もうパンなしではお酒を楽しめない!? 2人のシェフが作り出すパン飲みの世界。【虎ノ門】ブーランジェリー&ビストロ〈Blanc〉へ。
料理とお酒、そしてパン。欧米なら当たり前の組み合わせが、日本のパン好きにも浸透。穀物や酵母のおいしさを感じる滋味深いパンほど、アルコールによってその風味が引き出され、そこに甘みや塩気が合わされば絶妙なハーモニーが。もう、パンなしではお酒を楽しめません!今回はブーランジェリー&ビストロ〈Blanc〉を訪れました。
料理・パン・酒が寄り添う三位一体のハーモニー。
「店の柱は、フレンチとパン、ヴァンナチュール。これだけはオープン時から変わりません」とシェフの大谷陽平さん。年前、パン職人の和田尚悟さんとブーランジェリー&ビストロをスタート。二人の出会いは、東京・丸の内にあるベーカリー〈ポワン・エ・リーニュ〉。
和田さんは独立してパン職人に、大谷さんはフランス〈ル・ヴェール・ヴォレ〉などで修業し、帰国後に再会した。「フランスで学んだのは、何もかも自分でやろうとせずに、プロに任せるものは任すという姿勢。だから僕は自分で自家製パンを焼くのではなくて、職人が焼いたパンをお店で出したかった。パンが本物なら、料理もワインも格段においしくなりますから」。
豚の旨味をパンとヴァンナチュールで受け止めて。
この店のために生まれた特大カンパーニュ「瓦」は国産小麦のもっちりとした食感。ブーダンノワールと一緒に口に放り込めば、豚の血肉がパン生地にじゅわっと染み込み、何倍にも豊かな味わいに。追いかけるように赤ワインを一口。三位一体のおいしさを知れば、大谷さんが3つの柱を貫いてきたわけがわかる。
〈Blanc〉
2016年オープン。パンは毎朝、和田さんが焼いたものから大谷さんが選ぶ。昼時は軒先でパンを販売。
■東京都港区虎ノ門1-11-13 1F
■03-6273-3164
■10:00〜14:00LO、18:00〜22:15LO 土日休
■16席/禁煙
(Hanako1182号掲載/photo:Yuka Arai text:Yuka Uchida)