Hanako編集部’s note. モフモフ、ぬくぬく。究極の癒し上手にお会いした話。|『Hanako』4月号特集「心も体もゆるめる完全ガイド。癒しの旅。」編集後記
2024年2月28日発売 Hanako「癒しの旅。」特集を担当した編集者が自由に記す、編集後記です。
頭カラッポで楽しめる旅がいいな~。「国内の旅特集を作る」と決まった時に、最初に思ったことでした。
ただただ大自然をボーっと眺めたり、ぬるめの露天風呂にざぶんとつかってふやけたり、気の向くままに畳の上でゴロゴロしたり、学生時代の女友だちと、ただただ何の生産性もないおしゃべりをしたり。ああ、いま私(たち)に必要なのって、そんな旅!
というところから始まった今号、表紙をうんうん考えあぐねた結果、究極の癒しマスターにご登場いただくことにしました。秋田県は角館からはるばるやってきた、秋田犬夫妻・すーちゃん(夫・6歳)とふじこ(妻・5歳)です。*表紙どアップはすーちゃん。
秋田犬をモフモフできる宿か…そんな天上界のようなところがあるんか…と、インスタを眺めてあこがれていた民泊「縁~Enishi~」さん。ちょっとトボけた愛らしいお顔と、ふっさふさの耳、くるんと巻いたしっぽ。毎夜毎夜じっとりと見ていたのですが、なんと冬季の民泊のお休みに合わせ、都内で暮らしているとな…⁉ これはまたとない撮影チャンスなのでは⁉⁉
1月某日に実現した都内での撮影は、仕事ということがちょいちょいぶっとぶ至福のひとときでした。お顔やボディ(が、ふじこちゃんは、都内に来たら体が“春だ”と勘違いしたのか、春毛に生え変わってしまったそうです。野生のパワー!)をモフモフして胸うち抜かれ、おやつを私の手から食べてくれた~~ととろけ、撮影中もおとなしく座ってくれているふたりに感涙。
そして、人間たちはいいカットが撮りたくて必至ですが、彼らは私たちの気持ちも察してくれつつ、あくまでマイペース。
“すーちゃん、こっち向いて!”
“はあ、まあいいけど”
“もう一回こっち見てみてー、こっちだよ~!!!”
“知らんし”(ゴロン) *個人的解釈です
ああ、これだよこれ。動物に癒されるのって、彼らが自然体だからだよなあ。
こちらのあざとい計算なんてお構いなく、庭に下りて大好きな飼い主さんのところにかけよったり、ゴロンと寝そべってあくびをしたり。
日々頭でっかちになりがちだからこそ、こうありたい。小道具で用意したアヒルの人形を噛み千切ってご満悦の彼らを見つつ、内心これからの撮影計画に焦りながら、小者の自分は思ったのでした。