もう? ついに? ニッポンの日曜朝のお供として30年目! 「はやく起きた朝は…」松居直美、磯野貴理子、森尾由美トーク
LEARN 2023.09.15
視聴者からのおはがきによる不平、不満、グチをもとに、松居直美、磯野貴理子、森尾由美の三人が楽しいおしゃべりを繰り広げるトークバラエティ『はやく起きた朝は…』(フジテレビ系)。前身である『おそく起きた朝は…』『おそく起きた昼は…』と変遷を遂げながら、ついに今年で放送30年目(!)に突入した。女性が主役のトークバラエティが長寿番組になるのは、異例のこと。それを記念し、Hanakoでスペシャルな鼎談をお届け。実際に収録後にお邪魔して、番組セットの中で「女性の友情とおしゃべり」についてのアフタートークを繰り広げてもらった。
視聴者は4人目のメンバー
ーー改めて30周年突入おめでとうございます。7月には「30年ありがとうファン感謝デー」も実施して久しぶりにファンの方々に会う機会もありましたね。
ありがたいですよね、やっぱりおはがきあっての番組だから。
いつも私たちがはがきを読んで一方的に喋っているけど、はがきを書いてくれた御本人が大勢舞台に来てくださって、本当、嬉しかったですね。読んだはがきの内容ってちゃんと覚えているものなんだよね。
覚えているよね。はがきを出してくれている方々は、四人目のメンバーだと思って番組を観ているとよく感想に書いてくれているんだけど、私たちも視聴者のみなさんと一緒に番組をつくっていると思っています。
私は、勝手に顔見知りのつもりでいるもんね。舞台に来ていただいたみなさんだって、昔から知ってる友達みたいな感覚だったから。
ーー30年という月日の中で、変わらずに友情関係を築いている3人の様子をみて憧れを抱く人も多いと思います。特に女性はライフステージの変化によって友人関係を継続させることが難しいので。
学生時代の友達とか、子どもができるとあんまり電話しなくなったりね。やっぱり子育てが大変だから。
私たちは仕事だから会えているんだもんね。番組を通して、いろいろな変化があっても話すことは楽しんだっていうことが見てる人に伝わるといいなとはずっと思っています。
お二人とも、私の私生活の話もちゃんと興味を持って聞いてくれるんですよね。何を投げても、そんなことがあるんだとか、私はこう考えてるわって広げてくれるので会話が続くんです。それに私が悩んでいても、 お二人に聞いてもらえると気持ちがすごく楽になる。要は話しやすいんですよね。
自分だけの世界だと視野が狭まるけど、知らなかったことを他者を通して知れるっていうのは嬉しいよね。三人での会話もそうだし、視聴者のおはがきもそう。
ーー貴理子さんはマジックやトルコ語、ジャンベ(打楽器)を習われたり、ARMY(BTSのファン)になったり、どんどん新しい趣味を広げていますよね。その意欲も素敵です。
若い時は忙しくて仕事ばかりしていたけど、今はその頃より余裕がある。そうなったらもう知的好奇心が止まらないんですよ。いっぱい知りたいことがあって、勉強がすごく好きになりました。
野鳥の会に入ったのはすごいなって思います。
私もびっくりした。自分がまさかこんなに鳥を好きになって、あの野鳥の会に入会するとは思わなかったもんね。多分年齢だと思いますよ。ちょうど私たちの年齢で、習い事を始める人はとても多いんですよ。あと、残りの人生のことを考え出すのかもしれない。今のうちにいっぱい楽しみを増やしておきたいもの。
人は最終的に「石」に興味を示すっていうよね。
私はとっくに、石のマイブームがきました。今も可愛い石があったら集めていて、だいぶ増えてきたよ。
おしゃべりはコミュニケーションであり、貴重な情報交換の場
ーー女性たちのおしゃべりはこれまで軽視されがちでした。しかし、コロナ禍でコミュニケーションをとる機会が減ったことで、「雑談」や「おしゃべり」が人々にとっていかに重要かが再認識されました。あの時期、三人のおしゃべりに救われたという人も多いと思います。
井戸端会議とか無駄だと思われがちでしたよね。女性なら誰でもおしゃべりが好きだと思うの。私たちも会って2回目でもうこんな感じだったもんね。三人だといくらでも話せるんですよ。
男性は難しいのかな、なんて思った。気軽におしゃべりする文化があまりなさそうだもんね。
マウンティングの取り合いみたいにもなるし。
女同士で立ち話とかしていると、あれ、何話してたっけ?ってなったりするよね。それぐらい気軽になんでも好きなことを話しちゃう。
聞いているようで聞いていないこともあるもんね(笑)。あまり深く考えないでしゃべっているのかも。
ーーその気軽さがコミュニケーションにおいてはいいんでしょうね。
結局、情報交換してるんだよね。なんかそれが楽しいから、おしゃべりしちゃう。あとこの番組に関して私が思ってるのは、ちょっと話が広がらないなと思ったらすぐ次のはがきにいけるので、それは助かってますね。
話題がすぐ変わるからいいですよね。それでまた新しい会話の流れがつくれて、また盛り上がる。
詰まったら話題をすぐ変える。これは普段も使えるおしゃべりのテクニックかもね。
そうかもね。話題に困ったら「今朝何食べました?」みたいな話を振っちゃえばいい。
女性三人が笑い泣きする姿に番組の良さが表れている
ーー三人が印象に残っている番組のエピソードはありますか?
直美ちゃんの息子の直樹くんが、毎年母の日に直美ちゃんの絵をプレゼントしているんです。それを番組でも直美ちゃんが紹介してくれているんですけど、素敵な親子関係だなと思って、毎年楽しみにしています。自分も同じだけの年月を見届けてきたんだなと思うと、1年経つたびに感慨深くなりますね。
そうよね、由美ちゃんだって子どもが2人いて。下の子の真香ちゃんのことで私が覚えているのは、由美ちゃんがアメリカに引っ越すときに、真香ちゃんが今まで住んでいた家に対してありがとうって手紙を書いていたんだよね。それがかわいくて。今年、「30年ありがとうファン感謝デー」に真香ちゃんが来てくれていたんだけど、私ステージでいじられたんだから! あの真香ちゃんにいじられるようになったなんてそれこそ感慨深かったわ。
私はね、由美ちゃんが金魚に関するはがきを読んだ回。「子どもが金魚を買いたいと言っているけど、世話が大変そうだ」という内容のはがきだったんだけど、そのとき私がふと後ろの水槽をみたら、金魚が一匹ろ過装置に引っかかっていて。三人で助けたんだけど、あれははがきを読んでいなかったら気づかなかったから、ミラクルだったなと思ってます。
私は、由美ちゃんからのクリスマスプレゼント。手編みの靴下をプレゼントしてもらったんだけど、あの時スタジオで号泣しちゃって。当時は客観的に見えてなかったんだけども、その模様がこの前「30年ありがとうファン感謝デー」で流れたんだよね。直美ちゃんも私も泣いていて、そしたら由美ちゃんまで泣いちゃって。50代の女性三人で泣いてるスリーショットを見た時に、 わぁ、いいなと思ったんです。泣いているんだけど、ものすごい笑えたの。おばちゃん3人が泣いたり笑ってる姿って、こんなふうに見えてたんだとわかった。自画自賛だけど、あのシーンは本当に素敵でしたね。三人がとてもいいなと思った。私たち三人が素敵。スリーショットになった三人がとてもいいんだよね。
私たちの関係性は変わりようがないよね、きっと。
それは変わんないよね。
ーー番組は三人にとってどういう居場所になっていますか?
野球に例えると、ホーム球場です。もうみなさんがすごく応援してくださる。ここにいるとホッとするし、 守られてるなって思います。私はヤクルトスワローズのファンですが、ヤクルトにとっての神宮球場みたいな場所ですね。
普段の仕事だと、全部自分でどうにかしなきゃいけないっていうのがあるんだけど、ここでは自分はそんなにしっかりしなくても、二人がいるから大丈夫という安心感がありますね。
ここまで30年続くと思わなかったし、それを構えていなかったし、あるのが当たり前というのが率直な気持ちです。ただ三人で集まるのが当たり前と言いながらも、会うとちゃんと新しいことがある。同じようでいて、同じじゃないんですよね。新しいことが常に始まっているんです。
なんかいい話しすぎたね。ところで、今朝何食べてきた?(笑) 私はご飯と味噌汁と、あといつも本番前は牛肉を食べると決めていて……。
(三人のとりとめのないおしゃべりはこれからも続く。)
edit&text_Daisuke Watanuki photo_Mariko Kobayashi