大人気食パンもチェック! パン好きハシゴ必須!パン激戦区・三軒茶屋でおさえるべき人気ベーカリーとは?
パン好きならハシゴ必須の三軒茶屋。そんなパン激戦区でおさえるべきベーカリーとは?予約が数カ月待ちという大人気食パンの名店をはじめ、人気店2軒をご紹介します。
1.〈Boulangerie Koshuka〉
秋元英樹シェフに電話をすると「いやー、人が辞めちゃって大変で」と忙しそう。取材に行き、パンが出てくる様をじっと見ていたら、大変さが身に染みてわかった。小さい店にパンがぎっしり。
あんなに上手にバゲットが焼けるのに、下町のような惣菜のパンにまであふれんばかりの情熱を傾ける。
カレーパンのカレーは自家製、クロックムッシュは熱々の状態を保つため、2、3個ずつ出しては、冷めたものが下げられる。「あったかいほうが、うれしいでしょ」と温度にまで心を砕く。
みそかつサンドを食べて思う。もう名古屋まで行く必要はないと。
みそだれが豚の脂と混ざりあい、別次元へ。そして食パンがうまい。パンも豚も実にやわらかく、きっと歯がなくても食べられるほどに。
2.〈ブーランジェリー スドウ〉
目を見張るばかりの、パンの美しさ。こうして写真を見ていても、まるでCGか、と思うほど乱れも焼きムラもなく、一列に整列している。美意識と完璧主義。
完璧なパンは須藤秀男さん、枝里子さん夫妻の手から生まれる。
厨房は粉ひと粒すら落ちていないほどにきれい。当然、パンの見た目は味にも影響する。完全な形は完全なプロセス、完全な発酵状態を意味しているからだ。
世田山食パン。予約が数カ月待ちなのも不思議はない。食感、香り、味わい、口溶け。どれも日本人の好きな食パンのど真ん中を実現しているのだから。
深呼吸したくなる発酵のいい香り、がしっとした皮、しっとりふわっとした中身。3日後、4日後でさえ、香ばしさを失わない。
そんなこと言われても、買えないんじゃ仕方がないと思った方へ。あん発酵バターは同じ食パン生地を使用。
美しい発酵の香り、ミルクの香りが、いかにあんこをおいしくすることか。たっぷりの発酵バターが官能を加速させる。
ポムドテール380円。オリーブオイル使用の自家製マッシュポテトがてんこ盛りで、かじりつくと上の歯がその中に埋まる。その快感たるや。
(Hanakoto特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』/photo:Akiko Mizuno,Youichiro Kikuchi)