防災2択クイズ。揺れた!あなたはどうする?

防災2択クイズ。揺れた!あなたはどうする?
もしもの時に備えよう。防災図鑑AtoZ
防災2択クイズ。揺れた!あなたはどうする?
LEARN 2025.03.11
地震で大きな揺れが来たとき、あるいは身近な場所で火災が起きたとき、どのように行動すればいいのでしょうか。真っ先に取るべき行動を知っておけば、あなた自身と家族の安全を守ることができます。東日本大震災をきっかけに防災を学び、現在、防災士としてさまざまなセミナーを行なっている熊田明美さんに「命を守る初動」について教わりました。早速2択クイズで確認してみましょう。

Q1 キッチンのガスコンロで火を使っているときに大地震が発生。

A すぐに火を消す。
B まず身を守る。

正解はB

「地震が起きたらすぐに火を止め、ガスの元栓を閉める」と頭に叩き込んでいる人が多いかもしれませんが、揺れている最中火に近づくと、火傷のリスクや、転んでケガをするリスクがあります。「都市ガスやLPガスにはマイコンメーター(安全装置)が付いているので、強い揺れを感知すると自動的にガスは止まります。キッチンから離れて身を守り、揺れがおさまってから元栓を閉めましょう」。

Q2 会社など耐震の建物にいる場合に大きな揺れがきたら……。

A テーブルやデスクの下などに身を伏せ、座布団などで落下物から頭を守る。
B 頭の上にカバン、座布団などを乗せてすぐ外に出る。

正解はA

(解説)200W 大きく揺れているときにすぐ外に出るのはすごく危険です。「お店の看板などが倒れていたり、ガラスが散乱していたり、隣のビルから何か落ちてきたりするかもしれません。建物の中にとどまって、硬いテーブルやデスクの下に潜って様子をみましょう」。しかし会社の中も要注意。キャビネットやロッカーなど転倒防止はしてありますか?「もししていない場合は、皆で話し合ってすぐに転倒防止の対策を取ってください」。またハサミなどが飛んできたり、積み上げている書類やバインダーが崩れ落ちてきたりする危険もあるので、デスクの上や周りは常に片付けておきたいですね。

Q3 家の中で歩けないほどの強い揺れが続いているときは? 

A 窓や扉などを開けようとする。
B 揺れが収まるまでダンゴムシのポーズで安全を確保する

正解はB 

強い揺れでは歩けない状況です。「強い揺れの中では、無理に動こうとしないでください。頭を守るダンゴムシのポーズで揺れがおさまるまで待つことが大切です。でもキッチンなど留まっているのが危ない場所にいたら、素早く他の場所へ移動します」。歩けるくらいになったら、家の中が安全かをチェックして、物が散乱しケガをする恐れがあれば靴を履きます。ドアや窓が開くかも確認します。日頃から背の高い家具や家電(本棚、タンス、冷蔵庫など)の転倒防止もしっかり行っておきましょう。

Q4 強風の日に近所で火災が発生したら……。 

A 靴を履いて非常用持ち出し袋を背負って避難場所へ。
B 地域の防災無線で連絡があるまでは家に留まる

正解はA

 「強風だと防災無線が聞こえないこともあります。ですからあらかじめ携帯に自治体の防災メールやX、LINEなどを受け取れるように設定しておくと良いです。そして日頃からチェックする習慣を」。強風だとあっという間に火が広がるので、近くの避難場所(公園、学校のグランドなど)へ行きましょう。また、夜間に災害が起きることを考えて、パジャマではなく、人に見られてもよいジャージやスウェットなどを着て寝ることを熊田さんは勧めています。

Q5 就寝中に火災報知器が鳴り、家のどこかで出火。火が天井まで届いているときは?

A 「火事だ!」と大声で叫びながら逃げる。
B 火を消すために消火器を探しに行く

正解はA

火の高さが自分の背を超えていたら、もう自力で消火するのはムリなので、ご近所に火事であることを大声で知らせると共に119番します。初期消火(濡れたバスタオルを火元に被せるなど)ができるのは、火の高さが1メートル以内、出火して2〜3分以内が目安です。揚げ物の調理中など油による火災、漏電など電気関連の火災など、水をかけたら危険な火元もあるので、消化器は家の中に置き、すぐ使える状態にしておきましょう。

Q6 エレベーターの中で大地震が発生。

A そのまま乗っている
B 全ての階のボタンを押す

正解はB

都心は高い建物やタワマンが増えているので、エレベーターに乗る機会が増えている人も多いでしょう。乗っているときに大きな揺れを感じたら、非常用ボタンと全ての階のボタンを押して、開いた階で脱出します。「エレベーターは“かご”なので、揺れてどこかにぶつかったり、落下したりする危険もありますからなるべく早く出ることが大切です。でも万が一閉じ込められても、エレベーター内に簡易トイレなどが入った防災キットが設置されていることもあるので、落ち着いて行動しましょう」

Q7 火災が発生し煙の中を避難するときには?

A ハンカチなどで鼻と口に当て低い姿勢で避難する。
B 外に出るため、とにかく走って避難する。

正解はA

一見Bも良さそうに思えますが、煙を吸ってしまう可能性があります。「当たり前ですが煙は上へと昇るので、煙を吸い込まないようにハンカチを鼻と口に当てるかマスクをかけ、姿勢を低くして、その場からできるだけ遠く離れます。爆発の可能性もあると考えて、素早く行動してください」。バッグやリュックの中にはいつもハンカチやマスクを入れておきたいですね。

Q8 夕方からのスポーツやライブを観戦中に大地震が発生。公共交通機関がストップしてしまった……。

A その場所に留まる。
B 歩いて家に向かう。

Aが正しい

スタジアムやライブ会場となるホールなどは、耐震の建物が多いので、落下物を避けて強い揺れがおさまるまで、持ち物や両手を頭に当て低い姿勢で身を守ります。そして防災センターからの指示を待ちましょう。「停電しているかもしれません。暗い中、慌てて外に出てしまうと、看板などさまざまな物が倒れているので歩いて避難するのは危険です。群衆雪崩の危険性もあります。その晩は、そこに留まっている方が安全です。初めて行く建物の場合、事前に耐震かどうかをチェックしておきたいですね」。

Q9 いざというときのためにペットの防災を考えている?

A ペットのための非常用持ち出し袋やケージなどを用意している。
B 自宅に留まるつもりなので、特に何も準備していない。

正解はA

自宅に居られれば良いですが、住んでいる場所によってはペットを連れて「同行避難」が必要な場合があります。(現在は同行避難が推奨されていますが、同じスペースで過ごせるとはかぎりません)。そのために、ケージやキャリーバッグに入れて日頃から慣らしておきましょう。特に猫の場合「ケージなどに入れて、近くの公園や友だちの家に連れて行く避難訓練を日頃からしておくと良いと思います」。持っていくのは、フード、水、薬、ペット用のトイレ、猫砂、ワクチン接種証明書、動物病院の診察券など。「ペットの写真もあると良いですね。また、やむをえず一緒に避難ができずに自宅などに置いてきた場合、途中ではぐれてしまった場合は、自治体の動物担当部署に相談しましょう。災害時は、お店やネットでの買い物はできなくなるし、ペットの支援物資は届かないことも多いので、ペットのモノは常に1か月分くらいの備蓄を」。行方不明になることも考えてマイクロチップを入れておくことも必要です。

photo_Keizo Iwamoto illustration_Yuki Yotsumoto text_Emiko Shinozaki

熊田明美さん
熊田明美さん
防災士・整理収納アドバイザー

くまだ・あけみ/防災士・整理収納アドバイザー。東日本大震災をきっかけに、整理と防災を学び始める。現在は、片付け、防災、お掃除に関する講演やセミナーを行なっている。ハウスキーピングコーディネーター上級講師。https://www.nicelife-sbs.com/

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