人気パン屋〈365日〉シェフ監修店も。 “おやつパン”でゆったりコーヒータイム。わざわざ訪れたい人気ベーカリー3軒
パン好きがスイーツブレイクに訪れたいベーカリーとは?アンティークのインテリアなど、空間も魅力のおいしいスイーツパンが楽しめるベーカリーをご紹介します。
1.〈粉花〉/浅草
姉妹が営む自家製酵母のパン屋。心地よい音楽に包まれ、アンティークの木の椅子に座る。姉の真由美さんが作ったパン、妹の恵さんが淹れたコーヒー。「かわいい、かわいいと声をかけて作るとパンはおいしくなります」
確かに、くるみマロンは陶器の皿の上で、はにかんでいるみたいに見える。中身は、しなやかに、けなげに、ぷるぷると弾力を返し、あたたかな小麦の味わいをまっすぐ伝えてくる。フランス・グルノーブル産のくるみの力強い香りとイタリアのマロングラッセの高貴な香りの広がり。添えられたマスカルポーネチーズの酸味がさらにそれらを燃え広がらせる。
ふたりのひと言ひと言、動きに、心づかいがこもらないものはひとつもない。笑顔で店を送り出されたあと、実感する。都会の殺伐とした空気とはなんと違う、やさしい時間が流れていたことかと。
〈粉花〉
カフェは不定期営業。パンは午前中で売り切れも多いので、電話で事前確認がベター。
■東京都台東区浅草3-25-6 1F
■03-3874-7302
■10:30~売り切れ次第終了 日月火祝休
■7席/禁煙
2.〈C’EST UNE BONNE IDÉE!〉/向ケ丘遊園
町で目立つ真っ赤な外壁が目印のガーリーな一軒。バゲットはもちろん、ケークやタルト、フィナンシェなど焼き菓子までとあふれるフランス愛。それを最先端の製法で実現する。
自慢はクロワッサン。温度管理したパイルーム内で溶かさずきっちりと折り込んだバターが抜群の浮きと、次元のちがう風味を実現する。
杉窪さんの右腕・有形泰輔シェフが、地元・川崎の人たちの味覚に応えた創作パンも。あんクレームは、ふわとろマスカルポーネのミルク感に、北海道産有機小豆から炊いたあんこが包み込まれるまろやかクリーミーがやみつきに。
ブリオッシュはバター感も濃厚な生地をかわいいリング型に成形。ドーナツなのにオイリーではなく、しっとりふわふわ、バター感あふれるブリオッシュというサプライズ。
〈C’EST UNE BONNE IDÉE!〉
コーヒーはイートイン、テイクアウト可。食パンは定番のパン ドゥミ、ハードトーストに加え、シリアル、デニッシュの4種を日替わりで。
■神奈川県川崎市多摩区登戸1889 今野ビル1F
■044-931-6910
■7:30~19:00 火休
■スタンドで2席ほど/禁煙
(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Keiko Nakajima text : Taeko Terao edit : Kahoko Nishimura)
3.〈boulangerie onni〉/上大岡
店名の〝オンニ〞は、フィンランド語で「幸せ」という意味。店名の由来を聞くと、「独立するなら、この名前をつけようと妻と話していたんです」とオーナーの近賀健太郎さん。パン職人を目指していた修業先で奥様と出会って結婚。あるとき、松戸の人気店〈ツオップ〉に夫婦で訪れた際、その魅力にはまったという。その魅力を知るため〈ツオップ〉で修業した後、夢だった店名を掲げて2015年7月にオープン。
修業時代に惚れ込んだというアンティークの扉を開けば、パンに囲まれた夢の空間が広がる。近賀さんのこだわりは、すべてがお客さん目線。70種もの種類豊富なパンは、食感のメリハリを大切に。また、必ずひと工夫加えて驚きを与えている。
毎日訪れる人のために決められた時間に焼き上げ、地元のおいしい食材に出合えばどんどん取り入れていく。そういった姿勢と確かな味が評判を生み、客足の途絶えない街のパン屋として愛されている。
〈boulangerie onni〉
駐車場2台あり。
■神奈川県横浜市港南区上大岡西3-10-1
■045-367-8501
■8:00~18:00 日月休
■6席(店外含む)/禁煙
(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : MEGUMI(DOUBLE ONE),Keiko Nakajima text : Kisae Nomura,Taeko Terao edit : Kisae Nomura,Kahoko Nishimura)
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