たった2室だけ!? 黒澤明も通った京町家が極上スイートに生まれ変わった
たった2室だけ!? 黒澤明も通った京町家が極上スイートに生まれ変わった
TRAVEL 2025.09.24
日本の歴史文化を守り継ぐ街、京都の精神は最新の宿泊施設でも。あの名建築を舞台にしたホテルや旅館。未来に遺したい空間で、スペシャルな京都ステイを。〈京の宿 石原〉を紹介します。
photo_Kiyoshi Nishioka text_Shiho Yoshida
老舗旅館の新たな試み。伝統と革新、二つの客間。〈京の宿 石原〉

1958年、骨董商から家族で営む小さな旅館に。三代目によると、映画監督の黒澤明も温かなもてなしに惹かれて通う常連客の一人だったという。昭和初期に建てられた数寄屋造りの京町家。過去にも多くの町家と向き合ってきた建築家、魚谷繁礼の手によって全2室、共にスイートの宿にアップデートされたのは2024年のことだ。小さくも趣のある静謐な坪庭を眼下にのぞむ畳敷きの和室で、飾らない等身大の京都暮らしに浸れる母屋。対して、木材やタイルといった異なるマテリアルで構成された蔵では、エッシャーの名画を彷彿させる大胆かつユニークな建築空間に没入できる。
伝統と革新、現代の京都の空気感を見事に体現した二つの顔は、どちらにするかも悩ましいところ。フィーリング、もしくは旅のテーマに合わせて選択を。
information
京の宿 石原
住所:京都府京都市中京区柳馬場通姉小路上ル柳八幡町76
TEL:075-221-5612
室数:全2室
料金:1泊2名1室55,000円〜(朝食付き)
碁盤の目に位置し、地下鉄の駅へも徒歩すぐの好立地。女将が手がける朝食では、季節の食材を取り入れた和定食を各部屋でいただける。




















