スナック女の人生劇場／第14回 浅草で40年以上愛される〈スナック豊〉の豊子ママは、芸事から料理までとってもマルチ！

生まれは福井県越前町。高校もないような半農半漁の村だったけど、私は勉強が好きでね。浅草にお嫁にきていた姉が娘の子守役に呼んでくれて、子守をしながら学校に通ったの。自分で何もできないのが嫌で、とにかく何でも挑戦して勉強したわね。お茶にお花、三味線や長唄なんかの芸事はひと通り勉強して、お座敷にも上がったし、大道芸も大得意よ。料理を学んで調理師の免許も取ったし、キャバレー全盛期の頃は勉強と思って2年間だけ働いていたけど、1カ月半でNo.1になっちゃったのよ（笑）。

その後、20歳で家庭料理のユタカという居酒屋を始めて、スナックになったのは43年前。まだカラオケのない時代だったから、南京玉すだれに手品、相撲甚句まで色々やって盛り上げたわね。お客さんが喜んでくれるのがうれしいし、何より自分自身が楽しんでいたのよ。

芸は身を助けるというけれど、基礎をきちんと学んでいれば、たいていのことは大丈夫。大切なのは応用を利かせることね。

（#1144掲載／photo : Daiki Katsumata　text : Chisa Nishinoiri）

「バター醤油味は初めてだけど、おいしくって止まらないわね」

■東京都台東区浅草2-21-3　
■03-3847-0780　
■17：00～24：00　無休　
■20席／喫煙
…飲み物、おつまみ、カラオケ付きで3,000円。

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