植物療法士・村田美沙とライター・秦レンナの往復書簡 第三回：年齢を重ねることについて

レンナちゃん、お手紙ありがとう。京都は最近ぐんと暑くなってきました。逗子も海開きしたかな〜？

私は、毎日街中を自転車で駆け巡っているからか、すでにかなりの日焼け具合です。友人のカフェに遊びに行ったとき、となりにいた小学3年生の男の子と日焼け具合が同じだったよ……。まだ夏は始まったばかりなのにね！

私はもともと日焼けしやすい体質で、日焼け止めも一応塗るけれど、毎年こんがりしちゃうんだよね。たぶんそのせいで、年々ほくろやそばかす、しみが増えていて、鏡でじっくり見たらびっくりする。

以前、しみとそばかすを前向きに考えてみたいなと考えていたときに、それを「太陽の痕跡」と呼んでみたことがあるの。自分が太陽のもとで生きた年月を表すものなんだと思ったら、少しだけ愛着が出た気がする。といっても、これ以上増えてほしくないのも本音ではある（笑）。

肌に現れる年齢の変化だけではなく、お手紙の１通目でも書いた婦人科系の病気の経験もそうだし、体質の大きな変化を30代に入ってびっくりするくらいに感じているよ。こういう「変化」について改めて考えてみたとき、私は「生きてる証」だと思ったんだよね。生きることは老いること。絶対に終わりがあるからこそ、どんな変化も喜びだと思って歳を重ねていきたいな。

先日、友人に20代前半のときの写真を見せたら、「美沙ちゃん、今の方が若くない？それって植物を摘んだり、生きているものによく触れているからじゃないの？」って言われたの。まったく論理的な話ではないんだけど、なんかわかる気がする！って思った。

自分の好きなものや生命力のあるものに触れ続けることは、若々しさを保つために大切なのかもね。京都の暮らしにはまさにそれがたっぷりあるような気がする。山がすぐそこにあって、大きな川があって、四季折々の植物を観察できる庭園があって……。この場所にいると、生きることを前向きに、新鮮に感じられる。私にとっての京都が、レンナちゃんの逗子なのかも。あ、すごく今逗子に行きたくなった！

美沙ちゃん、ハロー。鴨川の夕暮れの写真、ちょっと切なくて、優しくて、ずっと眺めていたくなるよ。美沙ちゃんの「最近で一番好きな空」をありがとう。逗子は海の家もオープンして、土日はすごい人だよ。それにしても梅雨はどこに行ったんだろうね？

しみ、そばかすの話、わかる〜〜と思って読みました。「太陽の痕跡」とは、さすが詩人の美沙ちゃん。そんなふうに自分の見た目の変化をいつくしむことができたらいいなあ。私はといえば、35歳過ぎてから頭皮＆髪に意識が向くようになったよ。20代の頃はちょっとパサパサでも気にならなかったのに、今は一気に老けこんで見えてしまう気がして……。最近も、思い立って美容院にトリートメントに行ったら、すごくスッキリしました。1時間ちょっとの丁寧なシャンプーとマッサージで、髪の毛はサラサラになって、心はシャキンとして、こういうことにお金や時間を使えるようになった自分、いいなと思ったよ。

そしてもうひとつ、最近バレエを4年ぶりに再開しました。レッスン初日はもう、足の裏つりまくりだった（笑）。美沙ちゃんは自転車で動きまわっていて、本当にえらいよ。私はここ数年全然運動していなかったの（万歩計で一日28歩の日は愕然としたよ）。あちこち不調が出ていたのも、それが大きかったと思う。先日、たまたま更年期をテーマに記事を書いたこともあって、38歳の今、筋肉つけておかないと、この先いろいろ怖すぎる！と、ついに重い腰を上げたのです。でも、はじめて大正解。週に1回でも、体を伸ばして、飛び跳ねて、汗を流すのは最高に気持ちよくて、体だけじゃなくメンタルにもいい影響がある気がしてる。

同じクラスの、私より10も20も歳上の女性たちが、いきいきと踊っているのを見ると、本当に胸が熱くなるの。体がちゃんと伸びなくても、リズムに乗れなくても、気にしない、気にしない。楽しければOKって感じ。私もこんなふうに歳とりたいな。やっと理想のロールモデルが見つかったような気持ちです。

美沙ちゃんと、夏のうちに逗子で会えたらいいなあ。ワイン飲みながら、この話の続きを語り合いましょう！