歯や歯茎も老化する。若い頃と同じではダメ!いますぐ見直したい歯磨き習慣とデンタルグッズ4選
おがわ・あきこ/アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿院長。著書『若さを取り戻す歯のエイジングケア美しい歯になる習慣と治療法』(桐書房)がある。歯の健康の要がここに。
若い頃と同じ歯磨きではケア不足! 歯磨きの基本を見直そう。
今はもちろん、未来の歯のために私たちが気を付けるべきことを歯科医師の小川朗子先生に伺います。
「歯磨きって、幼少期になんとなく覚えた方が多いと思うのですが、そこからアップデートできておらず、正しいケアをできていない人も多い。というのも、歯や歯茎、口内環境などは、加齢によって老化しますし、乱れたホルモンバランスや自律神経も歯に大きな影響を与え、トラブルを引き起こしやすい。若い頃の磨き方のままでは、ケアとして不十分なことが多いのです。
基本ケアとしては、毎食後の歯磨きを習慣にしましょう。できれば食後30分以内がベター。食べかすが歯垢に変わるのがだいたい8時間といわれているので、1日最低2回の歯磨きであっても、しっかり磨けていれば問題はありません。ただし、必ず毎日してほしいのが、歯間の汚れを落とすフロス。歯磨きではどうしても行き届かず、これが歯垢となり、虫歯や歯周病の原因に。意外と見えないところで歯の病気が進行していることもあるので、歯の現状を知るためにも健康だとしても、3カ月に1回は歯医者に検診に行くことが大切です。」
Hanako世代が気をつけたい口内トラブル。
ライフステージも変化し、様々なストレスが降りかかる30代以降は、口内にも大きな影響が。特に気をつけたいトラブルとは?
[歯周病]
「歯垢が、歯と歯茎の間に入り込んで引き起こされる感染症。進行すると歯を失う可能性も。歯茎が腫れたり、赤くなっていたら炎症のサイン。痛みなどの症状が出にくいので、定期検診を心がけて」
[食いしばり・歯ぎしり]
「日常的なストレスや、デスクワークや長時間のスマホ使用が原因。歯を支える骨も痩せてしまったり、噛み合わせも悪くさせてしまうので、ストレスケアや咬筋の力を弱めるボトックス治療がおすすめ」
[歯茎痩せ]
「過度なブラッシング、加齢、歯周病など原因は様々。一度痩せてしまった歯茎は元に戻りにくく、虫歯や知覚過敏にもなりやすいので要注意。歯磨きや歯間ケアの正しい方法を今一度見直してみて」
[黄ばみ・くすみ]
「加齢とともに歯のエナメル質が薄くなり、その内側にある象牙質の色が透けて見えたり、飲食物の着色、唾液量の低下など様々な要因が。歯磨き粉をホワイトニング系に替えてみるのも一つの手」
TOPIC1. 取り入れたい歯磨きの新習慣。

放っておくとエイジングが加速してしまう、歯や歯茎。若々しく保つために、今からできるケア習慣を小川朗子先生に伺います。
朝の舌磨きやマウスウォッシュ。

「起きてすぐ歯を磨くと、唾液分泌が不十分で歯が磨耗してしまう場合も。朝は、殺菌効果のあるマウスウォッシュで口を濯ぐ程度で。気になる人は舌磨きをし、朝食後に歯磨きを」(小川先生、以下同)
1日1回の歯茎のマッサージ。

「歯周病予防におすすめなのが歯茎マッサージ。血行を促して唾液腺を刺激することで、唾液の分泌量を増やして、虫歯や口臭の予防効果も。湯船に浸かりながら、指の腹を使って、くるくるとケアを
揃えておきたい基本セット。
歯の健康を保つために、大切なのは毎日の積み重ね。日々のケアに欠かせない、基本のデンタルグッズを、小川先生に教えてもらいます。
1.〈歯ブラシ〉ヘッドは前歯2本に収まる長さがベスト。
「歯ブラシは電動・手磨きどちらでもOK。奥歯にもきちんと届くために、ヘッドの長さは前歯2本に収まるくらいのコンパクトサイズ、ヘッドの列数は3列以上のものがおすすめです。過度なブラッシングにならないために、硬さは普通~柔らかめのものを。だいたい、2~5分ぐらいかけて磨きましょう」
2.〈デンタルフロス〉歯垢を溜めないためにマスト。
「歯と歯の間の汚れや歯垢を落とすには、歯ブラシだけでは不十分。ある程度、擦り落とす圧も必要となるので、ウォーターフロスではなく、糸タイプのものがベター。衛生面に考慮した上でも、自分で長さを調節できるロールタイプを。歯の側面に沿わせ、歯周ポケットの浅い部分まで入れ込んで」
3.〈歯磨き粉〉ホワイトニング&エイジングケアの2種類を。

「だんだんと黄ばみ始める年代でもあるので、一つはホワイトニング効果を謳っているもの。そして二つ目は歯周病などのエイジングケア効果を持つ歯磨き粉と、2種類を持っておき、昼夜で使い分けるのがおすすめ。使い方によっては歯を傷つける可能性があるため、研磨剤フリーのものを選びましょう」
4.〈歯間ブラシ〉歯の隙間が広い部分には歯間ブラシを。
「加齢によって歯の隙間が広くなってしまう場合も。そんなときは糸タイプのフロスではなく、歯間ブラシで根こそぎケアを。歯周病のケアの一環として、歯間ケアジェルをする場合は、シリコンタイプの歯間ブラシをプラスするのがおすすめ。ただし、歯の隙間が狭い部分に無理やり歯間ブラシはNG」
photo_Shinsuke Sato(still) illustration_Mihoko Otani, Yumiko Kanda(flame) text_Emi Taniguchi




















