【谷根千】絶品テイクアウトOKの店を巡る｜焼菓子、パン屋さん、メキシコ料理など6選

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TOWN&CITY GUIDE

FOOD 2025.12.18

谷根千エリアは公園や街中のベンチなど、ひと息つける場所が多いことも魅力。お土産、おやつ、ごはんをお持ち帰りしていただきます！

photo_YukiSonoyama,TomoIshiwatar　text_HikariTorisawa

▽1. 甘い香りに導かれて道灌山通りを越えて。〈道灌山ベイクショップ〉
▽2. オーセンティックなメキシコの美味に感動！〈BINGO TACOS KITCHEN〉
▽3. 仕込みが終わる夜間まで営業するパティスリー。〈ル・クシネ〉
▽4.青空の下で頬張りたいこだわりのハンバーガー。〈STRAND BURGERS〉
▽5.店主自らが惚れ込んだ酒を思い入れと一緒に販売する。〈Liquors NODAYA〉
▽6.逗子から千駄木へ移って8年。根津神社前に立つパンの店。〈BAKERY MIURA〉

谷根千

下町らしい街並みに日常使いしたい店が点在。

散策の基点は、地下鉄千代田線の根津&千駄木駅とJR山手線の日暮里&西日暮里駅が便利。商店街がにぎわい、個人商店も元気な暮らしやすい街だ。文京区、台東区、荒川区が接し合うなかにギャラリーや美術館、神社などもある。

各スポットを紹介してくれた谷根千の案内人

profile

石井寛之

〈BEER PUB ISHII〉店主)

いしい・ともゆき/〈BEER PUB IS HII 〉店主。若き日に旅したイギリスでパブ文化に魅せられ、2013年、よみせ通りに自身の店をオープン。

石井さんが営む〈BEER PUB ISHII〉は1階が厨房と立ち飲みカウンターになっている。上階や外の席を使う人もここで注文して支払いをするため、不意の交流が生まれることもしばしば。ローカルのおいしいニュースもまた、この場所に集まっては交換され、口伝えに広がっていく。食いしん坊が集まる店ならではの循環だ。

週末は行列の絶えない〈ブーランジェリーイアナック〉の姉妹店、〈道灌山ベイクショップ〉は、「地域の手土産や贈り物の需要に応えたい」という金井孝幸シェフの思いが結実した焼菓子の店。小銭を握ってフィナンシェひとつを買いに来る幼い常連もいるという。石窯シュークリームが絶大な人気を誇るパティスリー〈ル・クシネ〉も同様だ。

「風邪をひいて食欲がないけど、うちのシュークリームなら食べられる、という小さな常連さんもいるので、夜も仕込みが終わるまで店を開け、シュークリームは切らさないようにしています。もちろん大人も大歓迎ですよ」と鈴木孝治シェフ。一人で買い物に来た小学生や中学生に向けて、シュークリームの特別割引ももうけている。

「〈ル・クシネ〉がパテ・ド・カンパーニュを作る時期は店のメニューにも載せています。〈BAKERY MIURA〉のバゲットはうちの自家製リエットと一緒に提供。どちらも味に惚れ込んで買いに行ったのがはじまりでした」と石井さん。ベーカーの飛田憲彦さんがかつて逗子に店を構え、千駄木に移動販売に通っていた頃からの付き合いだという。

石井さんが個人的に通う地元の店は数多くあるが、旅好きの石井さんをして「日本でこんなタコスが食べられるとは！」と驚愕させたのが、根津駅近くに立つ〈BINGO TACOS KITCHEN〉。「人生ベストのタコスにはここで出合いました。オープンしてからの5年間で、もう何度食べに行ったかわかりません」2024年オープンした〈STRAND BURGERS〉も、パテはもちろん、ソースや調味料も自家製するこだわりの店。「ときどきうちにも飲みに来てくれます」石井さんが、「この店なくしてうちは成立しません」と断言するのが、お隣に立つ（番地も一緒！）〈Liquors NODAYA〉。

「タップが5つ、バックヤードもないうちのような小さな店で、何種類ものビール樽をベストな状態でキープできるのは、店主の佐藤幸平さんのおかげです。全国の醸造所から〈NODAYA〉を通して仕入れ、倉庫に置かせてもらっています」その佐藤さんは、「石井さんとの取引をきっかけに、日本のクラフトビールのおいしさを知り、開眼しました」と証言。自身の店舗でも国内外のクラフトビールを販売するようになった。