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ニッポンのお茶のニューウェーブ。#2 和紅茶は未来の架け橋に!? いま飲むべき和紅茶の名作を知ろう!
緑茶大国の日本で今、じわじわと存在感を増している和紅茶。進出気鋭な作り手から、和紅茶のレジェンドまで、全国の名品を〈TEA ROOM Yoshiki Handa〉店主の半田貴規さんがセレクト。9月28日(水)発売Hanako1213号「新しいニッポンのお茶。」特集よりお届けします。
北は新潟から南は九州まで。飲むべき名作を全国からセレクト!
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最近、とにかく和紅茶が面白い。
そのきっかけの一つといえるのが、2015年頃から「プレミアムティコンテスト」をはじめ和紅茶のアワードが複数開催されるようになったこと。受賞茶は国内外で注目され、技術を磨くために中国茶のエキスパートに指導を受けるチームが登場するなど、そうした作り手がおいしさを向上させている。また、国産素材や地産地消への関心の高まりも、和紅茶に注目が集まる理由だろう。
「こだわりの作り手は、栽培から製茶、販売まで行う“自園、自製、自販”の茶園がほとんど。これはコーヒーでいう単一農園=シングルオリジン。茶園や土地ごとの味わいが魅力です」と、国産紅茶専門店〈TEA ROOM Yoshiki Handa〉の店主・半田貴規さん。緑茶系の「やぶきた」や、紅茶向けに育種された「べにふうき」など品種による風味の違いも大きな楽しみだ。
最後に、紅茶は煎茶の特性である旨味成分の生成を促す窒素系肥料の使用量が少ないため、今回の茶葉はみな有機栽培や無農薬(低農薬)。お茶作りのあり方として、和紅茶は未来の架け橋になり得る存在かも。
新潟〈冨士美園〉の 雪国紅茶
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新潟最北部の雪の茶どころ、村上で生まれる“北限の紅茶”。明治期に輸出用に製造されていた紅茶を、2004年に「雪国紅茶」の名で約100年ぶりに復活。緑茶品種のふくみどり、あさのかやぶきたと在来種のブレンドは、渋みの少ない風味が魅力。「滑らかな口当たりと、蒸したサツマ芋のような優しい甘味が心地いい」(半田さん、以下同)。50g 648円。
TEL:0254-52-2716
HP:http://www.fujimien.jp/
茨城〈さしま茶 長野園〉の SASHIMA CRAFT TEA H1
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今、和紅茶の郷として注目される猿島。〈長野園〉の茶師・花水理夫(みちお)さんは、この地を牽引する作り手の一人。こちらは「べにひかり」の春摘みで、国産紅茶の品評会「プレミアムティーコンテスト2021」四ツ星受賞作。クチナシの芳香のあとに品種特有のメントールのような爽快感が花開く。茶葉の姿も美しい和紅茶の新世代。30g 1,890円。
TEL:050-3138-2885
HP:https://www.naganoen.com/
静岡〈丸子紅茶〉の 紅富貴
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和紅茶界のパイオニア・村松二六さんの代表作。1989年から静岡・丸子でいち早く紅茶を手掛け、民間で初めて「べにふうき」の栽培に成功。独自で開発した発酵器は特許を取得。「まさに和紅茶の入門編。開花した梅の花のような香りがあり、ほのかに甘く黒蜜のよう」。深紅の液色、豊かなボディ感で、ミルクティーにも。80g 1,650円。
TEL:054-259-3798
HP:https://www.marikotea.com/
静岡〈益井園〉の 紅茶 みらい ふぁすと
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〈丸子紅茶〉と並び、静岡の和紅茶の黎明期から活躍する重鎮の一人。園主・益井悦郎さんが川根の地で育種した品種「みらい」で作る定番。今春、バイデン米大統領来日時の夕食会で振る舞われたことで話題に。無農薬栽培、茶葉の長時間萎凋が特徴で、ファーストフラッシュは華やかなオレンジ色の液色と柑橘の香りが清々しい。35g 700円。
TEL:0547-59-2407
HP:https://masuisanchi.wordpress.com/
静岡〈カネロク松本園〉の 燻製紅茶 桜
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茶の名産地・牧之原台地で明治期から営む茶園。自然環境と共存する「茶草場(ちゃぐさば)農法」を貫く園主・松本浩毅さんの代表作は、茶葉に燻製香をまとわせたユニークな「燻製紅茶」。華やいだ味わいはパリの日本茶コンクールでも受賞。15種もの薫香があり、こちらは桜。「スモーキーな風味の中に桜餅のような優しい甘味。後味は軽やか」。50g 1,080円。
HP:https://kaneroku-matsumotoen.com/
愛知〈ごとう製茶〉の NO.18無農薬豊橋紅茶「きいこ・べにいろ」ファーストフラッシュ
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1927年創業、15年ほど前から歴史ある豊橋紅茶を復活させた茶園。2008年より全茶畑を無農薬栽培に。4代目の後藤潤吏(ひろさと)さんはコンテストに名を連ねる注目の若手。商品名の「きいこ」はお母様の名前で、この春摘みは若葉のようなグリーニッシュな爽やかさとほのかな甘みが広がる。少量生産で取り組む手摘み・手揉み紅茶は予約完売の人気。50g 480円。
TEL:0532-41-0805
HP:http://www.gotou-seicha.com/
京都〈中窪製茶園〉の 南山城紅茶 やぶきた夏摘み
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京都府に唯一残る村であり、宇治茶の主産地である南山城村で1世紀以上にわたりお茶を作る名園〈中窪製茶園〉。廃校になった木造校舎の一室で紅茶作りを行う。緑茶品種・やぶきたの夏摘みは、焼菓子のように甘くロースティーな香り。「バターのようなふくよかさとローストアーモンドの香味。ミルクティーにしたい! と思わせる紅茶」。22g 1,188円。
TEL:050-5435-3158
HP:https://www.seichaen.com/
福岡〈お茶の千代乃園〉の SNOWING MOUNTAIN TEA
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福岡・八女茶の郷で有機認証を獲得し、誠実なお茶作りを実践する茶園。こちらは「プレミアムティーコンテスト2021」で五ツ星を受賞した「べにふうき夏摘み」に続く、2022年の最新夏摘みバージョン。「口に含むと複雑な味わいと香りが広がる。ビロードのように滑らかなテクスチャーと、熟したプラムやブラックベリーの甘み。重厚感ある味わいがみごと!」。30g 972円。
TEL:0943-22-8552
HP:https://chiyonoen.jp/
熊本〈お茶のカジハラ〉の 春摘み 香駿紅茶
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熊本県芦北町で無農薬で茶葉を育て、昔ながらの釡炒り茶を作り続ける茶園。釡炒り茶の名手・梶原敏弘さんは紅茶作りにも意欲的に取り組み、こちらは香りの高さで注目される「香駿」のファーストフラッシュ。「完熟したマンゴーやパイナップルの優しい甘みとコクのあるクリーミーな風味。茶葉の状態からすでに気品のある香りを感じます」。30g 1,080円。
TEL:0966-84-0608
HP:http://www.kajihara-chachacha.com/