人気フルーツサンド徹底解剖 その4 老舗パーラーのフルーツサンド。思わず息を飲むその断面美に迫る!
みんな大好きな〈タカノフルーツパーラー〉のフルーツサンド。老舗の技がなす、元祖“萌え断”と言うべきその美しさはどうやって?果物やクリームも気になる!そんなコールにお答えすべく、全貌をお届けします。
これぞ職人の技!断面の美しさに感激。〈タカノフルーツパーラー〉
創業130年を迎えた〈新宿高野〉が展開する〈タカノフルーツパーラー〉。見た目、食べやすさを考えて、カットは台形と四角の組み合わせだ。季節のフルーツが入ったヨーグルト付きで1,100円。
業界を引っ張る名作。老舗の黄金比に注目!
苺、マンゴー、キウイ、バナナの4種を通年替わらずに使用。
苺、マンゴー、キウイ、バナナがランダムに。「フルーツサンドは特定のスタッフしか作ることが許されないメニュー」と広報の久保直子さん。〈タカノ〉に40年勤めるフルーツクチュリエの森山登美男さんが技を披露した。「サンドイッチは断面の美しさが重要ですから、計算しながら並べていきます。その配置は正直、長年の〝勘〟としかいいようがありません(笑)。ただし果実は、スライスするのでなく、ごろっとした形にするのがポイント。これが果肉の存在感がいちばん増すやり方なので」
見た目も食感も楽しめるようにゴロッとした形にカットする。
有塩バターを塗った後に、2つの種類をブレンドしたホイップクリーム。
無造作に並べているようでいて、すべて計算ずく。まさに職人技。
上側のホイップクリームは多めに。するとフルーツの間に入り込むのだ。
端まで惜しみなくフルーツを入れる。それが美しい断面を作る秘訣。
年配の方でも食べやすいように小さめにカット。台形と四角の組み合わせ。
力任せではなく、ナイフの重みで切ること。それも美とおいしさの秘密。
法則はないのだが、切ると美しい断面が完璧なバランスで現れる。通年同じ種類の果物を使うが、それぞれの量は季節によって変化。「苺をそのまま食べる場合には甘いものが好まれますが、フルーツサンドには、全体のバランスを考えて程よい酸味があるものを使います」
フルーツ、ホイップクリーム、パン…。三位一体の絶妙バランスで完成する名作。業界を牽引する老舗ならではのスタンダードがここに。
(Hanako1134号/photo : Megumi Takei text : Miki Konno)