もっと!「日本の美味しさ簡単レシピ」 沖縄の珍味「豆腐よう」をコクのあるソースに仕立てて蒸し豚と。
旅行先で買ったり、おみやげでもらったストックフード、キッチンに埋もれてませんか?その1品、ぱぱっとひと手間加えるだけで、きちんとしたひと皿になるんです。料理家さんたちが提案する、日本各地のストックフードを使った簡単レシピの連載を、より詳しく、コツやポイントとともに紹介します。今回は冷水希三子さんが「豆腐よう」をアレンジしました。
四皿目 冷水希三子さん×豆腐よう 自然な甘さ、うま味を生かしてコクのあるソースに。
チーズのような濃厚なうま味で、ハマると病みつきになってしまうのが沖縄でおなじみの「豆腐よう」。いつもはお酒のお伴に、楊枝で少しずつ削りながらいただくことが多い珍味を、冷水希三さんがアレンジ!「麹の自然な甘みがあるので、白味噌と同じような感覚で調味料として使っても」と、冷水さん。その特性を生かして、今回はコクのあるソースに仕立てて、あっさりとした蒸し豚にかけて。
▶まずは、材料の下準備をします。
今回も、カンタン!下準備に時間は多少時間がかかりますが、手間いらず。豚の塊肉を蒸して、豆腐ようでささっと病みつきソースを作るだけ。
▶豚の塊肉を蒸します。
塩麹をもみこんでひと晩おいた豚の塊肉を、蒸す。その際に、耐熱皿にネギとスライスした生姜を敷き、肉を置いて、その上にまたネギと生姜をのせると風味よく蒸し上がる。
▶「豆腐よう」の漬け汁を使い、ソースに。
豆腐ようを崩して、醤油、ごま油、砂糖、黒酢、漬け汁も加えてよく混ぜ合わせる。
ここがポイント↓
豆腐ようは泡盛や麹でできた漬け汁に長時間豆腐を漬け込み、発酵・熟成させたもの。この漬け汁を加えることで、より深みのあるソースに。
▶生姜、長ネギの風味をプラス。
生姜とネギのみじん切りも加えて。コクのある万能ソースのできあがり。
▶薄くスライスした豚肉にソースをかけたら完成!
蒸し豚の塊肉は薄くスライス。今回つけ合わせたのは、きゅうり。ピーラーなどでやはり薄く切り、氷水でしゃっきりさせたあと、水気を拭き取って。あっさりとした蒸し豚とコクのあるソースの組み合わせに、薄切りきゅうりを一緒にいただくと、さっぱりさわやかな食べ心地に。これはオススメ。「ソースはほかに、蒸し鶏と合わせたり、スティック野菜などを付けて食べたりしてもおいしい」(冷水さん)。お酒のアテとして絶品の「豆腐よう」、料理にうま味とコクをプラスする調味料としての使い方にもぜひチャレンジを!
今回使用したのはこちら
【豆腐よう】
乾燥した木綿豆腐を泡盛と麹の漬け汁に漬け込み発酵・熟成させた、琉球王朝時代より沖縄に伝わる珍味。一片はおよそ2センチ角。唐芙蓉 5個 瓶入り1200円。都内では〈銀座わしたショップ〉で購入可能。
■お問い合わせ〈紅濱〉tel 0120-55-1024
今回のレシピはこちら
【蒸し豚 豆腐ようソース】
材料(3~4人分)
豚肩ロース塊…………350g
塩麹……………………大さじ1
酒………………………大さじ1
長ネギの青いところ……1本分
生姜スライス……………8枚ほど
A[豆腐よう…1個 漬け汁…大さじ1/2 砂糖…小さじ2 黒酢…小さじ2 醤油…小さじ1 ごま油…大さじ1/2 生姜、長ネギみじん切り…各大さじ1/2]
きゅうり……………………適量
作り方
1.豚肩ロースに塩麹をもみ込んで一晩おく。
2.豚の塩麹を洗い流して水気を拭き、耐熱皿に長ネギと生姜の半分をひいて豚を乗せ、上にも残り半分乗せたら酒をかけ、蒸し器で30分ほど蒸して粗熱を取る。
3.Aの豆腐ようを崩して、他の材料を混ぜ合わせソースを作る。
4.2.の蒸し豚を薄くスライスし、きゅうりのスライスと皿に盛りソースをかける。
レシピを教えてくれたのは……
冷水希三子(ひやみず きみこ)/料理研究家、フードコーディネーター。著書に『スープとパン』『さっと煮サラダ』など。雑誌、広告などで活躍する一方、主宰する料理教室も人気。
photo:Jun Kato