【福島】湯、食、景で癒される。一度は泊まってみたい宿5選。

【福島】湯、食、景で癒される。一度は泊まってみたい宿5選。
【福島】湯、食、景で癒される。一度は泊まってみたい宿5選。
TRAVEL 2026.03.03
北国の自然に包まれるホテル、歴史的な建築を味わう名宿、福島の文化に触れる体験空間も。この宿に泊まりたいから福島へ。とっておきのデスティネーションホテルをご紹介します。
photo_Ryuichi Adachi text_Masae Wako edit_Ai Sakamoto

1. 温かな北欧デザインと標高800mの大自然。外も内も眺めのいい森のホテル。〈ホテリ・アアルト〉

温かな北欧デザインと標高800mの大自然。外も内も眺めのいい森のホテル。〈ホテリ・アアルト〉
アルネ・ヤコブセンの名作エッグチェアと絶景を楽しむ304号室。

朝採れの冬野菜、会津の地酒、真っ白な磐梯山地酒、真っ白な磐梯山を眺めながらの雪見風呂。新緑や紅葉の季節もいいけれど、冬に過ごす〈ホテリ・アアルト〉の幸福感は格別だ。

「アアルト」はフィンランド語で「波」。標高800mの磐梯朝日国立公園内にある建物には、冬が長く自然豊かな北欧の空間づくりへの、限りないリスペクトが込められている。

「設計を手がけた建築家の益子義弘さんは、周囲の自然を生かすセンスが素晴らしいんです。窓の取り方で、屋外と屋内のつながりを感じさせたり、美しい格子や間仕切りで、守られているような心地よさを演出したり……」と代表の宗像剛さん。趣の異なる17の客室や館内には、アルヴァ・アアルトやハンス・J・ウェグナーら、北欧の巨匠による名作椅子が選ばれた。

そんな空間だからこそ、会津のもてなしもなじむのだろう。近隣農家が育てた会津野菜をいただけば、その新鮮な甘みと香りの濃さにびっくりする。敷地内から湧き出る源泉かけ流しの湯は、宿泊客だけが味わえる裏磐梯の〝お福分け〞だ。大自然を眺めながら、朝に夕にと心ゆくまで楽しみたい。

information
ホテリ・アアルト
ホテリ・アアルト
裏磐梯

住所:福島県耶麻郡北塩原村檜原字大府平1073-153
TEL:0241-23-5100
料金:1泊2名1室・1名35,000円~(2食付き)

築40年の山荘をコンバージョン(再生転用)。本館と別館があり、いずれもオールインクルーシブ。

2. 美しい木造建築に触れ、自家源泉かけ流しの湯に浸る。会津藩ゆかりの温泉宿へ。〈向瀧〉

美しい木造建築に触れ、自家源泉かけ流しの湯に浸る。会津藩ゆかりの温泉宿へ。〈向瀧〉
国登録記念物(名勝地)の庭園を、文化財の建築が取り囲む。正面は斜面に沿って客室が連なる連続棟。

原点は、会津藩から引き継いだ指定保養所〈きつね湯〉。「その昔、このお湯を求めて山のキツネやサルが傷を癒しに来たと聞いております」。東山温泉の山間に立つ名宿〈向瀧〉の代表、平田裕一さんが笑いながらそう話す。

昭和初期に会津の棟梁が改築を手がけた木造の建物は、国の登録有形文化財の第一号。ぴかぴかに磨きあげられた階段や廊下が、24の客室をつなぎ、庭園を取り囲む。歩いてよし、眺めてよし。美しい建築に触れるだけで、こんなに心が安らぐなんて。「会津は四季がはっきりした土地。特別な景色を一年中楽しめます。桜や紅葉に加え、6月には池の周りを蛍が飛び交い、冬は見渡す限り真っ白に。庭一面に灯りをともす〝雪見ろうそく〞も人気なんですよ」

そんな宿の自慢は、自然湧出の自家源泉を動力を使わず溜めたかけ流しの湯と、歴史を感じる古風な温泉浴室だ。タイル張りの内装も天井の意匠もいちいちかわいくて、体も気持ちもホッカホカ。入浴後には会津の郷土料理も待っている。ぜひ食べたいのは会津藩直伝・鯉の甘煮(うまに)。ぷるぷるこってり甘くて旨くて、日本酒が進むこと間違いなし。

information
向瀧(むかいたき)
向瀧(むかいたき)
会津若松

住所:福島県会津若松市東山町湯本川向200
TEL:0242-27-7501
料金:1泊2名1室・1名34,450円~(2食付き)

8世紀後半の開湯と伝わる温泉郷・会津東山温泉に立つ老舗宿。伝統的な入母屋屋根は美しい赤瓦葺き。

3. 常夏ウォーターパークも一度は観たいフラガールも!南国ムードを全身で満喫。〈スパリゾートハワイアンズ〉

常夏ウォーターパークも一度は観たいフラガールも!南国ムードを全身で満喫。〈スパリゾートハワイアンズ〉
全天候型のウォーターパーク。巨大プールにはウォータースライダーが3種。

バンドの陽気なリズムに合わせ、満面の笑みで踊るトロピカルなフラガールたち。観ているこちらもワクワク。胸が高鳴ってくる。施設開業から60年、一度も途絶えず続いてきた「ポリネシアンショー」を、〈スパリゾートハワイアンズ〉に来る最大の目的にしている人も多いという。

施設の前身は映画『フラガール』で知られる〈常磐ハワイアンセンター〉。現在は東京ドーム6個分の広大な敷地に、日本三古泉とも称される「いわき湯本温泉」を用いた6つのテーマパークが並んでいる。温泉水を使った約1,000 m2 の巨大プールや、絶叫必至のボディスライダー、12種24浴槽の温泉を巡る大浴場パレスから世界最大級の露天風呂まで。水のアクティビティで遊び尽くすのもいいし、ホテルのアメニティとして用意されているアロハやムームーを着て、フラダンスの体験プログラムに参加するのもいい。

常夏ウォーターパークも一度は観たいフラガールも!南国ムードを全身で満喫。〈スパリゾートハワイアンズ〉
ポリネシアンショーにはファイヤーナイフダンスチームも登場する。

ポリネシアンショーのラストでチャーミングなフラガールが歌った「アイナ(ふるさと)ふくしま、ここにしかない、この場所で」という歌詞の通り、唯一無二の時間を過ごせるはず。

information
スパリゾートハワイアンズ
スパリゾートハワイアンズ
いわき

住所:福島県いわき市常磐藤原町蕨平50
TEL:0570-550-550
料金:1泊2名1室・1名15,550円~(2食付き/ハワイアンズ2日券付き)

ホテルは3棟。グループ旅行向きの客室も。首都圏発着の無料送迎バスもある。

4. 女将の笑顔に会いたくて。江戸期の趣残る大内宿で築300年の蔵に泊まる。〈本家扇屋〉

女将の笑顔に会いたくて。江戸期の趣残る大内宿で築300年の蔵に泊まる。〈本家扇屋〉
食事処にもなる囲炉裏の間で。女将の浅沼喜恵子さんは76歳。

江戸時代、会津と日光を結ぶ下野(しもつけ)街道の宿場町として栄えた大内宿(おおうちじゅく)。今も茅葺屋根の民家が30軒以上、街道沿いに並んでいる。1989年、その一つである国指定重要文化財の〈本家扇屋〉で民宿を始めたのが、〝きいこおばや〞こと浅沼喜恵子さん。「江戸時代にタイムスリップしたような原風景が残っているでしょう。みんなその姿に憧れるんだね」

漆喰塗の土蔵を客室とし、手作りの郷土料理でもてなすうち、名物女将として人気者に。自ら畑で野菜を育て、囲炉裏の炭火で岩魚を焼き、日々おおらかな笑顔でゲストを迎えている。

女将の笑顔に会いたくて。江戸期の趣残る大内宿で築300年の蔵に泊まる。〈本家扇屋〉
築300年超えの土蔵内に4つの客室が。写真は8畳二間続きの部屋。

「みんな、夕飯が終わっても部屋に戻らないの。おばやと話すのを楽しみにして来たよって、囲炉裏の周りでおしゃべりが続くんです。昔っから人を笑わせることが大好きだから、私の話で喜んでもらえるのがうれしくてねぇ。ここを実家だと思ってまた帰ってきてねって、いつも伝えてるんですよ」

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本家扇屋(ほんけおうぎや)
本家扇屋(ほんけおうぎや)
南会津

住所:福島県南会津郡下郷町大字大内宿字山本36
TEL:0241-68-2945
料金:1泊2名1室・1名11,500円~(2食付き)

江戸時代の町並みを伝える大内宿は、重要伝統的建造物群保存地区。〈本家扇屋〉もその一部。

5. かつて校舎だった建物と里山の豊かな時間が頭を空っぽにしてくれる。〈森の駅 yodge〉

かつて校舎だった建物と里山の豊かな時間が頭を空っぽにしてくれる。〈森の駅 yodge〉
木造校舎をガラスでモダンに改修。敷地内にトレーラーハウスも。

「最新設備はありませんが」とスタッフの猪越みなみさんが言う。「この土地の空気や里山の風景をまるごと味わって、思い切りゆっくり過ごしてほしいんです」

阿武隈高地の丘陵地に広がる玉川村の四辻地区。清流が流れる森のすぐ傍に、体験型施設〈yodge〉はある。なんだか懐かしい木造平屋の建物は、廃校となった小学校の分校を改修したもの。ガラス張りの空間はモダンだけれど、70年以上前に建てられた古い校舎の味わいはちゃんと残っている。校庭から眺める簡素な外観、板張りの廊下、三角屋根の小屋裏には、ハシゴで登る図書室も。

建物の外に出れば、テント用のキャンプサイトやサウナ小屋があり、アクティビティも充実。春や秋ならカヌーや渓流釣り体験、冬は焚き火体験も魅力的だ。天気がよければ、かつての校庭でただただボーッと物思いに耽るのも悪くない。頭を空っぽにできる贅沢がここにはある。

information
森の駅yodge(もりのえき
森の駅yodge(もりのえき ヨッジ)
玉川

住所:福島県石川郡玉川村大字四辻新田字村中131
TEL:0247-57-7440
料金:1泊1名1室・13,200円~(2食付き)

廃校になった木造校舎をコンバージョン。改修は都市環境研究所とSO&CO.の照内創が手がけた。

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