【東京】小皿提供だから1人でもいろんなメニューを楽しめる中華5選
photo_Kiichi Fukuda text_Yoko Fujimori
1. 本格広東料理をアラカルトで楽しむなら〈香噴噴〉/木場
〈筑紫樓(つくしろう) 丸の内〉など数々の名店で研鑽を積み、担々麺専門店〈香噴噴 東京木場〉を繁盛させた九鬼(くき)修一シェフ。お酒を担当する妻の彩也佳(さやか)さんとともに長年の構想を形にしたのは、“妥協なき本格中華をつまみに呑める店”。例えば前菜盛り合わせは甘美な蜜汁叉焼や子持ち昆布の紹興酒漬けなど、これだけで小1時間呑める逸品揃い。通常は丸鶏を使う広東名菜・脆皮鶏(チョイペイガイ)も、一人でも食べやすいよう阿波赤どりのモモ肉を使い、パリパリ&むっちりに仕上げる。
お酒はワインがメインで、フランスの自然派を中心に約100銘柄、台湾ウイスキーや希少な紹興酒、クラフトビールも揃え、ペアリングに事欠かない。まさに痒かゆいところに手が届く店!
住所:東京都江東区東陽3-16-9
TEL:03-6458-4267
営業時間:18:00~22:00LO、土日祝17:00~21:00LO
定休日:月、第1・3・5火休
席数:18席
2024年8月オープン。ワインはボトル6,000円台~。中国茶も揃う。コース(予約制)もあり。
2. 立ち飲みで一流店の味を〈立呑み中華 起率礼〉/自由が丘
椅子はなく、“着席がない”から〈起率礼〉。〈ザ・リッツ・カールトン大阪〉や広尾の〈中華香彩 ジャスミン〉など一流の現場で中国料理を学んだ井上史子シェフが、カウンターの眼前で鍋を振る。メニューは、総州古白鶏(そうしゅうこはくどり)に自家製ラー油の絶品ダレをまとわせた「名物よだれ鶏」や、ピータンとザーサイ、木綿豆腐をマッシュした白和え、「ハムユイ炒飯」などどれも立ち呑みの域を凌駕する品だ。
それを明治~昭和初期の染付小皿に盛り付け、1~1.5人前で出す。台湾烏龍茶や紹興酒を使った割りものドリンクとの相性も抜群。「ポーションだけを変え、食材も手間もレストランのクオリティのまま出したい」というシェフの信条に感服。連日混むのも納得!
住所:東京都目黒区自由が丘2-14-2
TEL:03-4400-0235
営業時間:16:00~22:30LO
定休日:火水休
席数:スタンディングのみ
学芸大学駅近くで人気の〈立呑み 鉄砲玉〉の姉妹店。2023年12月オープン。台湾茶割り5種、熟成紹興酒なども。
3. シュウマイが看板メニューのワインショップの角打ち〈timsum〉/日本橋
まだまだナチュラルワインを扱う店が少ない日本橋界隈に現れた、角打ちスタイルのワインショップ。広島・瀬戸田のレモンと〈横島ファーム〉のうつみ潮風豚を使った「檸檬焼売」が看板メニューで、このセイロで蒸し上げる自家製シュウマイをはじめ揚げ春巻き、東坡肉(トンポーロー)といった“小皿中華”が20品ほど。
セラーにはフランス、イタリアを中心に約150銘柄のナチュラルワインが並び、肉の甘みにレモンの酸味が広がる檸檬焼売には、フローラルでキリッと骨格のあるオレンジワインを合わせるなど、店長の鈴木慎一郎さんが見立ててくれる。明るい時間からの営業なので気軽な昼呑みにも、ディナー前のアペロ(食前酒)にも、使い勝手は抜群だ。
住所:東京都中央区日本橋大伝馬町1-2 1F
TEL:03-5801-9822
営業時間:16:00~22:30LO、土日祝13:00~20:30LO
定休日:無休
席数:12席、テラス4席
ワインはグラス1,100円~、ボトル2,000円台~。抜栓料2,000円。2023年11月オープン。
4. 餃子と焼豚がうまい、呑める町中華〈小皿中華酒場 う~みん〉/池尻大橋
格別の焼き餃子で、瓶ビールの不朽の名作、サッポロラガービール(通称「赤星」)を呑めたなら。そんな町中華ファンの永遠の夢を具現化し、人気を博す一軒。
餃子を中心とした前身の〈餃子屋う~みん〉から、2024年の移転を機に、より呑める中華メニューを強化。店主の木村章吾さんが独学で研究を重ねたという、二度挽きした豚肉あんをオリジナルの皮で包み、揚げ焼き状態でカリッと仕上げる餃子をはじめ、特製タレが海老の甘みを引き出す「赤海老の紹興酒漬け」、山椒に黒ゴマをたっぷり効かせた新作の麻婆豆腐など、なじみの町中華をみごとにつまみの領域に進化させている。自家製カクテルも美味だが、まずは“赤星”で乾杯したい!
住所:東京都世田谷区池尻3-23-3 1F
TEL:03-6804-0788
営業時間:17:00~23:00LO
定休日:月休
席数:20席
2024年2月に目黒区大橋から移転オープン。サッポロラガー(中瓶)770円。山椒ジンソーダ825円。麻婆豆腐が中心のランチを開始予定。
5. 隠れ家的なお店で台湾気分〈マンション台北〉/大塚
台湾のストリートフードを発信する江戸川橋の人気店〈フジコミュニケーション〉が、白山〈also〉に続き、大塚の古いビルの2階に密やかに開いた新店舗。グリーンの丸型タイル張りのテーブルや現地の食器類が並ぶ店内はまるで台湾。料理は食堂や夜市などで親しまれる小吃(シャオチー・軽食的な一品料理)で、ナチュラルワインと合わせるのもほか2店舗と同スタイル。香菜干絲(シャンツァイカンス・細切り干し豆腐のパクチー和え)や魯肉飯(ルーローファン)、名物の手包み水餃子も常備。
森尾翼店長曰く、「滷味(ルーウェイ)」と呼ばれる煮込み料理もおすすめで、皮付き豚バラ肉をぐるぐると巻き、注ぎ足しの特製ダレで煮込む爌肉コンローは必食。トロリとほどけるバラ肉をビールと合わせれば、ああ至福……!
住所:東京都豊島区南大塚2-40-11 2F
TEL:03-6902-2081
営業時間:17:30~22:00LO
定休日:月火休
席数:18席
2023年12月オープン。キャッシュレス決済オンリー。ワインはボトル5,000円台~。台湾ビール660円。