まだまだ止まない日本茶ブーム。 日本茶ソムリエに聞いた、知っておきたい日本茶の基礎知識!種類に茶葉の選び方、おいしい淹れ方まで。

FOOD 2019.04.09

お茶の歴史から茶葉の選び方まで今知っておきたい基礎知識を、日本茶ソムリエの和多田喜さんに聞きました。これだけわかれば、日本茶がさらにおいしくいただけます。

Q1.日本茶はブームなんですか?

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A.はい。何度かブームはありましたが、過去のものと違うのは10~20代の若い世代が興味を持っていることです。「日常茶飯事」という言葉は毎日のお茶や食事の意味から、日々のありふれたことを表します。しかし現在では、お茶は毎日家庭で淹れるものではなくなってきました。急須で淹れる日本茶が特別なものになったため、コーヒーやワインのように、あらためて日本茶を見直そうという動きが出てきています。同時に最近では様々な茶葉が販売されるようになり、楽しみ方のバリエーションが増えたことも、日本茶人気の理由のひとつです。

Q2.コーヒー以外にシングルオリジン?

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A.コーヒーでは一般的になったシングルオリジン。日本茶でも単一農園、単一品種のシングルオリジンの茶葉が注目されています。そもそも煎茶は、輸出用に生産されていた高級品でした。普通に家庭で飲まれるようになったのは意外にも最近のことで1970年以降の話です。その後、徐々に嗜好性が高まり、日本茶にもコーヒーのような考え方が取り入れられ、今では品種や産地によって異なる個性が重視されるようになっています。機械化が進み、生産技術も向上してきたので、日本茶は歴史上で今が一番おいしい時だといえるでしょう。

Q3.知っておきたい種類って?

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A.日本茶には様々な種類があり、品種や産地の多さもあって難しい印象を与えているかもしれません。緑茶は生の茶葉を加熱して、揉みながら乾燥させたもので、その代表的なものが「煎茶」です。茶葉を酸化発酵させると紅茶になります。茶葉を炒ることで香味を出したものが「ほうじ茶」。また、煎茶と炒った米をブレンドしたものが「玄米茶」で和製のフレーバーティーです。一方「抹茶」とは蒸してそのまま乾燥させた茶葉を石臼でひいたもの。近年は日本茶に香料をつけたフレーバード日本茶も。迷ったらまずは煎茶を選んでください。

Q4.選び方を教えてください。

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A.お茶の専門店に行ってみましょう。煎茶の場合、日本の茶葉の7割は「やぶきた」という品種です。いろいろな産地の「やぶきた」を飲み比べてみるのもいいかもしれません。例えば静岡産、狭山産、鹿児島産で味が異なります。また同じ産地でも品種別に飲み比べると楽しいです。淹れ方が難しいと感じる時は、ある程度いい茶葉を買うことをおすすめします。最近は少量でも茶葉を販売しています。50gで1,000円以上のものを買えば間違いないでしょう。利便性を優先する時にはティーバッグという選択肢もあります。

Q5.専用の道具が必要ですか?

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A.極端なことをいえば、茶葉とお湯があればお茶は淹れられます。初心者にも簡単な方法を紹介します。ガラス製の耐熱ピッチャーと茶こしを用意します。ともに100円ショップでも入手可能です。そこへ3g(小さじ約1杯)の茶葉と300㎖の熱湯を入れ、1分待ったら必ず味見をしてからカップに移して飲んでください。濃ければお湯を足して薄め、薄ければもう一度戻して淹れなおします。ほかには水出し緑茶が簡単です。密閉容器に茶葉と水を入れて一晩冷蔵庫に置くだけ。100㎖に対して2gが目安。できるだけおいしいお水を使用してください。

Q6.ミルクとお茶の相性はいいの?

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A.牛乳を入れてラテにするなどのアレンジは、煎茶にはあまり向いていません。ほうじ茶や紅茶といった焙煎したお茶や抹茶などと合わせてください。お茶は茶葉と水で自在に味と香りを作り出すことができる飲み物です。お茶を淹れる3分間、リアルタイムで茶葉が変化する様子を見ることも楽しい時間です。慣れてきたらお茶のマリアージュ、食事やスイーツとの相性を探っていくのもよいでしょう。まずは自分で味を見ながら淹れてみる、茶葉でお茶を淹れることから始めてみましょう。自由に楽しみながら淹れてみてください。

(Hanako1170号掲載/illustration : Tokuhiro Kanoh text : Rie Nishikawa)

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