ピルは太るって本当? 産婦人科医に聞く、現代の女性に必要な生理ケアの重要性
生涯生理回数は100年前の5倍!? 誤解だらけのピルがQOLを高める
「低用量ピルで生理ケアの日」の制定を記念して、今回開催されたスペシャルトークイベント。まずは産婦人科医師であり、慶應義塾大学名誉教授の吉村泰典先生が、「生理ケアの重要性と低用量ピルの役割」をテーマに、その実態を教えてくれました。
100年前の女性の生涯生理回数は約50〜100回前後。しかし、母の出産時年齢の上昇、晩婚化、初経が早いなどの理由により、現代の女性は約400〜450回。
実に約9倍も生涯生理回数が多く、卵巣や体に負担がかかりやすいため、生理ケアを意識する必要があると言われています。
「生理に長くさらされているということが子宮内膜症をはじめとするさまざまな疾患の一因になることがわかってきました。
最近では子宮内膜症の治療に低用量ピルが使われることも。中高生のうちから服用することで、将来子宮内膜症になる頻度が下がるとも言われています」
生理ケアに有用な薬でありながら、日本での低用量ピル服用率は2.9%(2019年現在)と世界的に見ても圧倒的に低い数値。
この根底には、「副作用が強い、避妊薬だから性の乱れにつながるなど、ピルに対する誤った認識があるのではないかと思います」と吉村先生は語ります。
ピルには避妊効果はもちろん、生理痛やPMS(生理前症候群)の症状を緩和する効果が期待できます。
毎日1錠ずつ同じ時間に飲むことで、生理周期を28日に整えることもできるため生理不順で悩んでいる人にも有用ですし、皮膚科ではニキビや肌荒れの治療のために処方されることも。
飲み始めの2、3ヶ月程度は吐き気やだるさなどの副作用が出ることもありますが、その症状も服用しているうちにだんだんと治っていきます。
ここ数年はピルにまつわる正しい情報や生理に関する話題がメディアやSNSでも取り上げられ始め、ピルのオンライン処方も一般的になってきました。
そんな社会の流れも手伝ってか、2022年時点での〈mederi〉の独自調査によると、19〜39歳の女性のピルの服用率は10.3%にまで上昇。
とはいえ、他国に比べるとまだまだ低い数値ではある現状を見て吉村先生は「生理ケアのためのピルを服用することは、女性活躍のため、女性のQOL改善のために、極めて大切だということを知っていただけたら嬉しいです」と語りました。
ピルに関する不安や疑問を産婦人科医が回答!
続いては、モデルのゆうちゃみさんをゲストに迎え、〈mederi〉代表取締役の坂梨亜里咲さん、産婦人科医の郡詩織先生によるスペシャルトークショー。「私と生理」をテーマに、生理の悩みやケアについてクロストークを行いました。
モデルとして忙しい毎日を送るゆうちゃみさん。仕事をするうえで、「生理の時、室内での収録だったらトイレが近くにあるけれど、屋外ロケはなかなかトイレに行けないことがあるんです。
経血が漏れたらどうしよう、薬は飲んでいるけどお腹が痛くなったらどうしようって不安になります。
運動をする仕事の時は特に心配。タンポンとナプキンを両方使っていますが、痛みが辛い時もあるし、なんだか年々生理がしんどくなってきている気がします」とその悩みを語ります。
坂梨さんも「20代の頃はヘッチャラだと思っていたのですが、30代に入ってから生理前のPMSの症状がひどくなってきていて、どうしたものかなと思っています」と生理にまつわる悩みがある様子。
郡先生曰く、2人のように生理が年々辛くなっていくという人は多く、そのなかには思わぬ疾患が隠れていることもあるのだといいます。
「生理が年々しんどくなる方のなかには、子宮筋腫や子宮内膜症が隠れている場合もあります。ただ、そういった病気がなくても、ストレスがかかる環境にいたり、その時の体調、年齢による体質の変化によって痛みが出やすくなったりすることもあるんですよ。そういった悩みで病院に来られる患者さんも多くいらっしゃいます」
「生理痛や経血量の多さ、PMSに起因する頭痛、眠気やイライラ、気分の落ち込み、情緒不安定など、さまざまな症状を訴える方もたくさんいます」と続ける郡先生。
ゆうちゃみさんも強い眠気などのPMSに悩んだり、生理痛に苦しんだりすることがあるといいます。
「お腹が痛い時は痛み止めを服用しています。貧血気味になることもあるので鉄のサプリを摂ったり、鉄分入りのヨーグルトを食べたりして気をつけています。
でも、正直それが効いているかはわからないんですよね(笑)。気持ちの問題かなって思うこともあるんですけど、自分をいたわっているっていう心持ちだけでも作りたいなと思っています」
ゆうちゃみさんなりのケア方法を聞いた郡先生は、「食事だけでバランスを取るのは難しいですから、ゆうちゃみさんのようにサプリやヨーグルトで鉄分を摂取してもらうのはとてもいいことです」と前置きし、PMSに悩む女性に意識してほしいことをこう話します。
「体を冷やさないこと、リラックスして過ごすこと、無理をしないことがすごく大事です。それでも痛みやPMSの症状が辛い時には、我慢せずに産婦人科にぜひ相談していただけたらと思います。
低用量ピルはもちろん、その他の改善方法もご提案できると思うので、少しでも困ったら産婦人科に行くという選択肢もあることを覚えておいてほしいです」
ゆうちゃみさんの周りにもPMSに悩み、改善のためにピルを服用する友人が多くいるんだとか。PMSや生理痛だけでなく、生理不順だったというゆうちゃみさんも、低用量ピルを服用しています。
「前までは病院に行って処方してもらっていたんですけど、たまたま少し前に《mederi Pill(メデリピル)》に登録して。
お手軽ですし、何よりオンライン診療ってめちゃめちゃ楽ですね! ピルに関して不安がある人も少なくないと思うんですけど、オンラインで話してくださった産婦人科医の先生は私の質問に一つひとつ優しく答えてくれました」
ゆうちゃみさんが言うとおり、ピルに対して興味はあってもなんだか不安…と思う方もいるはず。「ピルを服用していると太るという噂を聞くのですが、それって本当なんですか?」とゆうちゃみさん。
「ピルを飲むと太るんじゃないかと気にされる方、実はすごく多いんです。なぜそんな噂があるのかというと、ピルの副作用としてむくみがあるからです。
特に飲み始めの2、3カ月はむくみやすく、一時的に体重が増えたと感じる方は多いですが、3ヶ月もすると体がピルに慣れてきて、元の体重に戻ることがほとんどです。なので、安心して服用いただいていいと思います」(郡先生)
郡先生の回答を聞いて「安心しました!」と微笑むゆうちゃみさん。さらに「ピルは生理痛を和らげる作用がありますが、服用して何か月目から効き始めますか?」と、多くの人が気になっているであろう疑問も投げかけます。
「これはすごく個人差があります。ただ、ピルを処方している患者さんには『まず2、3か月は様子を見てください』とお話ししていて、平均してだいたい3か月目くらいには、みなさん効果を感じられると思います。
PMSや生理痛、肌荒れなどのお悩みや、体に合うか合わないかによっても処方するピルの種類も変わるので、〈mederi〉をはじめオンライン診療など活用しながら、気軽に医師に相談していただければと思います」
生理ケアの一つの選択肢として低用量ピルを知ってほしい、産婦人科医に相談することを身近に感じてほしいという思いから始まった《mederi Pill》。
「ただ単にピルをお届けするのではなく、その先の人生がより豊かになるようにサポートしていきたいと考えています。女性の人生に、点ではなくて、線で寄り添っていくことを大切にしています」と、坂梨さんも〈mederi〉としてのメッセージを伝えていました。
『低用量ピルで生理ケアの日』の制定を記念し、2024年7月28日(日)〜8月28日(水)の期間限定で〈TAILORED CAFE SHIBUYA〉とコラボし、オリジナルのカフェドリンクなどを提供!
営業時間:11:00〜21:00(定休日なし)
最寄り駅:「渋谷駅」下車 JR線:ハチ公改札から徒歩約3分
住所 :東京都渋谷区宇田川町21-1西武渋谷店P館1階 CHOOSEBASE SHIBUYA内
公式HP:https://kitasandocoffee.com/
text_Aiko Iijima Edit_Hinako Hase