女優 沢尻エリカさん「「拡散」の時代に正義を決めつけないという向き合い方を。」

女優 沢尻エリカさん「「拡散」の時代に正義を決めつけないという向き合い方を。」
Interview「もっと知りたい、あの人のこと」
女優 沢尻エリカさん「「拡散」の時代に正義を決めつけないという向き合い方を。」
CULTURE 2026.03.02
SNSによる拡散が人生を変えてしまう現代社会を描いた映画『#拡散』。新聞記者役に挑んだ沢尻エリカさんは、「どちらにも偏らないフラットな視点」を意識しながら、人間の弱さと善意を見つめ直したという。
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沢尻エリカ

沢尻エリカ
女優

さわじり・えりか/1986年生まれ。東京都出身。2005年、ドラマ『1リットルの涙』で主演を務め、映画『パッチギ!』で第29回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。主な出演作に、映画『へルタースケルター』、ドラマ『タイヨウのうた』『ファースト・クラス』など。昨年、初舞台『欲望という名の電車』で主人公ブランチを演じ、現在は『ピグマリオン−PYGMALION−』が公演中。

「拡散」の時代に正義を決めつけないという向き合い方を。

沢尻エリカ #拡散

映画『#拡散』への出演が決まったとき、沢尻エリカさんは扱うテーマの重さと、その現実味に改めて覚悟を決めた。

「観る人それぞれの立場によって、解釈や受け止め方が分かれる題材だからこそ、あえて一本の映画として提示する意義があるなと感じました。参加できたことが素直にうれしかったです」

 この作品で沢尻さんが担ったのは、ワクチン接種後に妻を亡くし、その死の真相を追い続ける主人公・浅岡の存在を社会に伝える新聞記者・福島美波の役。

「仕事への上昇志向が強い一方で、どこか偏屈なところもある女性です。誰の中にもあるような、人間くさい部分を表現できたらと思っていました。役作りでは〝観察する視点〟を意識して、自分の目線や感覚ではなく、新聞記者ならどう見るのかを考えるようになったんです。そうすると、これまで疑問に思わなかったことにも自然と想像が広がっていき、その感覚の変化がとても新鮮でした」

沢尻エリカ #拡散

 作品を通して、SNSやマスコミの在り方について考える機会も多かったという。

「どちらにも偏らず、客観的な視点で書くという編集長のセリフが印象に残っています。簡単そうに聞こえますが、実はとても難しいこと。私自身、わりと感化されやすいタイプで、どの意見にも共感してしまいがちなんです。だからこそ、正義を決めつけるのではなく、『そういう考えもある』と一旦受け止める姿勢を心がけています」

 炎上や誤解は、発信した側の意図とは無関係に起こることも。注目を浴びる仕事をしている以上、それは常に隣り合わせ。

「世間がそう受け取ってしまったなら、抗えないところもあります。でも、この仕事をしている以上、言葉を向けてもらえることは、何も反応がないよりはずっといい。自分に至らない点があったと気づけたなら、また前に進めばいいだけなので」

 ネット社会を生きる私たちに向けて、沢尻さんはこう結ぶ。

「善意って、人と人とのつながりの中で感じる温かさ。だからこそ、現実をちゃんと生きることを大事にしていきたい」

記憶のなかの旅・食

「ロケ先の富山に前乗りして、一人で地元のお店を探して入りました。どのお店も本当においしくて、ブリのお刺身やのどぐろなど、すべてに感動。撮影期間中もキャストとスタッフのみんなで食事をする機会が多くて、オフの時間もすごく満喫できました」

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映画『#拡散』
映画『#拡散』

ワクチン接種後に妻を亡くした男(成田凌)が、その死の理由を追う中で、真偽の定かでない情報に振り回されていく姿を描く。怪情報やフェイクニュースが瞬く間に広がっていくSNSや現代社会を映し出す社会派ドラマ。現在公開中。

©2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE

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