行列ができるおにぎり専門店〈ぼんご〉で修業したおにぎり専門店3軒

FOOD 2024.05.18

開店前から行列ができはじめ、2〜3時間待ちは当たり前のおにぎり専門店〈ぼんご〉。そんな〈ぼんご〉で学び、育ったおにぎり専門店を3軒紹介します。

INDEX

1. おにぎり・とん汁 山太郎/雑司が谷

朝8時。店主・樋山千恵さんのハツラツとした声が店内に広がり、スタッフたちと声を掛け合いながら仕込みが始まる。新潟・岩船産&栃木産コシヒカリのブレンド米を浸水させ、卵黄醤油漬け、麹味噌で仕上げるとん汁の具材の準備までテキパキとこなす。生まれ育ったこの地でオープンして1年半経った現在も、彼女の原動力となっているのは、おにぎりとの出合いと思い出だ。

「小さい頃から、母がお弁当に入れてくれたり、最期の晩餐もおにぎりがいい! と思えるくらい、ずっと寄り添ってきた食べ物。何より、初めて食べた〈ぼんご〉のおいしさと感動は生涯忘れることがないと思います」

おにぎり左から「ヤンニョムチキン」「麻薬たまご」各350円。
おにぎり左から「ヤンニョムチキン」「麻薬たまご」各350円。

週5日、半年間の修業で学んだ仕込みや握り方、大きさなどの土台部分は曲げず、具材で新しい勝負をしているところだ。

「〈ぼんご〉と全て一緒であっても本家は超えられないのは分かっていたので、ハワイのスパイシーアヒポキやガーリックシュリンプ、韓国のヤンニョムチキンなど、海外で出合った味付けや食べ物も具材にしてみました。夫婦共々、海外旅行が好きで色々な国へ行っていたのが味方になりましたね」
 
卵黄をニンニクネギダレに漬けた「麻薬たまご」は、若者の間でも人気具材に。流行と伝統をうまくおにぎりにアウトプットしながら、今日も樋山さんは笑顔でおにぎりを握っている。

おにぎり・とん汁 山太郎

おにぎり・とん汁 山太郎の外観

住所:東京都豊島区雑司が谷2-10-7
TEL:03-6823-7549
営業時間:11:00~15:00
定休日はInstagram(@yamataro_onigiri)で確認を
席数:8席

18:00~21:30 は、手巻き寿司とお酒を楽しめる店に。斜め向かいにはテイクアウト店もあり。

2. 板橋ぼんご/板橋

「塩さば」ほか「納豆ネギ味噌」なども。各270円。
「塩さば」ほか「納豆ネギ味噌」なども。各270円。

大塚本店の先代・右近祐さんの甥である、店主の右近智義さんが始めた板橋店。「おにぎりを作る右近由美子さん(二代目)の姿が、かっこよかった。子どもの頃からその背中を見て育ったよ」と笑顔で語る智義さんは、本店で5年の歳月をかけて修業を重ね、当時教わった〈ぼんご〉の歴史あるおにぎりを大切に受け継いでいる。現在の本店よりも少し小さめだったという修業時のおにぎりを作り続けており、米と具材の量やバランスはブレていない。さらに型を使わず、具材をのせたら、おにぎりの形、ほぐれ感、まとまり具合を3回の握りで整える職人技も必見だ。

板橋ぼんご

板橋ぼんごの店内の写真

住所:東京都板橋区板橋1-27-13
TEL:03-3963-9502
営業時間:11:00~14:00、16:00~19:30
定休日:日祝休
席数:7席

豆腐の味噌汁がついた、おにぎり3個セット850円が人気。

3. 豆蔵/亀戸

山形の青菜漬を使った「高菜炒め」253円なども。
山形の青菜漬を使った「高菜炒め」253円なども。

元々は食品関係の仕事をしていた、店主の渡辺龍さん。修業後は一度仙台でおにぎり屋を開き、地方食材のおいしさに気づいたという。現在も、山形の「ままけは」(青唐辛子の麹漬け)や、和歌山〈東農園〉から届く紀州五代梅など、渡辺さんが目利きした食材を使う具沢山のおにぎりが楽しめる。

「お客さんの声にとても助けられていて。〈ぼんご〉より少し小さめの〝豆サイズ〞を作ったのも、子どもが食べきれるサイズが欲しい、色々な種類を食べ比べてみたいという声からでした。これからも亀戸で愛されるおにぎり屋であり続けたいです」

豆蔵

豆蔵の内観

住所:東京都江東区亀戸3-49-3
TEL:03-3637-2440
営業時間:6:30~15:00
定休日:月休

持ち帰り専門店。食材は足立市場で目利きしたものを買い付け。おにぎりに合う惣菜の販売も。

photo_Yu Inohara text_Ami Hanashima edit_Kana Umehara

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