【福島】わっぱ飯に馬刺しなど、山の幸が満載。会津の郷土料理のおすすめ店3選
1976年東京都生まれ。雑誌やWebでレシピやエッセイを寄稿。調理器具や食器もプロデュースする。2026年2月に『ツレヅレハナコのからだ整え弁当』(Gakken)が発売。
冬の寒さが特に厳しく、「保存食への知恵が詰まっています」とハナコさん。伝統工芸の曲げわっぱを用いるご飯や貴重なタンパク源としての馬肉も、この土地の恵み。
1. 客人をもてなす料理を伝承していく。〈郷土料理と会津牛 渋川問屋〉
店のある七日町は、新潟から越後街道を通り運んだ荷を下ろす、会津の玄関口。かつてその名の通り、海産物の問屋を営んでいた〈渋川問屋〉は、商人たちが疲れを癒す場でもあった。彼らをもてなした料理が、今この店で変わらぬ味で振る舞われている。
「うちの厨房に立っているのは地元の“姉さま”たち。渋川家の仕込み帳通り、昔からの味を伝えています」と、現女将・渋川晴子さん。今家庭ではあまり作られなくなったという伝統食だが、お祝いの席には欠かせない。ここに来れば食べられると、地元客も観光客に入り交じる。
「こづゆ」
祝いの席を彩るお吸い物。

貝柱のだしに豆麩や里芋などがたっぷり。小さなお椀で出すのは、「たくさんおかわりして温まって」という心を込めているからだという。
「棒たら煮」
骨まで柔らかい甘辛煮。

2~3日かけて水で戻した干し鱈をじっくりと煮込む。戻した鱈は弾力が強く、切るのは力仕事。先人の試行錯誤が滲み出ている。
「にしんの山椒漬け」
爽やかな春を告げる味。

脂がのった本乾の身欠きにしんを、魚の臭みを抑える山椒の葉と一緒に醤油や酢に漬けたもの。旨みが凝縮されていて、酒のアテにもぴったり。
住所:福島県会津若松市七日町3-28
TEL:0242-28-4000
営業時間:11:00〜15:00(入店〜14:30)、17:00〜21:00(入店〜19:00)
定休日:無休
席数:100席
コースのみ2,600円〜で、単品の追加も可。明治・大正の建築が共存する。
2. 伝統工芸の歴史を料理の味とともに守る。〈元祖輪箱飯 割烹・会津料理 田季野〉
蒸したての曲げわっぱの蓋を開けると、色とりどりの景色に心が和む。県産コシヒカリをはじめ、11種のきのこ煮、ぜんまいなど会津の食材が盛り付けられている。そこに鮭やカニなどが添えられ、華やかな一杯に。器の原くろべ料である黒檜も温められて香りが立ち上り、旅の疲れを癒してくれる。
使用する曲げわっぱは、会津地方南西部の檜枝岐村(ひのえまたむら)で約500年作られてきたもの。これに魅せられた初代店主が1970年頃に始めた「輪箱飯」は、今や会津の食を語る上で外せない。曲げわっぱの職人は現在県内に一人きりだというが、店の味とともに受け継がれていくはずだ。
「わっぱ飯」
器ごと蒸した滋養たっぷりの飯。

古くから会津の山の人々が弁当箱として使ってきた曲げわっぱを用い、ご飯の上に鮭や山菜などの地産食材を合わせて蒸し上げたもの。
住所:福島県会津若松市栄町5-31
TEL:0242-25-0808
営業時間:11:00〜19:00LO(日18:00LO)
定休日:無休
席数:230席
建物は会津若松と日光をつなぐ下野街道にあった陣屋を移築復元した建築。
3. 楽しく呑んで知る、会津の酒文化。〈酒家 盃爛処〉
県外のファンも多い居酒屋だが、入るとすぐにその理由がわかる。店主の松田和博さんが明るくもてなしてくれるのだ。メニューはアラカルトもあるが、基本はおまかせのコース。といっても、客の要望やシチュエーションによってアレンジしてくれるからうれしい。県外からのゲストには、まずは馬刺しのおいしさを伝授。福島の馬肉は軽種から中間種が主体で、熊本産とは肉質がまた違う。サシを味わう熊本に対し、ここでは旨みのある赤身がメインだ。松田さんのおすすめ部位はロース。「厚い方がおいしい」と、分厚く切って饗する。
「馬刺し」
美しくしなやかな赤身肉。

新鮮な魚が手に入りづらい会津で、一般家庭でも重宝されてきた馬肉。生食を根付かせたのは、会津若松を訪れた力道山だといわれている。
住所:福島県会津若松市中央1-3-23
TEL:0242-25-0062
営業時間:17:00〜22:00LO
定休日:日休
席数:18席
おまかせは12品前後で6,000円ほど。馬刺し単品は1,200円。馬肉は親の代から40年の付き合いの〈やまご精肉〉から届けられる。
















