「沖縄そばは“地元の誇り”」。〈金月そば〉金城太生郎さんが挑む沖縄産小麦
「沖縄そばは“地元の誇り”」。〈金月そば〉金城太生郎さんが挑む沖縄産小麦
CULTURE 2025.07.23
沖縄のソウルフード・沖縄そばを“地元の誇り”にしたいという思いから〈金月そば〉の金城太生郎さんは、県産小麦「島麦かなさん」の栽培・普及に取り組んでいます。自家製麺だけでなく農業とも向き合い、食の未来を切りひらく挑戦を紹介します。
photo_Michi Murakami text_Kei Sasaki
INDEX
沖縄のソウルフードを、農業とともに次代につなぐ。

進化系沖縄そばの先駆けとして人気の〈金月(きんちち)そば〉。代表の金城太生郎(たきろう)さんは、2016年から自家製麺を始め、県産小麦の栽培、普及にも取り組んでいる。
「沖縄そばは地域のソウルフードなのに、地産食材が使われることは稀(まれ)。県産の素材で作れたら、地元民の誇りになるはず」
地元の農家と連携し、無農薬、無化学肥料で栽培する小麦を「島麦かなさん」としてブランド化。小麦は製粉方法で栄養価や味わいが変わることから、自社で製粉も手がけている。現在、麺に「島麦かなさん」を5%配合。なぜ5%?

「〈金月そば〉で独占せず、多くの店に使ってもらった方が農業の再興につながる。沖縄の食文化として根付かせたいんです」2024年から自社での栽培も本格始動。同じ志を持つパン工房やブルワリーが少しずつ仲間に加わり、「島麦かなさん」の輪は着実に広がっている。

information
金月そば 読谷本店
住所:沖縄県中頭郡読谷村喜名201
TEL:098-958-5896
営業時間:11:00~16:00
定休日:不定休
席数:23席
8種の魚節から低温抽出した黄金色のだしともちもちの自家製生麵が自慢。恩納店、那覇店、Gala青い海店(読谷)の4店舗を展開。
沖縄県産小麦が使用された商品1. 〈CLIFF GARO BREWING〉のビール

県産素材にフォーカスした沖縄市のブルワリー。アーティストで醸造家の宮城クリフさんが率いる。
沖縄県産小麦が使用された商品2.〈commons〉のパン

宜野湾〈宗像堂(むなかたどう)〉出身の金城勇作さんが読谷村で営むカフェ併設の薪窯焼きパン店。「島麦かなさん」使用のパンは約5種。




















