本山順子の迷子のお守り〜お寺と神社、お散歩アラカルト〜 石川県・金沢市にある〈大乗寺〉で初詣。幻想的な雰囲気と自然を感じて！

記念すべき第1回目の”初詣”は石川県金沢市の野田山の麓にある〈大乗寺〉。まさか第1回目にご紹介することになるとは…私事ながら勝手にご縁を感じてしまいます。総門をくぐると空気がピリリと心地よく変わる瞬間を感じられます。山門をぬけると…。

空間中に柔らかな光が燦々と降り注ぎ、みずみずしく霞みがかった光景が目の前に広がります。その光景に思わず「あぁ…桃源郷はここにあったんだ。」とつぶやきたくなってしまうほど。

山門には鐘がすえられており、私もつかけていただきました。鐘の音がじわじわと全身に響き渡り自然と心が落ち着きます。音の力ってすごいですね！

私が初めて大乗寺を訪れたのは桜の花びらが舞い上がる春頃だったのですが、晩秋の様子も紅葉と光のコントラストがなんとも言えない美しさ！木漏れ日がゆらゆらと地面を照らします。

仏殿と法堂の間にはこれまた夢か幻かというほどの美しい中庭があり、風が山の木々を柔らかく揺らし、そのさざめきに鳥たちが応えるように囀ります。生命の瞬きをただただ静かに感じ、自然にだきしめられ、全てを受け入れてもらったかのような安心感がそこにはありました。

なんだか不思議なオブジェ？も発見。不勉強でこれが何を意味してるのかがわからないのですが、以前訪れた時は壊れていたのに綺麗に補修されていました。神社でいう祠みたいなものなのでしょうか…誰か詳しい人教えて！

回廊の側には立派な仏足石も。お釈迦さま（諸説あり）の足跡を石に刻み信仰の対象としたものだそう。お寺の境内を丁寧にみていくと神社との違いや、思わぬ発見があったり知らないこともたくさん！とてもお勉強になります。

こちらは春の〈大善寺〉の様子。〈大善寺〉は曹洞宗の禅寺ということもあり、毎週日曜日の13：30からは修行僧と一緒に一般の方も参加できる座禅会も行われているのだそう。またお邪魔させていただいた際には絶対に参加させていただきたい！

過去の連載で3回にわたりご紹介させていただいた金沢。最後は金沢といえば外せない、ひがし茶屋街をお着物で散策して参りました。〈大乗寺〉を訪れるまではなぜか神社ばかりお邪魔していたのですが、あ！お寺もこんなに心が軽くなるんだ！と再認識できる、とってもいい機会をいただいたのでご紹介できて本当に嬉しい！

ふわりと温かく、包み込むように迎え入れてくれる金沢。父親のように豪傑でシャイでありながら、母親のようににこやかで朗らか。金沢に訪れると、なぜか「ただいま。」っといいたくなってしまう。そんな家族のようなあたたかさが金沢にはあるような気がします。それでは皆様も良いお参りを～！

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