【京都】銭湯を受け継ぐ会社がなぜ喫茶店を?驚きの開業理由とは
2015年の〈サウナの梅湯〉を皮切りに、「銭湯を日本から消さない」をモットーに、廃業寸前の銭湯を継業。現在、関西を中心に日本各地で10軒の銭湯を営む、京都の会社。
銭湯活動家・湊三次郎さん率いる〈ゆとなみ社〉が、喫茶店を作るというニュースが飛び込んできた。
「銭湯と喫茶店はどちらもそこにコミュニティがあり、街に豊かさをもたらす共通点がある。これからは喫茶店の継業も考えていけたら」と湊さん。タッグを組み、店長を務めるのは広瀬れいなさん。喫茶店をこよなく愛し、東京・十条〈十條湯〉に併設された〈喫茶 深海〉をプロデュースした経歴を持つ。「学生時代に喫茶店に出合って、最初は空間やメニューの写真を撮ることに夢中になりました。そのうち店主や、店に来るおばあちゃんおじいちゃんと話すのが楽しくなって。喫茶店に行くことがルーティン化して、各地の喫茶店に足を運ぶようになったんです」と振り返る。とはいえ閉業する店も少なくはない。広瀬さんが“師匠”と慕う店主たちのセンスやレシピ、もてなしを次世代へ残したいと考え始めるのに時間はかからなかった。

継業という点でもリンクする、喫茶店と銭湯。「銭湯は建物そのものを残す必要があるけれど、喫茶店はレシピ、什器など継げるものがたくさんあって、いろんなやり方で繋いで残していけるのがいい」と湊さんは言う。


新たな喫茶店の舞台となるのは、長らく使われていなかった元うどん店だ。「〈鴨川湯〉の工事中、ふと隣に立つ建物を見たときに喫茶のイメージが湧いて、運命的なものを感じました」と広瀬さん。大家さんを説得すること1年半。ようやく今、さまざまな喫茶店のエッセンスを引き継ぐ新たな店が作られている。「内装は落ち着けるけれど、個性を感じさせる癖もほしい。コーヒーはサイフォンで。東京・目黒〈ドゥー〉のクロックムッシュは、受け継がせてもらうことが決まりました。始めるからには、これまで“師匠”たちに教わったものを残していける場、地域に根差した店にできれば」

京都で始まる新たな喫茶シーンから、目が離せそうもない。
銭湯ヒストリーin京都をプレイバック!
住所:京都府京都市下京区岩滝町175-1
TEL:080-2523-0626
営業時間:6:00〜翌2:00
定休日:木休
〈ゆとなみ社〉による銭湯1号店で、銭湯ブームの火付け役でもある。京都駅から徒歩圏内。
住所:京都府京都市上京区北町580-6
TEL:080-3832-4126
営業時間:14:00〜翌1:00
定休日:火休
〈ゆとなみ社〉の銭湯4号店。古民家を改装した銭湯で、湯上がりにくつろげる畳スペースも。
住所:京都府京都市左京区下鴨上川原町56
TEL:080-3916-6540
営業時間:14:00(日8:00)〜翌1:00
定休日:火休
〈ゆとなみ社〉の銭湯8号店。浴室にちりばめられたかわいいタイルが印象的。



















