シンガポール中心地に〈Hilton Singapore Orchard〉がオープン。アジア太平洋地域で最大規模のホテルが登場!【前編】
シンガポールのライフスタイル、ファッション、ダイニングシーンなど、様々な文化の中心地である、オーチャード・ロード。そのほぼ真ん中にオープンした〈Hilton Singapore Orchard(ヒルトン・シンガポール・オーチャード)〉を2回にわたって徹底的にご紹介。洗練されたデザインとホスピタリティ、持続可能性を追求した様々な試み、ミシュラン星付きをはじめ、名店が名を連ねるレストラン&バー。魅力に満ち溢れたホテルでのステイが、シンガポールへの旅をきっと充実したものにしてくれるはずです。
シンガポール随一の繁華街、オーチャード・ロード。高級デパートやショッピングモールが並び、世界の一流ブランドや星付きレストランから、ローカルデザイナーのファッションや屋台ご飯まで、揃わないものはないといわれる、メインストリートです。その真ん中に、この2月開業したのが〈ヒルトン・シンガポール・オーチャード〉。1080室という大型ホテルながら、ヒルトンの卓越したホスピタリティを体感できる、ランドマークホテルです。
オーチャード・ロードはその名前のとおり、シンガポール植民地時代には果樹園(orchard)や胡椒園、ナツメグプランテーションが多くあった場所。ホテルのインテリアには、その歴史をリスペクトしたボタニカルな雰囲気が、モダンでコンテポラリーなデザインの中に多く取り入れられています。13タイプあるベッドルームは、どのタイプも天井が高く、とてもスペーシャス。ボタニカルから着想を得たグリーンとグレーのトーンにダークウッドがアクセントとなった、落ち着いた空間です。すべての客室の空調や照明には人感センサーを搭載。ゲストが部屋を出たら、20秒後にはすべての照明が消え、室温もプラス2度に設定されるなど、省エネ対策は完璧です。
大規模なホテルとして、環境への負荷を可能な限り低く抑える工夫をしている〈ヒルトン・シンガポール・オーチャード〉。ゲストのリクエストはすべてデジタルででき、ペーパーレスを進めています。専用のQRコードを読み込めば、いつでもどこでもコンシェルジュと会話できて、とても便利。ホテルの外にいても、困ったことや知りたいことがあればアプリで相談できちゃいます。
使い捨てプラスチック製品・ゼロホテルも目指している〈ヒルトン・シンガポール・オーチャード〉は、ヒルトンの中ではいち早く木製カードキーを採用。アメニティは、小さなボトルを毎日交換することをやめ、備え付けの大きなボトルに。これで50%のプラスチックが削減できたそうです。各部屋にあるコンプリメンタリーの飲料水は、海水をフィルタリングしたアルカリ・ウォーター。ペットボトルではなく再生紙パックを使用することで、こちらもプラスチック削減、森林保護、水資源保護に貢献しています。
この新しいホテルの総支配人は、セドリック・ヌブル氏。パリ出身で、ホテルマンとして20年の経験を持ち、世界中のヒルトンを経験してきました。豊富な経験で培われたヌブル氏のリーダーシップが、新しいチームをまとめ上げています。滞在していると、ひとりひとりのスタッフの感動的なプロフェッショナリズムを体感しますが、それをしっかりと支えている大黒柱です。
〈ジンジャー・リリー〉は、様々なシーンで利用できるロビーラウンジ&バー。朝食、ランチ、アフタヌーンティー、軽食、バーと、1日のどの時間帯にもシームレスに、最上のおもてなしが待っています。通常の2倍はある高さの天井や、ボタニカルにインスパイアされたインテリア、光のニュアンスが美しいガラスパネルなどが、洗練されていて居心地の良い空間を演出。時間帯によっていろいろな表情を見せてくれます。ケーキショップも併設されていて、大人気のアフタヌーンティーに登場するケーキの一部を購入することもできます。
“オーチャード・トレイル・アフタヌーンティー”と名付けられたアフタヌーンティーは、オーチャード・ロードの歴史がコンセプト。セイボリー、スイーツ、サースト、テイクミーホームの4つのパートで構成されています。ウエルカム・ドリンクで一息ついたら、10種類のお茶から好みをチョイス。ストレートティーはもちろん、オリジナルのハーブティーやブレンドティーが充実しています。
まずはバニラとレーズンのスコーンと、クロテッドクリーム、洋梨ベースのジンジャーリリージャム、チョコレートペーストが登場。それを楽しんでいると、次にピンクのブック型の可愛いケースが運ばれて来ます。本の背表紙を引くと、5段の棚にはスイーツやセイボリーが。統括料理長のヴィジャヤカーント・シャンムガムさんとエグゼクティブ・ペストリーシェフのシンディー・クーさんの手による、美しく美味しいラインナップに歓声が上がるのは間違いなし! ジンジャー・リリーやブルーハイビスカスなど、ボタニカルをふんだんに取り入れたスイーツと、ひとつひとつがそのまま一品料理になりそうなセイボリーに大満足です。「テイクミー・ホーム」と名付けられたプレートにはバーガーやサンドイッチも。お腹がいっぱいになったら、その名前の通り、お持ち帰りもOKです。
〈ヒルトン・シンガポール・オーチャード〉の統括料理長は、ヴィジャヤカーント・シャンムガムさん。〈ジンジャー・リリー〉と、次にご紹介する〈エステート〉の総料理長として、日々美味しい料理に邁進しています。フランス料理出身でコンラッド大阪でも腕を振るっていたシェフは、アジア料理にも造形が深く、その多彩な才能は、〈エステート〉で体験することができます。「ハーブやボタニカルのアロマをアクセントにして、良い素材をシンプルに料理することを心がけています。シンガポールは、食材の80〜90%を輸入に頼っていますが、近年ではオーガニックファームも増えてきました。そうした地元の食材をなるべく取り入れて、サステナビリティを達成していきたいと思っています」。
ホテルのメインダイニングである〈Estate(エステート)〉はオールディ・ダイニング。植民地時代のオーチャード・ロードにあった架空の邸宅というコンセプトで、店内は、いろいろな雰囲気の部屋に分かれています。どの部屋にもボタニカルアートが溢れ、高い天井とゆったりとした配置のテーブルが居心地の良い空間を演出しています。とても広いレストランですが、個室感がしっかりとあり、落ち着いた雰囲気の中で食事が楽しめます。
和洋中エスニックやシーフードなど、世界中の料理がビュッフェスタイルで楽しめる〈エステート〉。世界各国のバラエティ豊かな料理と、ハイレベルなシンガポールのローカルフードが楽しめます。果てしなく続くビュッフェには、ステーションごとにライブキッチンがあり、料理人たちが次から次へと食欲をそそる料理を作り上げています。ライブキッチンだけにかかわらず、ビュッフェに並んでいる料理はどれも作りたて。もちろん、味はビュッフェのレベルを遥かに超えています。豊富に並ぶ料理を全部制覇するのは不可能ですが、美味しいものをちょっとずつ何種類も食べられるビュッフェの醍醐味が味わえます。
全編で登場したレストランに加えて、〈ヒルトン・シンガポール・オーチャード〉にはミシュラン星つきのレストランをはじめまだまだ魅力的なレストランが揃っています。後半では、そのレストランたちを中心にご紹介します。
〈Hilton Singapore Orchard〉
シンガポールのメインストリート、オーチャード・ロードに2022年2月オープン。ツインタワーのビルには1080室の客室があり、アジア太平洋地域では最大規模のヒルトンホテルになっている。シンガポールのライフスタイル、ファッション、ダイニングシーンの中心地であるオーチャード・ロードのまさにランドマーク的存在。そこに聳える〈ヒルトン・シンガポール・オーチャード〉は、ホスピタリティとサステナビリティを追求したホテル。地下鉄の駅にも近く、シンガポール観光には絶好のロケーションにある。後編では、ホテルにあるミシュラン星付きをはじめ、ホテル内の絶対に訪れたいレストランをご紹介!
■333 Orchard Road Singapore 238867
■+65-6737-4411(代表)
■チェックイン15:00
チェックアウト12:00
■全館禁煙
■www.hiltonshingaporeorchard.com