第26回　チュートリアル福田充徳の「はじめてパパのなんでも〈新発見〉！」 【チュートリアル福田の育児エッセイ・26】息子、公園デビューでなぜか大号泣！

1歳になったばかりの頃、ひとつ謎の行動があったんです。もう家の中ではガンガンに歩いていたので、じゃあ靴を履いて公園に散歩へ行ってみようという話になった。で、抱っこ紐で出かけて公園まで連れて行って、よし降りて歩いてみようと息子を下ろすと一歩も動けない。その場でしゃがみこんで号泣してしまうんです。その時は、はじめてやし仕方ないかなと思っていたんですが、それから何度やってみても、いつも号泣してしまって動けない…。

嫁は、この行動をそんなに気にしていなかったのですが、なぜか僕は、これは俺がなんとかせんといかん！と少し意地になって、毎日のように公園に通って歩く練習をしたんです。最初に行った公園がトラウマになってしまって、いやなのかもしれない、と公園を変えてみたり、靴を変えたり、わざと僕がバイバイをしたら追いかけてくるかもと木の陰に隠れてみたりしたんですけど、泣いていて全然動かないんです。座り込んで泣いているもんだから、知らないおばあちゃんが「大丈夫？」と声をかけてくれたり、息子より小さい女の子も歩いてきて顔をのぞきこんでくれたりする。なんか、それがこれまで味わったことのない気持ちできゅーっとなりました。なんでこんな誰でもできることができないんやろ？　という劣等感のような、焦りのような。もちろん、大人になって公園を歩けないやつなんていないから、いつか息子も歩けるようになるだろうというのは分かっているんですけど、その時はいつできるようになるんのかと毎日そのことばかり悶々と考えていましたね。

でも、その日は突然やってきたんです。１ヶ月ほどスパルタ公園通いを続けていて、うまくいかなくて、もう公園は無理しなくてもいいかな…と思っていた矢先。確か予防接種の帰りかなんかで、いつもは行かない公園に立ち寄ったんです。で、なんか天気もよくて、遊べるかなあなんてふっと下ろしてみたらふぁーって歩き出して。え、えー！？　ここはええんか？　今までのあれは、一体なんやったん!?　と、息子に聞きたい気持ちになりました。でも、結局、何がよかったのか、なんで歩けなかったのかは全然わかりません。まあ、そんなものなんでしょう。息子が歩けなかったのはたった１ヶ月でしたけど、でも１ヶ月まあまあしんどかった…。これからそういう悩ましい思いをすること死ぬほどでてくるんでしょうけど、親はその都度、その都度で、彼らの成長を見守るしかないのかもしれませんね。