スナック女の人生劇場／第49回 〈スナックチロ〉郁子ママが楽しく仕事を続けられる理由。「人生は何が起こるかわからないから面白い！」

店は今年で52周年、私は2代目なんです。大学生の時、学費を稼ぐために先代ママの下でバイトして就職と同時に辞めたんですけど、何年か経ってぶらぶらしていたら「手伝いなさいよ」って誘われて。それからかれこれ40年以上。昔から私って「これがやりたい！」がないんですよね。ママが亡くなって店を継いだのも、自分の決断よりも常連の方から「チロを続けてほしい」と後押しがあったから。

ご縁なのか運命なのかはわかりませんけど、こんなに素敵な商売はないですよ。いろんなお客様の人生模様を見てきて面白いお話を聞けて。本でもテレビでも知れませんからね。日々「ああすればよかったな」っていう後悔はしょっちゅう。でも出勤したくないと思った日はありません。店に立ってお話ししているとイヤなことも忘れちゃうの。毎日その連続で今まで来たけれど、人生何が起こるかわからないなあって思います。だからこそ面白いのかもね。辛くても青空を見上げれば「ああ幸せだな」と感じるはずよ。

「甘いものには目がないの」と郁子ママ。

壁一面に並ぶ数百本のキープボトルは圧巻！基本料金3,500円、ボトル6,000円～、カラオケ無料。
■東京都新宿区四谷三栄町14-4
■03-3353-9847
■17：00～23：00 土日祝休
■35席／禁煙

（Hanako1179号掲載／photo : Hiromi Kurokawa text : Ayano Sakai）

☆前回の『辛い時こそ、おしゃれして。〈スナック姫〉の洋子ママが教えてくれた悲しみの乗り越え方。』はこちらから。