流れ、老舗ののれんが並ぶ風景は情緒に溢れ、歩くだけで伝統文化に触れることができます。
高山の市街地で、朝市は毎朝〈飛騨高山 宮川朝市〉と〈陣屋前朝市〉の2カ所が開かれています。高山駅から徒歩10分ほど歩いた場所で開催している「飛騨高山 宮川朝市」は、地元農家さんの作った野菜や果物、漬け物など四季を感じる食材や、工芸品を買うことができます。12時まで開催しているので、午前中に到着すれば「飛騨高山 宮川朝市」に間に合います。
市場で売られている「さるぼぼ」は、“猿の赤ん坊”という意味で母から子への縁結びのお守りとしてや安産、夫婦円満、魔よけのお守りとして親しまれています。
ちなみに、高山駅前のファミリーマートには高山限定の「ファミマオリジナル さるぼぼ」が売っていました。面白いお土産をお探しならそちらも探してみては?
〈飛騨高山 宮川朝市〉
■岐阜県高山市下三之町
■4月~11月 7:00~12:00、12月~3月 8:00~12:00
■無休
国指定史跡の「高山陣屋」は高山の名所の一つ。
「陣屋」とは、江戸時代の代官や郡代が政治業務を行っていた役所のことで、幕末には全国に60カ所以上あったと言われていますが、当時のまま建物が残っているのは「高山陣屋」だけ。
歴史的価値が評価され、1929年に国史跡指定を受けた他、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、「寄り道する価値がある」として二ツ星を獲得。飛騨高山を語るのであれば、一度は訪れておきたい場所です。
江戸幕府が飛騨国を統治するために設置された「陣屋」は、明治に入ってからは、県庁、郡役所、支庁、県事務所など代々、地方の役所として使われてきました。郡代役所の建物が残っているのは全国でも高山だけだそう。建物を説明をしてくれるガイドさんはベテラン揃い。面白可笑しく館内を説明してくれるので、歴史に興味がない人も楽しめます。
〈高山陣屋〉
■岐阜県高山市八軒町1-5
■0577-32-0643
■8:45~17:00
■無休 ※年末年始休(12月29日、31日、1月1日)
※現在、無料ガイドは新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一時中止中。
町を歩いて伝統文化やクラフトに触れる。
〈飛騨高山まちの体験交流館〉では、飛騨高山でしかできない匠の技や歴史と文化を体験できます。
「バターナイフ」や「さるぼぼ」、「組紐」作りなどさまざまなメニューから選べ、地元の匠から教わることができます。
たくさんある体験の中から「バターナイフ」をチョイス。バターナイフに使う木はイチイの木。岐阜県の県木でもあり、飛騨高山周辺はイチイの木の産地です。木肌がキレイで色艶が良く、手触りが滑らかなのが特徴です。
数種類の彫刻刀を使用し、荒彫から中彫と進め、全体が整ったら最後にサンドペーパーで磨きます。始めは恐々削っていましたが、後半は大胆にシュッ、シュッ!と削っていき、ようやく見本の形に近づいてきました。
仕上げ用の目の細かいサンドペーパーで磨き上げ、ツヤツヤになったらできあがり~!!ちょっとデコボコしていますが使っているうちに味が出ると思います。ちょうどバターナイフを欲しいと思っていたので嬉しい。
タイミングよく「有道しゃくし」(体験は1,500円)のデモンストレーションが行われており、職人さんが削る姿を見ながら、地元の人たちとの交流も楽しめました。
〈飛騨高山まちの体験交流館〉
■岐阜県高山市上一之町35-1
■0577-70-8290
■9:00~19:00
■無休(臨時休館有)
飛騨高山で人気の雑貨店といえば〈高山うさぎ舎〉。作家ものの商品が多く、次に来たときはもうないという、一期一会的な商品が所狭しと並べられています。奥の土蔵はギャラリーになっていて、手作り作家やアーティストによる期間展なども行われています。
私も飛騨高山に来ると、〈高山うさぎ舎〉は必ずチェックします。
お土産はもちろん、旅のお供に連れてあるく「うさぎ」を探してみるのも◎。
〈高山うさぎ舎〉
■岐阜県高山市上三之町37
■0577-34-6611
■9:00~18:00(11月末~3月末は9:00~17:00)
■無休
手造り手画きの器を販売している〈渋草焼 芳国舎〉は、飛騨高山で170年以上引き継がれている伝統の技を駆使した作品がズラリと並びます。店舗とは別にある焼き物工房は、江戸時代より“渋草“と呼ばれていた場所にあり、土造りの建物が、当時の文化を知る重要な建物として、市の有形民俗文化財に指定されています。
独自で調合した釉薬や絵の具を使い、高温長時間焼成で焼き上げた器は、丈夫さと「渋草調」の美しさの両方を兼ね備えた味わい深い作品ばかり。飛騨高山の旅の思い出はもちろん、贈り物にピッタリです。
〈渋草焼 芳国舎〉
■高山市上二之町63
■0577-34-0504(代)
■10:00~17:30
■不定休
〈渋草焼 芳国舎〉さんのお隣にあった〈森の実工房〉さんに寄り道。
店内に入ると、店主の小林さんが「いい香りがするので嗅いでみて」と、木の枝を切って渡してくれました。木の枝は“クロモジ”という木で、切り口から、爽やかでほんのり甘い香りがします。和菓子などに添えられている高級な爪楊枝や精油に使われている日本固有種の香木の代表格な木だそう。
店内は、松ぼっくりや木の実で作られたリースやスワッグが並べられています。
これらは全てオーナーの小林さんの所有する森で採られたもので作られているそうですが、ネット販売などはせず、ここでしか買えない商品にこだわっています。飛騨高山の森を感じる、隠れ家のような工房にふらっと立ち寄ってみては?
〈森の実工房〉
■岐阜県高山市上二之町64-4
■10:00〜16:00
■不定休
フォトジェニックな古い町並を着物姿でぶらり散歩。
飛騨高山の町並に似合うレトロ柄や現代的でカラフルな柄など、200種類以上の着物の中から好きな柄が選べます。お店から〈飛騨高山 宮川朝市〉や古い町並も近く、情緒のあるスポットでの撮影が楽しめます。
同店すぐそばある「松翁園 なべしま銘茶」でお茶体験ができる特別プランもあり。まだお茶体験したことがない人はぜひチャレンジしてみて!
着物はネットで選んで予約もでき、着物に必要な物は全て揃っているので手ぶらでOK。洋服や荷物も預かってもらえます。着物は17時までに返却なので、ゆっくり町を散歩や撮影を楽しんで。
〈高山きものレンタル一華〉
■岐阜県高山市本町4-23-3
■0577-70-8043
■9:00~17:00(12月~3月は10時開店)
■木休
飛騨高山に来たら絶対食べたい!「飛騨牛」をランチで味わう。
創業30年になる〈梗絲(きょうし)〉は、A5等級の飛騨牛を使用した「飛騨牛にぎり」や、毎朝市場で仕入れる鮮度抜群の魚を使ったお寿司が味わえるお店です。「ぶりずし」や「朴葉ずし」、「マスずし」など地産地消を大切にした、飛騨高山ならではの料理も自慢。
飛騨高山では「飛騨牛」メニューを選びがちですが、「奥飛騨大マスの極みマス寿司」などの魚メニューも必食の逸品。シェアしていろいろ味わってみて!
〈梗絲(きょうし)〉
■ 岐阜県高山市本町2-82
■0577‐37‐2039
■10:00~19:00(18:00LO)
■水休(祝日の場合は営業)
飛騨で食べ歩きに人気の「飛騨牛」や「高山ラーメン」も。
「飛騨高山」といえば“食べ歩きグルメ”。先ほど紹介した〈梗絲〉もテイクアウト専用のカウンターがあります。極上の飛騨牛を目の前で握ってくれ、塩せんべいに乗せて渡してくれます。
たくさんまわって歩きたい時は、食べ歩き用のお寿司や飛騨牛串焼きが最適。お土産用のお寿司は店内の売店へ。
〈梗絲テイクアウト〉
■ 岐阜県高山市本町2-82
■0577‐37‐2039
■10:00~19:00
■水休(祝日の場合は営業)
飛騨高山の名物といえば「高山ラーメン」も忘れてはならないグルメの一つ。初代の父母から受け継いだスープと、2代目が25年前に独学で打った細麺を合わせた〈豆天狗〉のラーメンは、地元の人もおすすめのお店。
鶏、豚を中心に魚介の旨みを活かした秘伝のスープに、ゆで時間1分という細ちぢれ麺が特徴のラーメンは、高山ラーメンを代表する一杯です。
〈中華そば 豆天狗〉
■岐阜県高山市下一之町3-3
■0577-33-5177
■11:00 〜 16:00 ※スープがなくなり次第終了
■木休
話題のアニメの聖地として人気が高まる〈千光寺円空仏寺宝館〉。
〈千光寺〉は、約1,200年前に弘法大師の10大弟子の一人真如親王によって建立。永禄7年の武田軍の飛騨攻めのとき焼け落ち、後の飛騨国主となった高山城主金森公が再建したのが現在の堂宇です。
〈千光寺〉内にある〈円空仏寺宝館〉は、円空の作品が約60点展示されており、円空と〈千光寺〉の関わり合いを知ることが出来ます。作品は、両面宿儺像や護法神などが有名で、最近では少年誌で連載中の人気アニメの聖地として、若い人が多く訪れています。
展示されている円空の仏像のほとんどは、彫ったばかりのように木を割ったときの切断面がみえています。表面に何も塗らず、節(ふし)や鑿跡(のみあと)を残す仏像たちは、木の生命と素朴で優しい微笑みを浮かべています。
「立木仁王像」、「両面宿儺坐像」、「三十三観音像」などを始め、現在64体の円空仏を所蔵。すべて〈円空仏寺宝館〉で拝観することができます。
〈千光寺円空仏寺宝館〉
■拝観期間 4月1日~11月末日(9:30~16:30)
■開館日 土日月祝日 12月1日~3月まで冬季閉館。
■大人(18才以上)500円、小・中・高校生 200円
〈千光寺〉が仏教寺院として成立する以前に、古代の飛騨を治め、祈りの場所として開いたとされている、伝説の人物「両面宿儺(りょうめんすくな)」の立像を安置する「宿儺堂(すくなどう)」。内部が特別に公開され、ぐるりと一回り。前後に顔と手足が4本ずつある異形や、両面宿儺や円空のことを知ることができました。
千光寺住職の大下大圓さんは、最近アニメの効果もあり、両面宿儺を学びに来る人が急増。これを機に、歴史の知見を広めてもらえればと話し、作品の聖地巡礼としての参拝も歓迎しています。
何のアニメか知りたい方は、「千光寺 アニメ」で検索してみてください(笑)。
〈千光寺〉
■岐阜県高山市丹生川町下保1553
■0577-78-1021
観光に便利な立地に位置する〈フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山荘川〉。
東海北陸自動車道荘川IC下車してすぐにある〈フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山荘川〉は、2021年8月に誕生。国内14番目の「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」のホテルです。白川郷へは45分、奥飛騨まで1時間30分とホテルを拠点に、地域の魅力を体感しながら巡るのに便利な場所に位置しています。
翌日の朝は予約しておいた「朝食BOX」とフリードリンクにあるお味噌汁で朝食。9つに仕切られた朝食BOXは、地元の郷土料理をベースにした創作料理が詰められています。
この日の内容は「飛騨牛のローストビーフ」、「俵お握り朴葉味噌のせ」、「高山郷土料理(ころ芋の煮っころがし / こも豆腐)」、「高山産卵のだし巻き」、「荘川産そば粉のガレットロール」、「荘川そば粉入りロールケーキ」、「太巻き寿司」、「焼き鮭ときんぴらごぼう」、「季節のフルーツ」。里山の風景を眺めながら、朝から高山グルメを満喫できました。
〈フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山荘川〉
■高山市荘川町猿丸46-1
■宿泊予約:06-6743-4750(9:00〜18:00)
■日祝、年末年始休
〈道の駅 桜の郷荘川〉で温泉と絶品蕎麦を堪能!!
〈フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山荘川〉の向かいには、〈道の駅桜の郷〉があり、農林産物や特産品を販売する〈さくら〉や温泉施設の〈桜香の湯〉でショッピングや立ち寄り湯を楽しむことができます。
〈桜香の湯〉では、飛騨荘川の移り変わる山々の季節を楽しみながら、ゆったりと温泉に浸かれます。泉質はナトリウム、炭酸水素温泉。「美肌の湯」、「清涼の湯」と呼ばれ、肌の不要な角質や毛穴の汚れが落ちるなど、クレンジング効果が期待できます。ホテルからも徒歩圏内で、湯冷めしない距離なのでおすすめです。
また、〈桜香の湯〉お食事処の〈お食事処 おうか〉では、鶏肉を自慢の味噌でつけ込み、野菜と炒めた岐阜の郷土料理「鶏ちゃん定食」(1,150円)の他に、荘川名産の「荘川手打ち二八蕎麦」が味わえます。ちょうど新蕎麦の季節だったので、「天ざる蕎麦」(1,300円)を頼んでみました。