3年連続ミシュラン二ツ星、元部門シェフら気鋭の料理人&ソムリエが集結! 会員制フレンチ〈sanmi〉が〈虎ノ門ヒルズ〉でリニューアルオープン。
クラウドファンディングサイトにて飲食部門での資金調達額の日本記録(3,672万円)を樹立し、2018年3月3日赤坂にオープンし話題となった会員制レストランの〈sanmi〉。そんな〈sanmi〉が2020年1月30日に〈虎ノ門ヒルズ〉でリニューアルオープン。3年連続で二ツ星に輝いたフランスの〈Le Pré Xavier Beaudiment(ルプレ ザヴィエル ボーディモン)〉にて部門シェフを経験した玉水正人氏をはじめとした気鋭の料理人・ソムリエが集い新たに生まれ変わった〈sanmi〉に伺ってきました!
酸味×旨味×塩味による三位一体の美味しさを味わえるモダンガストロノミー。
〈sanmi〉は「酸味」を始めとし、旨味・塩味の「三味」が渾然一体となり、「三位一体」で美味しさを表現し、新たな食体験と味覚を提供することをコンセプトにしたモダンフレンチレストラン。酸味は熟成には欠くことの出来ない大事な要素であり、あらゆる要素の調整役です。これまで、旨味や甘味などは注目を浴びてきましたが、酸味が注目を集めることはありませんでした。実は旨味や甘味を支えているのも酸味の要素。日本発の酸味に着目したレストランとして料理とのお酒のペアリングを楽しむことができます。
二ツ星出身シェフと〈オザミ〉出身ソムリエ、〈珀狼〉出身ソムリエの3人がタッグを組む。
シェフは3年連続で二ツ星に輝いたフランスの〈Le Pré Xavier Beaudiment〉にて部門シェフを経験した玉水正人氏。オーナーソムリエは、自然派ワイン業界のパイオニアである〈オザミグループ〉で研鑽を積んだ野口良介氏、シェフソムリエはペアリングの名店〈珀狼〉にてノンアルコールペアリング・ウォーターペアリング・ティーペアリングと様々なオリジナルドリンクで魅了した松澤豪氏が担当。
このほか、渋谷の人気フレンチ〈キャリエ〉や表参道〈レフェルヴェソンス〉〈レヴォル〉で活躍された髙木和也氏や日本橋〈ラ・ボンヌ・ターブル〉赤坂〈ライラ〉で修業した今井順一氏もジョインされています。
名和晃平氏の作品も!アートを取り入れたシックな空間。
レストランの空間デザインは、赤坂時代と同じく「生と死の対比」「無機質と有機質の対比」「白と黒の対比」がテーマ。天井は以前の3倍以上、広さも3倍以上となり、モノトーンで創られた空間に料理やワインが差し色になって供されます。
また店舗では、〈sanmi〉が選び抜いたこだわりの料理・酒・酒器・器を使っているほか、アートの共同保有のプラットフォーム「ANDART」の高級絵画、初代バチェラーが代表を務める家具のサブスクリプションサービス「CLAS」の高級家具を採用。名和晃平氏の『Direction #182』が飾られているなど、モダンアートを横目に料理やお酒を楽しめる空間になっています。
料理11皿のフルコース8,333円、ペアリングが5,333円〜。
メニューはコースのみ。料理11皿8,333円で、ドリンクのペアリングが5,333円〜(税サ別)になっています。今回は料理11皿8,333円と6種のノンアルコール、アルコールペアリングがついた5,333円のコースをいただきました。
最初に提供されたお水も〈sanmi〉の食体験を構成する一つの要素で、この後の料理を意識したミネラルウォーター「Clear Alaskan Glacial Water」。硬水を飲むことによって、舌がリセットされ味を敏感に感じられるようになるのだとか。
そしてシャルドネのみを使用したドライなシャンパン「N.V. Carte Or」で乾杯。
お通しとしてメニュー表にも載っていないカラフルなポテトチップスが登場しました。
ジャガイモや紫芋を使用したポテトチップスは、酸味がテーマということでスナック菓子「スッパムーチョ」を意識したポテトチップスも。遊び心のあるお通しですよね。
一品目は『機動戦士ガンダム』の「黒い三連星」にインスパイアされたという「赤い三連星」。右上は外側がゼラチンで覆われた苦味と果汁の酸味を楽しめるミニトマト、真ん中は下にホタテとゴルゴンゾーラチーズ、はちみつが隠された丸いビーツ、左下はエビとパクチーが載っていてタイ料理のエビトーストみたいな味わいのえびせんになっています。
二品目は懐かしの料理をモダンフレンチ風にアレンジした「三味の思い出」。小さなコーンに紅生姜、ベーコン、ネギ、粒マスタードが入った料理は、なんと味噌カツ風です。
卵の殻の中に入っているのは、美桜鶏を使用した親子丼イメージの料理でちょっぴり茶碗蒸しみたいな味わい。
ゴマのチュイールにキャビア、エンガワを添えた磯の香りを感じる料理は、ゴマサバをイメージ。どれも見た目からは想像がつかない意表を突く料理ですが、味わいはなんだかホッとする懐かしさでした。
マスコットキャラクター「トラのもん」の好物を再現したメニューも!
三品目は〈虎ノ門ヒルズ〉のマスコットキャラクター「トラのもん」が好きそうな食べ物を意識した、その名も「トラのもん」。モノクロカラーの「トラのもん」に倣い、そば粉で作った黒いパン生地にクリームチーズ、こしあん、梅しそをアクセントに加え、金箔をトッピングしています。スイーツのような料理でありながら梅しその酸味や塩味も感じられ、どこか和風に仕上がっていました。
四品目は赤坂時代にスペシャリテとして提供されていたメニューをアレンジした「33 vegetables(改)」。33種類の野菜やハーブをマリネした料理なのですが、驚きなのが仕上げにテーブルの上に置かれていた花瓶の中に入った液体を注いだこと!
こちら実はトマトウォーター。ほんのり塩気を感じるトマトウォーターと、それぞれの食材の食感が活きたマリネが合わさり、まさに“三十三位一体”の味わいです。
こちらには、自然酵母で15ヵ月発酵させた2003年ものの「クヴェアバッハ マイルストーン」を一緒に。熟成も進んでおり、飲み進めるごとに味の変化が楽しめました。
五品目は三陸・広田湾の牡蠣を使用した「牡蠣・Ⅲ椒・三ルク」。焼き牡蠣にベシャメルソース、エディブルフラワー、山椒が渾然一体となる逸品。塩気が強く玉ねぎのシャキシャキ感も心地よかったです。
ベシャメルソースを使った料理のニュアンスに合わせて提供いただいたのが、「モレブラン ムルソー2009」のブルゴーニュの白ワイン。バターとナッツ、蜂蜜の香りが印象的です。
アンディ・ウォーホルの代表作「バナナ」をモチーフにしたポップなメニューも!
六品目は、ポップアートの巨匠・アンディ・ウォーホルのバナナのジャケットを料理で表現した「アンディー・ウォーホル」。バナナのジュースをゼリーにしバナナ型にくりぬき、フォアグラにアマレット、カカオニブをゼリーの下に仕込んでいます。カカオの苦味がクリーミーなフォアグラと合わさり、ほんのり甘さのあるゼリーが加わり濃厚なチョコレートムースのようにも感じられます。フォトジェニックな見た目も素敵。アートとの共生をコンセプトにしている〈sanmi〉らしさが光るお料理でした。
七品目は鹿と塩辛を合わせた「鹿〜」という料理。ホンシュウジカのローストに塩辛のピューレ、鳩のレバーの血と内臓を使ったサルミソースを合わせています。ホンシュウジカは旨味が強いのでまずはそのままいただき、その後塩辛ピューレを、その後サルミソースを合わせて味の変化を楽しむのがおすすめです。しっとり軟かい肉質で、山椒のスパイシーさも感じられます。
こちらに合わせるのは1999年もののブルゴーニュ産「アレックスガンバル シャンボールミュジニー1er cru」の赤ワイン。野性味や慈悲深さが感じられるどっしりとしたワインが、ホンシュウジカとよく合います。
八品目はバターライスに黒トリュフ、半熟卵を合わせた「オムライス」。高級食材を使いながらも、赤坂時代から使用していたという曲げわっぱに入れることで、どこか親しみやすさを感じます。トロトロの半熟卵にちょっぴり胡椒の効いたバターライス、香り高い黒トリュフが合わさり至福のおいしさでした。
デザート3品も驚きの連続!エンターテイメントな演出と美味しさに感嘆。
最後の三品はデザート。九品目は「beer?」というの名の通り、ビールのような見た目のデザートです。りんごんとシナモンのゼリーにヨーグルトムースの泡でビールを表現しています。
十品目は液体窒素を使ったエンターテイメントなメニュー「snow drop」。
雪山を模したデザートはアテモヤのアイス、オールスパイスのアイスパウダー、カルピスのメレンゲで仕立ててあり、ヨーグルトのムースに柑橘をのせています。見た目は白一色ですが、味や食感の変化に富んでいました。
最後はモクモクと煙が溢れる「新玉手箱」。
浦島太郎になった気分で玉手箱を開けると、中には緑色をしたマカロン、マドレーヌ、チェリーの形をしたチーズケーキとキュートなプティフールがお目見え!
最後の最後まで驚きと感動に満ちた料理の数々、まるで魔法にかかったかのような素敵な時間でした。
ちなみにコース料理が楽しめるレストラン〈sanmi〉の隣には、カジュアルにお酒と料理が楽しめるビストロスタイルの〈sanmi Lab〉があります。シーンに合わせて使い分けたいですね。
〈sanmi〉
■東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー2F
■19:33〜の一斉スタート(23:03クローズ)
■公式サイト