箸が止まらない旨さ! なすを使ったレシピ3選
photo_Tetsuya Ito recipe & styling_Yasuhiro Watanabe text_Kazuyo Nojiri
わたなべ・やすひろ/アパレル勤務を経て料理家に。2024年には料理教室のスタジオと、調味料や食材、オリジナルの調理器具を販売するショップを兼ねた〈Cibo e Gino〉を東京・新宿区にオープン。
泡をまとった吹きガラスが、なすのとろり感を引き立てて。
なすの旬は長く、初夏から秋にかけて。夏のなすはみずみずしく、秋が深まるにつれて種が少なく、身が引き締まってくる。
「なすは和洋中、どんなジャンルの料理とも相性が良くて、個人的にも好きな食材。特に、香ばしく焼いて、温かいうちに食べる時の、身のとろっとした食感がたまらないんですよね」と渡辺康啓さん。今回教えてくれたのは、渡辺さん好みの〝焼き〟のバリエーション3品。
そして、「なすのみずみずしさと質感が合うと思って」とコーディネートしたのは、横山秀樹さんの手吹きガラスの器。
「横山さんの工房にお邪魔したことがあるのですが、耐火れんがなどで作った原始的な窯で製作されていて。ぽってりとした厚みのガラスは、とても細かい気泡を内包しているのが特徴です。一つ一つ手で吹いているので、同じブルーでも色味や表情が少しずつ違う。そんな揺らぎのある美しさに惹かれます」
1. とろりとした食感を、あつあつのうちに。「焼きなす」

なす …1本
塩柚子(※1) …少々
オリーブ油 …適量
結晶塩 …適量
※1[ 準備しておくもの ]
塩柚子
①柚子を横半分に切って種を取り除き、さらに半分に切り、重さを量る。
②重量の15%の塩を用意し、清潔な瓶に塩と柚子を交互に入れる。
③蓋をして毎日瓶を振り、塩が溶けたら冷蔵庫に入れる。1週間後くらいから使える。
作り方
❶ 塩柚子はみじん切りにする。
❷ なすのヘタの周りにぐるりと包丁を入れ、下から菜箸を刺して穴をひとつ開けておく。
❸ 魚焼きグリルに②を入れ、強火で9分焼き、90度なすを回転させ、さらに5~7分ほど焼く。なすを押してふかふかになっていたら、皿に盛る。
❹ 菜箸で縦に切り目を入れて広げ、オリーブ油を垂らす。さらに塩柚子をのせ、結晶塩を振る。
2. とろふわ卵とのマリアージュが新鮮。「なすと卵焼き」

なす …2本
卵 …2個
塩 …少々
結晶塩 …少々
レモン …1/6個
オリーブ油 …適量
作り方
❶ なすのヘタの周りにぐるりと包丁を入れ、下から菜箸を刺して穴をひとつ開けておく。
❷ 魚焼きグリルに入れて強火で9分焼き、90度なすを回転させ、さらに5~7分ほど焼く。なすを押してふかふかになっていたらボウルに取り、蓋をして蒸らす。触れるくらいまで冷めたら、皮を剥き、2㎝幅の輪切りにする。
❸ ボウルに②を入れてレモンを搾り、塩を振ってあえ、器に盛る。
❹ 卵をボウルに割り入れ、塩を振ってかき混ぜる。
❺ フライパンにオリーブ油を入れて温め、④の卵液を流し入れる。中強火で鍋底の卵が固まったところを、ゴムベラでゆっくりかき混ぜる。
❻ ③のなすの上に卵を被せるようにのせ、結晶塩を振る。
3. ピリ辛の味つけでご飯が進む一品。「なすの香り油炒め」

なす …2本
にんにく …1片
ニラ …4本
酒 …大さじ1
菜種油 …大さじ1
唐辛子漬け醤油(※2)…適量
塩 …少々
※2[ 準備しておくもの ]
唐辛子漬け醤油
醤油160㎖、きび砂糖小さじ2、赤唐辛子2本を保存瓶に入れて砂糖が溶けるまで混ぜ、冷蔵庫で保存。味がなじんだ1週間後から使える。
作り方
❶ なすは皮を縞目に剥いて厚さ3㎝に切り、ボウルに入れて塩をひとつまみ振り、なじませておく。しばらくして水分が出てきたら、流水で洗ってザルにあげる。
❷ にんにくはみじん切りにし、ニラは根本の太い部分はみじん切り、葉の部分は4㎝幅に切る。
❸ ②のにんにくとニラの根本の部分、菜種油を鍋に入れて弱火にかける香りが立ってきたら①のなすを加え塩をひとつまみ振って炒め、さらに全体に酒を振りかけ、蓋をして蒸らし炒めにする。
❹ なすがとろんとしてきたら、②のニラの葉の部分を加えてさっと炒め合わせる。器に盛り、唐辛子漬けの醤油をかけていただく。
1950年、福岡県飯塚市生まれ。1977年、倉敷ガラス・小谷眞三氏に師事。1987年に独立後、初個展を開催。以降、日本各地をはじめ、コペンハーゲン、ロンドン、イタリアのベルガモなど海外でも個展を開催する。
住所:兵庫県神戸市灘区八幡町2-10-11 メゾン六甲202
TEL:078-855-4616
営業時間:11:00~18:00
定休日:月火休、ほか臨時休あり
HP:https://moris4.com/
2026年2月に岡山〈工房イクコ〉、東京〈うつわ萬器北千住店〉で企画展開催予定。
※今回使用の器は料理家私物。

















