髪のプロ直伝、高いシャンプーを使うより大事な「老けない髪の洗い方」
photo_Madoka Kawagoe, Shinsuke Saito(still)/ model_Hina Mishima / styling_Reiko Ogino / hair & make_Aya Murakami / illustration_Mihoko Otani, Yumiko Kanda(flame)/ text_Emi Taniguchi
お悩み「気づいたら…頭皮の乾燥と髪質の変化。」
空気が乾燥する時期にフケやかゆみを感じるようになったり、年齢とともに髪のボリューム不足が気になったり……。根元から強く美しい髪を育むために、今からできることとは?
スキンケアに比べ、後回しにしてしまいがちな頭皮ケア。でも、美しい髪を育むためには、まず土台となる頭皮を整えることが最重要。早すぎることはないので、今からケアを。
頭皮は肌と地続きなので、スキンケアと同じように毎日のルーティンに。髪が生まれ変わる周期は長いため、短期的に集中ケアするのではなく、せめて4カ月以上続けましょう。
保湿&育毛を使い分け。
ウェルプ スカルプケアローション 120㎖ 1,540円(I-ne 0120-333-476)
ラ・カスタ アロマエステ スキャルプ リペア エッセンス 120㎖ 4,180円(ラ・カスタ 0120-88-7572)
米肌 活潤 スカルプエッセンス[医薬部外品] 50㎖ 4,180円(コーセープロビジョン 0120-018-755)
薬用 メディカル アンチヘアロスセラム[医薬部外品] 50㎖ 6,160円(ロクシタンジャポン カスタマーサービス 0570-66-6940)
オージュア プレセディア インテンシブ パーフェクター 100㎖ 11,000円※美容室専売品(ミルボンお客様窓口 0120-658-894)
シンプリス 薬用 育毛 リッチヘア セラム [医薬部外品] 50㎖ 7,040円(シンプリス 0120-370-063)
頭皮と髪のケアは、地道な継続こそ効果を発揮。
大人の頭皮と髪の健康のために大切なのは血流を良くすること。毎日のルーティンである髪の洗い方や困ったときのお助けケアを見直して、いつでも美しい髪と頭皮へ。
いくま・なみ/女性誌編集部の美容担当を経てフリーランスに転身。毛髪科学分野とヘアケアに精通。著書に『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)などがある。
シャンプーやヘアサロンでトリートメントにお金をかけても、なんだか髪がキマらない。白髪が目立つ。空気が乾燥してきたら、さらに頭皮がパサパサになったり、フケが気になる……。頭皮やヘアのトラブルは年齢のせいと諦めるしかないの? 毛髪診断士の資格を持つ、伊熊奈美さんに話を伺った。
「髪には毛周期という、生えてから抜けるまでのサイクルがあります。女性の場合、髪の寿命は4〜6年とされており、一本一本バラバラ。このヘアサイクルは、加齢にともなう女性ホルモンの低下によって乱れがち。さらにストレスによる自律神経の乱れや、睡眠不足、運動不足なども、ヘアサイクルの乱れに大きな影響を与えます。だからこそ、まず大切なのが規則正しい生活。そして、健やかな頭皮や髪を育むために意識してほしいのが、洗浄・保湿・血流UPの3本柱。日差しが強い時期は、ここにUVケアが加わります。髪や頭皮にトラブルが起こると、何か特別なことをしなきゃと思いますが、まずは正しく洗うことが何よりも大事。よく“何のシャンプーを使ったらいいですか?”と聞かれることが多いのですが、それよりも正しく洗えているかがものをいいます。シャンプーのポイントは、洗う時間と同じくらいの時間を、予洗い、すすぎにかけること。そして、額あたりの生え際と頭頂から後頭部にかけての縦ラインは皮脂が出やすいため、しっかり洗うことが大切です。とはいえ、髪が濡れているとキューティクルが開いた状態なので、摩擦は厳禁。両手の指で頭皮を耳上から頭頂部へ寄せるように優しく揉み洗い。頭頂部で両指が重なったら、根元から毛先へスーッと指を移動させ、髪の汚れを取り除きましょう。保湿ケアは、頭皮美容液や洗い流さないトリートメントの出番。しかし、髪にトラブルが起こったタイミングで、慌てて短期的に集中ケアをしたところでいきなり効果は出にくいもの。無理せずに持続できるようなケアを毎日コツコツと続けましょう。血流UPは、マッサージももちろん良いのですが、ブラッシングなら続けやすいです。下から上へ、毛細血管ばかりで栄養が届きにくい頭頂部に向かって流しましょう」
健やかな頭皮や髪を育むためには、毎日続けられるケアが大事。今すぐ効果は感じないかもしれないけれど、今から始めれば10年後、20年後の髪や頭皮に必ず差が出るはず!
〈毎日のルーティンを見直すだけでOK!新・老けない髪の洗い方。〉
伊熊さんが正しい洗い方を伝授。毎日行うことだからこそ、マッサージ効果のある洗い方で血流UP&育毛ケア。おすすめのケア商品と共にご紹介。
[ 1 ] ブラッシング
髪の絡まりを取る&頭皮の汚れを浮かすために、まずはブラッシングから。髪は濡れるとキューティクルが開いて傷みやすいので、ブラッシングは乾いたままで行うのが鉄則。
[ 2 ] 予洗い
予洗いだけでかなりの汚れが落ちるので、1分程度髪全体にお湯を通して。ある程度髪を濡らしたら、髪をかき分け、内側まで予洗いを。後頭部にしっかりとシャワーを当てて。
[ 3 ] シャンプー
シャンプーは軽く泡立て、生え際、後頭部、えり足と数カ所に。サイドから頭頂部に向かって引き上げる。頭頂部まで行ったら指をスーッと引き抜き、泡で汚れをオフ。
[ 4 ] 引っ張る・すすぐ
すすぎも予洗い同様に1分程度。泡が残っていると、頭皮の炎症やフケやかゆみの原因に。サッと済ませるのではなく、髪の全方向からしっかりシャワーを当てて、すすぎ残しがないようにして。毛束を手に取り上へ引っ張ると、頭皮マッサージ効果を兼ねるので一緒に行うのがおすすめ。
[ 5 ] トリートメント
髪の水分を切り、トリートメントを毛先中心になじませる。一本一本の毛髪の全体に塗布するつもりで、コームでとかすのが◎。傷みが気になる場合は押し込むようにON。
[ 6 ] すすぐ
1分程度しっかりすすぐ。シャンプーのすすぎ同様、髪をかき分け、内側にもシャワーを当てる。後頭部の丸み部分は、見落としがちなので念入りに。敏感肌の場合、トリートメントが肌についたままになると背中ニキビなどの原因になってしまう場合も。なるべく髪と肌を離した状態ですすいで。
[ 7 ] タオルドライ
吸水性の高いコットンなどのタオルをチョイス。濡れた髪はキューティクルが開いて大事な髪の内部物質が流出しやすい状態。デリケートなのでゴシゴシ摩擦は厳禁。ふかふかのタオルで髪に押し当てるように水分を取って。濡れ髪で放置すると傷みやにおいにつながるため、すぐに乾かすのが正解。
[ 8 ] 美容液&トリートメント
頭皮美容液は生え際や頭頂部に塗布し、頭皮全体へ。頭皮を軽く押さえて浸透させる。洗い流さないトリートメントは、根元からつけるのではなく、毛先中心になじませる。
[ 9 ] ドライヤー
「強い日差しに含まれる紫外線A波は、真皮まで到達し、コラーゲンやエラスチンなどを破壊して、筋肉まで影響を及ぼしてしまうことも。この紫外線A波は窓ガラスも通過してしまうので、日焼け止めは必ず塗って。外出する際は、サングラスや帽子なども忘れずに」
〈MAINTENANCE さらに健やかな髪を育むために。〉
頭皮が乾燥していたら…
頭皮が乾燥して赤みやフケが出るのは肌が敏感になっているのかも。試しに、まずは2〜3日シャンプーはお休みして、丁寧な湯シャンで過ごして。塩素が頭皮を乾燥させている場合もあるので、塩素除去できるシャワーヘッドも◎。
食品でヘアケアするなら…
髪の8割はケラチンタンパク質からできているため、タンパク質であるプロテインをダイレクトに摂取するのがおすすめ。さらにタンパク質を再合成させる鉄+亜鉛を取り入れて。鉄分は、体に吸収されやすいヘム鉄を選びましょう。