わざわざ行く価値あり。 【京都人が教える!】長く愛されているお出かけスポット5選。日本で2番目に歴史ある動物園も。
老舗だけでなく新しいお店も、とあれこれ気になるスポットは尽きないが、一見さんの目線ではない長く愛されている京都とはどんな場所なのだろう。今回は、今、この機会に行ってみたいと思うスポットを京都人に教えてもらいました。
1.蒸し暑い市内を抜け出して。貴船の川床(きぶねのかわどこ)/京都・左京区
貴船の川床は、鴨川の納涼床と共によく知られた京都の夏の風物詩。手を伸ばせば水に手が届く、川の真上に床机(しょうぎ)を敷いた座敷で、各店の趣向を凝らした料理を味わえる。貴船は、京都の水をつかさどる神様をお祀りする貴船神社がある場所としても有名。市内からは遠いが、夏しか味わえない贅沢な時間を過ごしに、わざわざ行く価値はあり。
■京都府京都市左京区鞍馬貴船町
Takahashi’s Recommend!
静かで人もまばらな新緑の貴船神社界隈。子どもの頃、半袖短パン姿で網を持って魚すくいをしたことを今もよく覚えています。
2.見慣れていたはずの景色も。京都府立嵐山公園/京都・西京区
国の史跡および名勝に指定され、古都の魅力にも触れられる嵐山。穏やかな流れが心地よい桂川や、全身で四季の自然美を感じられる渡月橋のほかにも、歴史を感じる世界遺産の寺院など多くの名所が。旅の計画を立てるなら、ぜひ丸一日を嵐山に充てたいところ。同じ市内でも、京都駅周辺とはまた異なる京都の魅力に触れられるはず。
■京都府京都市西京区嵐山
Kato’s Recommend!
久しぶりにベンチにゆっくり腰掛けて、日が暮れていくのを眺めました。今はまた違った気持ちで過ごすことができました。
3.京都らしい時間が流れる場所。鴨川・荒神橋/京都・上京区
鴨川に架かる荒神口通(こうじんぐちどおり)の橋。今出川橋と丸太町橋の間にあり、鴨川の橋の中でもあまり知られていないもののひとつ。安政2年(1855年)の皇居炎上の際に天皇の移動用に架けられたため、かつては「勤皇橋」の名で親しまれた。近くには鴨川の風物詩「カメのとび石」があり、サギなどの水鳥もよく姿を現す自然豊かなスポットだ。
■京都府京都市上京区上生洲町
Takahashi’s Recommend!
子どもの頃から親しみのある鴨川。その中でも個人的に最も風情を感じるこのエリアには、今でもお茶セットを持って出かけています。
4.月を眺めて思いを馳せる。京都御所/京都・上京区
延暦13年(794年)の平安京遷都から明治維新まで、天皇の住まいとなっていた京都御所。現在の建物は安政元年(1854年)の大火事の後に造営されたもの。約65万平方メートルもの広大な敷地を誇り、平安朝の古制が模されている。以前は春と秋の一般公開時しか見学できなかったが、2016年から通年公開されるようになり、予約も不要に。
■京都府京都市上京区京都御苑3
■9:00〜17:00 不定休
Uneno’s Recommend!
御所から眺める満月は視界に道路や建物などの人工物が入ってきません。昔の人々と同じ景色を見られているだろう感覚が好きです。
5.ヤブイヌの群れに癒されて。京都市動物園/京都・左京区
上野動物園に次いで日本で2番目に歴史ある動物園。動物の生態を分かりやすく見せる展示と、動物に近づける工夫がたくさん。平安後期には、現在の観覧車のある場所に高さ81メートルの巨大タワーが立っていたというから驚きだ。平安神宮や南禅寺、京都市京セラ美術館などに囲まれ、まさに観光スポットのど真ん中。
■京都府京都市左京区岡崎法勝寺町岡崎公園内
■075-771-0210
■9:00〜17:00 月休
Ishii’s Recommend!
全国的にも珍しいヤブイヌの展示がおすすめ。胴長短足のずんぐりとした体形で、まるでイヌらしくない外見がツボです。
Navigators
●高橋周也(たかはし・しゅうや)/ 創業121年の友禅工房〈髙橋徳〉の家業を支えながら、現代数寄屋の空間で〈SHOP&GALLERYYDS〉を営む。
●釆野佳子(うねの・よしこ)/おだし〈うね乃〉四代目に嫁ぐ。女性目線を生かしたさまざまな企画で、料理に欠かせない伝統の味を全国に広めている。
●いしいしんじ/作家。1966年生まれ。京都在住。著書に『ぶらんこ乗り』『悪声』など。Webサイト「THEKYOTO」で「いしいしんじの『禅語』」連載中。
●加藤純子/かとう・じゅんこ/1996年に創刊した京都のタウン情報誌『Leaf』の編集局長。Web「Leaf」やグルメサイト「京都GO!HAN旅」も随時更新中。
(Hanako1188号掲載/photo:Norio Kidera illustration:Maori Sakai text:Yuya Uemura, Mako Yamato)