AIは優秀な秘書?友達?カウンセラー?いまさら聞けないAIキホンのキ。

AIは優秀な秘書?友達?カウンセラー?いまさら聞けないAIキホンのキ。
AIは優秀な秘書?友達?カウンセラー?いまさら聞けないAIキホンのキ。
LEARN 2026.03.13
なんとなく知っているつもりでも、実はよくわかっていないAI。使いこなせれば生活はもっとスマートになるはず。けれど、そこにはリスクがあることもお忘れなく。AI研究家の大西可奈子さんに賢い使い方を聞きました。
illustration_Takahiro Shimada text_Eto Katagiri edit_Kana Umehara
教えていただきました
大西可奈子
大西可奈子
AI 研究家

おおにし・かなこ/NTTドコモ、NICTにて対話AIの研究開発に従事した後、AIプランナーとして大手IT企業勤務。AIの設計・導入に携わりながら、講演や記事執筆、監修等も多数行う。

スマートフォンに話しかければアラームがセットされ、地図アプリを開けば最適なルートが提案される。私たちの暮らしには気づかないうちにAIが入り込み、特別に学ばずとも日常のあちこちでその力を借りている。2022年の対話型のChatGPT登場をきっかけに、生成AIはグッと身近な存在になった。「生成AIと聞くと〝脳〞のようにSF的に捉える人もいますが、あくまでコンピューター上のプログラム。意思や感情を持っているわけではないので、怖がらずに親しんで」とAI研究家の大西可奈子さん。この数年で多様なAIモデルが生まれ、機能もどんどんアップデートされている。「昨日できなかったことが今日は当たり前にできるようになっているくらい、AI技術の進歩は速い。変化についていくためには、日々触れるのが一番の勉強法です」

便利な反面、知っておくべきリスクも。入力したデータはAIの学習に使われる可能性があることや、個人・機密情報が思いがけず漏れることもあるので注意が必要だ。さらにAIを信じすぎると、事実ではない回答をうのみにしてしまう危険性もある。

「AIはWeb上のあらゆる情報を知っているといっても過言ではありません。けれど裏を返せば、Webにないものはわからないということ。例えば宗教の思想や医療の高度な知識など、情報が乏しい分野では精度が下がります。100%正しいわけではないことを理解し、AIの回答を自分でも精査する癖をつけておきましょう」

便利さと危うさの両面を踏まえて活用することが、AIと賢くつきあう一歩になる。頼りすぎず、能動的に使う意識を持てば、AIはきっと心強いパートナーになってくれるはずだ。

1. そもそも生成AIって?

インターネット上の膨大なデータをもとに、ユーザーの指示(プロンプト)に沿ってオリジナルのコンテンツを創り出す人工知能のこと。従来のAIがあらかじめ学習したデータから最適な答えを選ぶのに対し、生成AIはそれらを組み合わせて新しい表現を生み出すのが特徴。文章や画像、音声の生成からアイデア出しの補助まで、幅広く活用できる。

2. 何を使えばいいの?

種類はさまざまだが、どのツールも精度は高い。まずは代表的な6種類を試して、自分にとって使いやすいものを選ぼう。文章処理や画像生成など得意分野が多少異なるので、目的に応じて使い分けるのも手。GoogleやMicrosoftと連携したツールもあり、普段使っているソフトウェアなどの環境に合わせて選ぶのもおすすめだ。

1. ChatGPT

OpenAI社が開発。生成AIブームの先駆けで、自然な文章生成と回答が強み。初心者も扱いやすい。議事録やメール作成などの作業が効率化でき、アイデア出しや翻訳も得意

2. Gemini

Google社が提供しており、Gmail、Googleドライブ、スプレッドシートなどのサービスとの連携がスムーズ。画像生成に強く、複数のデータを同時に処理する能力に長けている。

3. Claude

コーディング力が高く、プログラミング系タスクに強い。長文理解力と安全性重視の設計も特徴。

4. Copilot

Microsoft製品に組み込まれており、WordやExcel、Teamsなどのサービスとシームレスに連携。

5. Canva

クリエイティブな作業に必要な機能を多数保持。専門スキルなしでプロ並みのデザイン制作が可能。

6. Perplexity

クリエイティブな作業に必要な機能を多数保持。専門スキルなしでプロ並みのデザイン制作が可能。

3. 有料なの? 無料なの?

どのツールも基本的には無料で使え、文章作成や画像生成などの基本的な機能なら無料版で十分対応可能。ただし利用回数や速度に制限がかかる場合もあるので、より高い機能を求めるなら有料版を検討しよう。まずは無料版を試してみて、必要に応じて有料版に切り替えるのがベター。月額で使えるツールが多く、気軽に契約できる点も魅力。

4. どう使い方を学んだらいいの?

従来のAIを活用するにはプログラミングなどの知識が必要だったが、生成AIは普段話している言語で簡単に操作できる。そのため、難しく考えずにまずは触ってみることが大切だ。始め方自体がわからない場合は「あなたに何ができる?」と聞いてみよう。AI側からさまざまな提案を返してくれるので、使い方のヒントが得られる。

5. 上手にプロンプトを出すコツは?

「プロンプト」とはAIに与える指示や質問のこと。どんな言葉で話しかけるかで回答の質は大きく変わる。ポイントは「詳しく伝える」「例を出す」「やってほしくないことを伝える」。AIはWeb上のデータは知っていても私たち個人のことは知らないので、具体的なプロンプトを送り、対話の中でコントロールすることがカギとなる。

プロンプトの書き方見本

30代の女性編集者の視点で雑誌「Hanako」の特集企画案を考えてください。

###条件### *1

・3月28日発売を想定。
・旅、食、買い物をテーマにする。
・具体的なスポット情報をあげてください。
・読者は20-30代を想定。*2


###回答方法###

・1企画を500文字程度でまとめてください。
・企画案を5点ほど出してください。
・文体はわかりやすく、丁寧に。*3


###禁止事項###

・ソースがない情報は記載しないでください。
・わからないことはわからないと答えてください。*4

*1:#などで区切ってわかりやすくする
*2:詳しく伝えることが大事
*3:回答の仕方の例を示す
*4:やってほしくないことも伝える


プロンプトの4大要素

  1. 誰が
  2. 何を
  3. どうしたい
  4. どんな形で

ふわっとした質問をするとAIも抽象的に返してくるので、「ブログってどう思う?」より「主婦が副業でブログを始めるメリットとデメリットは?」と具体性を示した方が実用的な回答を得られる。

6. AIが危険ってどれくらい本当なの?

AIは便利で賢いツールだが、危険と隣り合わせなのも事実。入力する情報や使い方によっては、思わぬ誤作動や情報漏えいなどのトラブルが起こることもある。どんな危険性があるかをしっかりと理解した上で、リスクを最小限に抑える対策を事前に取っておくことが肝心だ。

AIは学習するもの。

AIは入力された情報を、モデルの精度を高めるために学習することがある。デフォルト設定のまま顧客データや議事録などの機密情報を入れてしまうと、学習に使われて第三者への回答に反映される可能性がある。

##対策##

ツールによってはデータを学習に使わせない機能があるため、事前に条件を確認して設定しておく。セキュリティ管理が強化された有料版を使うのも選択肢のひとつ。

その答え、合ってる?

AIが事実ではない内容をもっともらしく答える、すなわち嘘をつくことを「ハルシネーション」という。一見自然で説得力があるので、誤りに気づかないまま参考にしたり、周囲に広めてしまったりするおそれがある。

##対策##

公式サイトや信頼できる資料で事実確認をしよう。AIに「出典は?」と聞くのも◎。特に社内資料や対外的に発信する重要な情報の場合は、人間の目で見直す習慣を。

悪意にだまされないで。

人間の指示を装った文章をAIに与え、本来とは違う動きをさせる手法を「プロンプトインジェクション」と呼ぶ。例えば、契約書に巧妙な指示を紛れ込ませ、AIが作成側にとって有利な内容に要約してしまうケースなど。

##対策##

込み入った文書をAIで要約する際は、あくまで補助ツールとして活用し、自分でも全文に目を通すことが重要。悪意ある手法が存在するということを把握しておこう。

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