京都旅行のラストはこれ!新幹線で食べたい極上折詰弁当4選
さわの・たかあき/創業は文久3年。四代目が考案した鱧づくし料理でも知られる老舗の六代目として店を営む。〈京料理 木乃婦〉での修業を経て家業に入り、以来35年にわたり厨房に立つ。
1. 〈京趣味 菱岩〉

天保元年の創業以来、祇園を中心に愛される老舗。折詰は縦長に、奥を高く盛り付けるのが美学。だし巻きと白ご飯が主役の端正な姿が美しい。
住所:京都府京都市東山区新門前通大和大路東入ル西之町213
TEL:075-561-0413
営業時間:11:30~18:00
定休日:日、第2・最終月休ほか不定休
前日までの要予約
2. 〈京料理 井政〉

茶道具をしまう箱からイメージし、真田紐を結んだ二段重ねの弁当は、季節のあしらいも華やか。新幹線八条口までへの配達は事前に問い合わせを。
住所:京都府京都市下京区七条御前西入ル西七条南中野町43
TEL:075-313-2394
営業時間:11:00~19:00
定休日:火休(祝は営業)
要予約、最新情報は@kyoto.imasaで
3. 〈堺萬〉

鱧八幡巻、鱧巻揚げなど10月頃までは鱧がふんだんに。だし巻きや芋煮などのほかは、その時々でがらりと変わるため蓋を開ける楽しみもひときわ大きい。
住所:京都府京都市中京区二条通室町西入ル大恩寺町248-2
TEL:075-231-3758
営業時間:11:00~19:00
定休日:火・最終月休
要予約、事前に問い合わせを
4. 〈瓢樹〉

大正9年に〈瓢亭〉からののれん分けで料亭として創業。現在は仕出し専門として店を構える。五味調和を大切に、瓢形のだし巻きや合え混ぜと呼ぶ胡麻和えなどが定番。
住所:京都府京都市東山区東大路通三条下ル進之町581
TEL:075-561-1369
営業時間:10:00~18:00
定休日:水、第3火休
3日前までの要予約
京都の「折詰弁当」とは
注文に応じて料理を用意し、届ける仕出しは京都に受け継がれる食文化のひとつ。来客のもてなしや、家での行事ごとがあれば仕出し料理店の出番。点心や松花堂弁当が配達され、ときには熱々の椀ものをその場で仕立てるなど、道具を持ち込んでの調理が行われることもある。それは料理人ならではの技と美意識、心配りが凝縮し、目も舌も喜ばせてくれる京料理そのもの。「仕出しが身近にあるのは神社仏閣も数多く、行事ごとも大切にしてきた京都の街だからこそ。個人宅だけでなく、たとえば呉服商が顧客を招くなどのシーンで使われることもあります。昔に比べれば機会は減りましたが、これからも守り続けたい文化です」と〈堺萬〉の澤野高明さん。仕出し料理店は、京都に暮らす人々のスペシャルを担う台所として、長く重宝されてきたのだ。
そのもてなしを誰でも気軽に体験できるのが、仕出し料理店による折詰弁当。宿や帰りの新幹線でも、蓋を開ければたちまち華やかな京料理の世界が広がる。「冷めてもおいしく、時間が経っても安心して食べられるよう、店で出す料理よりも味はしっかり目につけています。とはいえ濃すぎることなく。それぞれ店には懐石や精進料理、有職料理などの専門もありますから、個性も楽しんでもらえれば」
弁当の主役ともいえるだし巻きは、じゅわっと口に広がるだしの贅沢さと、店ごとの味わいを満喫したいもの。澤野さんの言葉どおり、季節の取り入れ方は三者三様。鱧料理で知られる〈堺萬〉の折詰は夏から秋にかけて鱧づくしとなる。大きさの異なる淡路の鱧を料理ごとに使い分け、鱧の炊いたんに揚げもの、鱧ごはんと盛り込まれた様子に、迷い箸も必至。
小さくとも折詰の中には、京料理の世界が広がっている。まずは季節を映した姿や盛り付けの美を目で堪能。丁寧な仕事がほどこされた、一品一品をじっくりと味わえば心も満足。京都の余韻に包まれるに違いない。




















