和菓子通・京都花屋〈みたて〉の西山美華さんがセレクト。 【京都】迷ったらここ!老舗の名菓子リスト。

FOOD 2022.10.13

茶席の菓子から日々のおやつまで、京都の和菓子は数えきれないほど。生ける花もさることながら、自身のセンスの良い暮らしに注目が集まる西山さんに、ジャンルごとのマイベストを教えてもらいました。

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Navigator 西山美華(にしやま・みか)

山野草を通じて日本の美意識を伝える花屋〈みたて〉を夫の隼人さんと営む。和菓子はお客さんへのもてなしに、息子や自分のおやつにと欠かせないもの。

みたらし団子といえば・・・〈梅園 河原町店〉

甘すぎず、香ばしく上品な俵形。
甘すぎず、香ばしく上品な俵形。

昭和2(1927)年創業の甘味処。3代目の西川葵さんが餡の新作菓子を考案するなど新風を吹き込みながらも、変わらず守り続けられているみたらし団子。「さらりとして甘すぎないタレはもちろん、むっちり弾力のあるお団子の焦げ目もおいしい。小さな俵形のお団子が串に4つ。最後まで食べやすく、口元が汚れないのも魅力です」。10本袋入り880円。

〈梅園 河原町店〉
住所:京都府京都市中京区河原町三条下ル山崎町234-4 
TEL:075-221-5017 
営業時間:10:30~19:30(19:20LO) 
定休日:無休

豆大福といえば・・・〈光悦堂〉

素材そのものの甘みを味わう。
素材そのものの甘みを味わう。

天正19(1591)年豊臣秀吉が京の周囲に築造した御土居(土手)にちなんで土手を模して作らせたという逸話が有名な御土居餅。これは二度蒸ししてついたもち米に砂糖、塩、甘煮の赤えんどうを混ぜ、こし餡を包んできな粉をふりかけたもの。「お餅が柔らかくて、甘すぎないのが好み。今もお店の前には御土居が広がり、桜の時季は特に美しいですよ」。御土居餅1個160円。

〈光悦堂〉
住所:京都府京都市北区鷹ヶ峯旧土居町1-203 
TEL:075-492-0798 
営業時間:9:00~19:00 
定休日:木休

きんつばといえば・・・〈中村軒〉

ほっくり優しい小豆を堪能する。
ほっくり優しい小豆を堪能する。

桂離宮の門前で明治16(1883)年から続く老舗。今も昔ながらのおくどさんで炊き上げるつぶ餡は、奇をてらわず間違いのない味。「好みは備中小豆を使った白きんつば。白餡が透ける見た目も美しく、上品で甘すぎず。豆そのものの味を味わうことができます。こし餡派ですが、このきんつばだけは別」。きんつば、白きんつば各260円。

〈中村軒〉
住所:京都府京都市西京区桂浅原町61 
TEL:075-381-2650 
営業時間:8:30~17:30(茶店10:00~17:00LO) 
定休日:水休(祝の場合は営業)

最中といえば・・・〈中村製餡所〉

挟む餡の量はお好みで。
挟む餡の量はお好みで。

明治41(1908)年の創業以来、餡一筋。餡はつぶ餡やこし餡など4種が揃う。「私はこし餡派。好きなだけ餡を挟むことができるのも、皮がサクサクのままいただけるのもうれしい。お客様にも喜ばれます。たっぷりの餡が残ってしまったら、おしるこにして楽しむことも。コーヒーとの相性もいいんです」。こし餡500gともなかの皮10組の「こしあんセット」1,400円。

〈中村製餡所〉
住所:京都府京都市上京区一条通御前西入ル大東町88 
TEL:075-461-4481 
営業時間:8:00~17:00 
定休日:水日休

大福といえば・・・〈仙寿堂〉

毎日食べても飽きないフルーツ大福。
毎日食べても飽きないフルーツ大福。

とち餅や苺大福が有名な〈仙寿堂〉。西山さんのお気に入りは季節のフルーツを使った大福。夏の大福ではみかんがおすすめ。柔らかな餅の中に、白あんとみかんの果肉がたっぷり。柑橘の風味が効いた爽やかな味わい。「ご近所なので求めやすく、日々のおやつに購入します。酸味と甘みのバランスがいいんです」。右から、シャインマスカット大福194円、みかん大福183円、とち餅151円。

〈仙寿堂〉
住所:京都府京都市北区紫竹上緑町22-2 
TEL:075-491-3068 
営業時間:9:00~19:00 
定休日:水休

桜餅といえば・・・〈鶴屋寿〉

手土産にもおすすめの白い桜餅。
手土産にもおすすめの白い桜餅。

桜の名所・嵐山初の桜餅の専門店として昭和23(1948)年に創業。葉は伊豆地方の特産品でもある大島桜の葉を使用し、上品な甘さのこし餡を、ほどけるような優しい食感を併せ持った餅で包み込んでいる。「塩漬けされた二枚の葉で包まれていて、私は一枚は桜餅と一緒に食べます。一年中販売されていますが、やはり春になると食べたくなります」。さ久ら餅6個入り箱1,296円。

〈鶴屋寿〉
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺車道町30 
TEL:075-862-0860 
営業時間:9:00~17:00 
定休日:無休

琥珀といえば・・・〈霜月〉

植物で季節をまとわせる美しさ。
植物で季節をまとわせる美しさ。

数ある琥珀糖のなかでも可憐さはとびきり。「早春から初夏にかけての木の芽、夏の柚子蓼(ゆずたで)、夏から秋にかけての花紫蘇と、見た目も美しく季節を表現しているところに惹かれます。日持ちもするので手土産にお茶請けにと、使い勝手がいいのも魅力。とりわけ好きな木の芽が始まると、足しげく通ってしまいます」。花紫蘇琥珀12個入り1,300円。

〈霜月〉
住所:京都府京都市北区西賀茂榿ノ木町5 
TEL:075-491-5556 
営業時間:9:00~16:00 
定休日:日、第1・3月休、ほか不定休

唐板といえば・・・〈水田玉雲堂〉

500年以上愛される老舗の厄除け菓子。
500年以上愛される老舗の厄除け菓子。

唐板は小麦粉と上白糖、塩、卵を混ぜて薄くのばしたものを銅板の上で焼いて、短冊状に切り分けた煎餅。京で疫病が流行した際に、鎮めるための疫病除けとして唐板が神前に供えられた。「薄いのにほんのり甘くてくせになる味です。手土産にすることも多いのですが、自分で食べるのも好きで、つい一袋食べそうになることも」。唐板(袋)730円。

〈水田玉雲堂〉
住所:京都府京都市上京区上御霊前町394 
TEL:075-441-2605 
営業時間:10:00~17:00 
定休日:日祝休

麩まんじゅうといえば・・・〈麩嘉錦店〉

つるりとした喉越しの爽やかさ。
つるりとした喉越しの爽やかさ。

創業は江戸中期に遡る生麩専門店。今でこそ多くの店で作られている生麩まんじゅうは、生麩を好んだ明治天皇のアイデアをもとに、この店で考案されたものという。青のりを練り込んだ生麩の中に丹波大納言小豆のこし餡。「笹に包まれて爽やかな麩まんじゅう。つるっと冷たくて、夏になると食べたくなる。滑らかで優しい、こし餡も魅力です」。5個箱入り1,200円。

〈麩嘉錦店〉
住所:京都府京都市中京区錦小路堺町角菊屋町534-1 
TEL:075-221-4533 
営業時間:10:00~17:30 
定休日:月休

松風といえば・・・〈松屋常盤〉

大徳寺の和尚が考案し、伝授した銘菓。
大徳寺の和尚が考案し、伝授した銘菓。

京都御所や大徳寺、茶道の家元などに和菓子を納めてきた老舗〈松屋常盤〉。代表菓子・松風は当時の大徳寺住職・江月和尚が考案したもの。西京味噌に小麦粉を練り、表面に黒胡麻を散らして焼き上げたカステラのような味わい。「お味噌と胡麻を使用したねっとりした食感が好き。私はお茶請け、息子は牛乳に合わせていただくことも」。味噌松風(小)900円。

〈松屋常盤〉
住所:京都府京都市中京区堺町通丸太町下ル橘町83 
て:075-231-2884 
営業時間:9:00~17:00 
定休日:無休 

photo : Kunihiro Fukumori text : Kimiko Yamada, Mako Yamato

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