気軽な雰囲気で、女子人気も上昇中! 老舗酒場の店主に聞いた!初心者が知りたい、大衆酒場のマナー・楽しみ方。
気軽に楽しめる雰囲気で女子人気も上昇中の大衆酒場、気になっている人も多いのでは?そんな大衆酒場初心者が知りたい基本的なマナーから気持ちよく楽しむ方法まで、神田の老舗〈みますや〉三代目店主・岡田勝孝さんが教えてくれました。
Q1.大衆酒場ってどんなところ?
A1.「お勤め帰りの人がおこづかいで毎日通えるよう、安価で酒と料理を提供するのが大衆酒場の原点」。男性客が多いけれど、もちろん女子も歓迎。「気後れする場合、最初は男性と来てみては。ごちそうになっても1人3,000円ほど。負担にならない金額ですよ」
Q2.予約はあり? なし?
A2.ふらりとのれんをくぐるイメージのある大衆酒場だけれど、予約を受けている店は意外と多い。「でも週の前半は比較的空いているので、店に来て『今入れますか?』と直接聞いても入れる確率が高いですね。特に火曜日は狙い目。ただ12月は宴会で予約が埋まっていることも」。忙しい大衆酒場ゆえ、予約電話のタイミングにも心配りを。「一番いいのは仕込み中の14時、15時頃。また営業時間中でも店が一段落する20時前後なら店側も余裕をもって対応してくれるはずです」。そして予約から30分以上遅れる時は、必ず1本電話を入れて。
Q3.メニューの注文にルールはある?
A3.まずは先にお酒を注文。「つきだしをつまみながら料理を選んでください。早く出る煮付けや生ものと、時間のかかる焼き物などを組み合わせるといいですよ。またうちでは懐具合で選べるよう、メニュー札を右から価格の安い順に並べています」。そして歴史ある大衆酒場に名物あり。「店の味を知るバロメーターになるので、ぜひ注文してみてください」
Q4.お会計は別々でもOK?
A4.答えはNO。支払いはテーブルごとにまとめるのが基本。「大衆酒場はお会計額も小さいですからね。割り勘にする時はグループ内で精算してください」。クレジットカードを使える店も増えているけれど、昔ながらのキャッシュオンリーの店もまだ多い。現金を忘れずに。
Q5.気持ちよく過ごすには?
A5.大衆酒場では相席が基本と心得るべし。「卓上の調味料は譲り合って使うなど、相席の人への気遣いを大切に。時には隣の人と会話を楽しむのも酒場の醍醐味ですが自己責任で。酒の量もふるまいも、初めての店では控えめがちょうどいいね」。居心地よいからといって、混雑時の長居は禁物。そして帰る時にはお店への一言を忘れずに。「店の人にとっては『ごちそうさま』『おいしかったよ』の声が何よりの励み。たとえ店内が騒がしくてそれが聞こえなかったとしても、その一言があるだけで酒場の雰囲気はぐっと良くなるもんですよ」
今回教えてくれたのは…
〈みますや〉店主・岡田勝孝さん
創業110年を超える名店〈みますや〉の三代目。一方で自らを“呑み屋のおやじ”と言い切る岡田さん、その信条は「安く、おいしく、早く」。「日常の仕事疲れをときほぐすのが大衆酒場。財布の痛まない価格だから毎日来てほしいね」
〈みますや〉
明治35年創業、東京最古の酒場といわれる老舗。昭和3 年築の年季の入った店内は開店と同時に仕事帰りの人で活気づく。名物は築地直送の魚や、初代が考案したすき焼きの庶民版「牛にこみ」。
■千代田区神田司町2-15-2
■03-3294-5433
■11:30~13:30(土の昼は休み)、17:00~22:20LO(土~21:20LO) 日祝休
(Hanako1121号掲載/illustration:Shigokun text:Chiho Ohsawa)