〈帝国ホテル〉がずっと特別な理由。 一度は食べたい憧れグルメの宝庫!〈帝国ホテル〉の人気メニューがずっと愛される秘密とは。

FOOD 2020.10.05

日本の迎賓館として1890年11月に開業し、今年130周年を迎える〈帝国ホテル〉。もてなしの技は唯一無二。宿泊を通して、ホテルを支える一流の仕事を紐解きます。今回は「食」にクローズアップしてご紹介します。

【point.1】フレンチトースト専用のバゲットを開発!

帝国ホテル

〈パークサイドダイナー〉の人気メニューの一つ、フレンチトーストは、独自に開発したバゲットがおいしさのカギ。通常のバゲットとは小麦粉の配合を変え、気泡のない食パンのような柔らかい生地に。これでアパレイユ(卵液)が均等に染み込む。約3時間アパレイユに浸し、その後オーブンで蒸したら、両面に焼き色をつけて完成。蒸すことで卵液をバゲットの中に閉じ込め、プリンのようなプルプルの食感に!

【point.2】九十余年変わらぬレシピ!4.5cmの完成された味わい。

帝国ホテル

1920年代末、第8代料理長・石渡文治郎シェフがホテル〈リッツ パリ〉で出会い、ホテルに伝えた「アメリカンクラブハウスサンドイッチ」。8mmの薄い食パン3枚をトーストし、ほぐしたローストチキン、ベーコン、トマトを挟み、厚みはきっかり4.5cmに。チキンは丸鶏1羽を使い、モモやムネなどすべての部位を使うのもこだわり。4.5cmは食べやすい最良の厚みで、この厚みや味付け、カットの仕方も当時のレシピのままだそう。

【point.3】肉の番人、ブッチャーとエイジングルーム。

1970年、現在の本館の開業時から、ホテルには肉を熟成させるエイジングルームがある。2°Cに保たれた貯蔵室には肉専門の料理人・ブッチャーシェフが見極めたブランド和牛の枝肉が1〜2週間寝かされ、名物料理のローストビーフやステーキになる瞬間を待つ。残った部位はカレーやダブルコンソメ用に消費。村野哲司ブッチャーシェフによれば、長年の経験で脂肪に触れれば肉の良し悪しが分かるとか!

【point.4】半世紀愛される名作ブルーベリーパイ。

〈ガルガンチュワ〉の「ブルーベリーパイ」

ホテルのベーカリーで1日に焼き上げるパンは約70種類。中でもパイにはこだわりがあり、ベーカリーにはパイ専用の製造室もある。1971年に開店したホテルショップ〈ガルガンチュワ〉のブルーベリーパイは、折りと練り2種のパイ生地を使い、食感の違いが楽しめる代表作。今年8月に東京駅構内にオープンした初の姉妹店〈プティ ガルガンチュワ〉では、限定サイズが登場し、ホテル以外でも購入できるように。

〈帝国ホテル 東京〉

1890年開業、手厚いもてなしで知られる、日本を代表するホテル。130周年を迎え、記念プランも登場。1階には名匠フランク・ロイド・ライト建築のライト館(1923〜1967年)の歴史を辿る展示スペースも。
■東京都千代田区内幸町1-1-1
■03-3504-1111
■IN:14:00/OUT:12:00
■客室数:931室

(Hanako1189号掲載/photo:MEGUMI illustration:Mizumaru Kawahara text:Yoko Fujimori)

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