大銀座から始まる東京小旅行
#日本橋で100年 歴史ある名店へ。

FOOD 2023.04.15

かつて五街道の起点とされた日本橋。さまざまな文化の発信地として栄えたこの場所には、東京を代表する老舗も多くある。時代が移り変わっても、変わらぬ味と“江戸の粋”。100年以上愛され続けてきた、正真正銘の名店を紹介!

1. 〈割烹 嶋村〉 江戸時代からの歴史に彩られた、会席料理を堪能。(1850〜)

その長い歴史は江戸城や将軍家に料理を届ける仕出し店から始まる。徳川慶喜の食事係として静岡にも同行した初代の逸話を踏まえて8代目が考案したのが、土曜日限定で登場する幕末会席(5,600円・要予約)。ゴマ油で揚げた「金ぷら」などの美味も。

2. 〈榮太樓總本鋪 日本橋本店〉 日本を代表する、和菓子店の由緒あるきんつばを。(1818〜)

現在は全国に店舗を展開する和菓子店の起源も日本橋に。武士や町人文化のもとに愛され、受け継がれてきた銘菓が「焼きたて名代きんつば」(1個330円。イートインの価格)だ。江戸時代はきんつばを出す店が界隈に多くあったというが、昔ながらの円型で焼き上げるのは全国でもここだけ。銅板で焼いて提供する実演販売も。

3. 〈うなぎ割烹 大江戸〉 職人の知恵と技が光る、極上のうな重を求めて。(1800〜)

「お客様にいつでもおいしい鰻を召し上がっていただけるように」と開店から炭を落とさず、通しで営業する懐深き鰻の老舗。小さめの鰻を切らずに“いかだ”のように2本並べて串を打った「さつき(二本いかだ)」は土曜日のみの限定で5,280円。門外不出のタレの風味も上品で、ひと口ごとにしあわせな気持ちに。

4. 〈室町砂場〉 蕎麦好きの“聖地”で胃も心も温まる名物を。(1869〜)

1869年に天ざる、天もり発祥の店として創業し、幅広い世代の蕎麦好きを魅了。本鰹の一番だしが胃の腑にじわりと沁みる「おかめそば」(1,400円)は蒲鉾や湯葉、玉子焼き、椎茸など彩りも美しい具材でおかめの顔に。喉越しもいい細めの蕎麦を食べ終えたら、最後はつゆに蕎麦湯を入れて楽しんで。

5. 薮伊豆総本店〉 落語を聴いて、蕎麦で〆る。粋な町人文化を体感。(1882〜)

江戸の町人文化をいまに伝える蕎麦店。3階のお座敷には寄席を設け、土曜日は不定期で一般開放。落語の余韻を楽しむなら、ぜひ名物の「そば寿し」(650円)を。うす焼き卵、かんぴょう、しいたけ、茹でた蕎麦を一緒に海苔で巻いた変わり寿司は、いくつでも食べたくなると評判。

6. 〈吉野鮨本店〉 気張らず、気取らず。 江戸前鮨の本質に触れる。(1879〜)

箸袋に書かれた「江戸に生れて東京で育ちいまじゃ日本をにぎりずし」という句は3代目によるもの。おこのみもおきまりも気分で選ぶことができる江戸前鮨の老舗は、鮪のトロの握りを初めて提供したことでも有名。好きなネタを注文するおこのみは10,000円からが目安。

photo:Yoichiro Kikuchi text:Keiko Kodera

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