「おとちゃんどうだった?」第5回 お久しぶりです、村東さん!そしてインコのおとちゃん美容師になるの巻
手作りのおもちゃをインコのおとちゃんに贈り、その反応を飼い主であり、カメラマンでもある村東剛さんから教えてもらうこの企画。今回のおもちゃのテーマは「ビューティーサロン」。果たしておとちゃんは、おもちゃを気に入ってくれたのか?
あの人が、Hanako編集部にやってきました。
そうです、それは誰あろう…
村東さんです!
おとちゃんの飼い主であり、この連載のカメラマンでもある村東剛さん。普段は関西にお住まいですが、この日は東京に用事があり、Hanako編集部に寄ってくださったのです。
私「わーお久しぶりです!」
村東さん「久しぶりやね〜元気でした?」
私「いつもおもちゃ、ギリギリだったり手抜きだったりですいません」
村東さん「はいはい、僕もがんばってるよ」
冒頭、ひとまず謝ったところで、話題はすぐおとちゃんの近況に。
私「おとちゃん、元気ですか?」
村東さん「元気ですよ」
私「この連載がおとちゃんの負担になっていないか心配で」
村東さん「おもちゃが気にいらないことはあるけど(ズバリ)、無理はさせてないから心配しないでええよ。はい、おみやげです」
おとちゃんグッズをいろいろいただきました。うれしいうれしい!
せっかくの機会なので編集長にも村東さんをご紹介。
※写真を撮り忘れました。
編集長「いつも夜中に編集部でおとちゃんページのゲラを見て癒されています」
村東さん「そう言っていただけると嬉しいです」
編集長「……そうか。僕はいつも誌面のかわいいおとちゃんの写真ばかり見ていたので……」
編集長「ちょっと想像していた方とは違いました笑」
村東さん「よく言われます笑」
あはは。すいません村東さん、ウェブでもいじっちゃって。笑
本題へ行きましょう。
よりよいおもちゃを作るには。
それから村東さんと話したことはもっぱら、おとちゃんが喜んでくれるおもちゃとは何ぞや?ということ。最近のおとちゃんがどんなことに興味があるのか、何が好きなのか。村東さんが教えてくれるニューでホットなおとちゃん情報をもとに議論は白熱。
おもちゃのアイディアを紙に書き出していきます。
森?
おとちゃんがいっぱい。
村東さん「うーん。おとちゃんが楽しく遊べて、写真に撮ってかわいく、テーマも面白い…ええのないかなあ」
アイディアはポロポロ出るものの、議論は迷走。なかなかコレ!と思う具体的な案には行き着きません。
私「ついにあの奥の手を使う時がきたか…」
実は私には、ずっと腹に温めていた奥の手がありました。
そもそも。
私がおとちゃんと出会ったのは2015年のこと。Hanakoに異動する前、別の雑誌での取材がきっかけでした。
当時私は、村東さんの写真集『インコのおとちゃん』が好きすぎて、「インコのいる朝を取材する」という半ばこじつけのテーマで、関西の村東さんの家を訪問したのです。(当時の編集長に感謝。)
そのときに接したおとちゃんのかわいさは、筆舌につくし難いものがありました。部屋に入ってきた私を見て「誰?」って感じでちょっとツンと冷たくしてみるおとちゃん。でもそれから肩や頭に乗ってきたり、レシートを楽しそうにかじかじしたり、朝の水浴びをしたりするおとちゃん。
いい子やわあ! 賢い子やわあ!
と私まで関西弁になって涙するほどかわいかったのです。
そのとき、私がおとちゃんへのおみやげに持っていったのが、このおもちゃでした。
ビニールの紐に、ビーズをくくりつけたこのおもちゃ。これを好きなインコさんは多い(私調べ)。村東さんが袋から出すやいなや、おとちゃんは初めて見るおもちゃにも関わらず、サササとすばやく近寄ってきました。
↑その時の写真。シマシマセーターは村東さん。
おとちゃん気に入ってくれたんやなあ。うれしいわあ。と男泣きしていると、さらに後日、村東さんから「あのおもちゃ、おとちゃんがこんなにバラバラにしました」とメールが。
↑メール添付用にデータを軽くしてあったので、ちょっと画像が荒いかしらん?
つまりこういうことです。
ビニールの紐×ビーズ=大ヒット、の法則。
場面を編集部に戻しましょう。
私「いつか私がおみやげにした、ビニール紐を素材に使うのってどうでしょう」
村東さん「おとちゃん、あの紐の結び目をほどいたり噛んだり、好きやもんね〜。”散髪”なんかおもしろいんちゃうかな!」
私「あっ、おもしろそう!」
村東さん「ビニール紐を髪にして、ビーズで飾り付けとか〜ええよね」
私「こんな感じですか?!」
村東さん「ばっちりやね!(ビシッ!)」
私「決まりですね!!」
こんなヘタクソな絵でも、私たちには見えました。同じビジョンが!
そうして出来上がったのがこちら。
(以下、撮影・村東剛さんです)
テーマは「おとちゃんビューティーサロン」。
おとちゃんはビニール紐が大好き、と聞きつけたビニール髪のお客たちが、美容室に押し寄せました。
ヒゲとリーゼントのダンディ。
金髪フワフワロングのおじょうさま。
アーティスト感が醸し出るボーイ。
謎の生き物。
ダンディから謎の生き物まで、個性的なお客さんの予約でいっぱいです。
おとちゃんどうだった?
では、カリスマ美容師・おとちゃんの1日に密着するドラマ風でいってみましょう。
開店早々、4人のお客さんが押し寄せたおとちゃんビューティーサロン。まずはひとりひとりの髪の状態をチェックしていきます。
ふむふむ。アーティスト風の彼は、ちょっと髪が傷んでいるようですね。ケアをしてあげないと。
ダンディなおじさまは、伸びすぎだけれど艶のある、いいおヒゲです。
ヒゲが気に入ったのか、まずはダンディに焦点を定めたおとちゃん。アシスタント(村東さん)の助けを借りつつ、丁寧に整えていきます。
リーゼントの形も整えて…
ここで出ました!おとちゃんの得意技「足掛けヘアーセット」。足をかけられるダンディ側はハラハラですが、この技により、ダンディさんはいっそうパリッと、ダンディ増量に仕上がったのでした。
あっというまに一人目の接客を終えたおとちゃん。続いてアーティスト風な彼のヘアセットにとりかかります。
ところが、彼は髪が傷んでいて硬く、なかなか噛み切れません。
しばらくがんばっていたものの…
諦めてランチ休憩。カリスマ美容師たるもの、オンとオフの切り替えは大事です。
午後になると、金髪おじょうさまの髪のからまりを丁寧にほどきます。
長いからやっかいですね。
あら、この髪飾り素敵ですね、なんて世間話をしたあと…
今度は別のお客様のお召し物に興味しんしん。帽子、ちょっと破壊しちゃってます。
ひとしきり帽子の質感を楽しんだ後、カットにとりかかります。実はこの人の髪の毛は、いつかおとちゃんが熱中した、あのおもちゃと同じ素材。
さすがおとちゃん、それがわかったのか、手際よく毛先をカットしてビーズを外していきます。さあ、ここからが腕の見せどころです!
って、あ、あれ?おとちゃん?
なんと、ここで定時がきてしまいました。颯爽とビューティーサロンをあとにするおとちゃん。残りの仕事はまた明日。おいしいものを食べて、ゆっくり休んでね。