【福島】水につけて…、ネギで食べて…etc.。この一杯を目指して行くべき蕎麦店4選。
1. 【裁ちそば】ユニークな切り方が唯一の風味を生む。〈裁ちそば 紅葉亭〉

裁(た)ちそばとは…生地を畳み包丁をまっすぐ下に下ろして切る通常と違い、広げた生地を、布を裁つように奥から手前に引いて切るのが特徴。
裁ちそばの故郷は南会津。お祝いや法事のために、女性たちが家庭で作ってきたのが始まりだといわれる。畳の上に生地を広げて切る姿を想像すると、なるほど裁つ方が都合よさそうだ。円形に広げた生地を、包丁を手前に引くように切るため、長さや太さにリズムが出る。
ここ、福島市で営む店主は、県内を食べ歩いた結果一番好みだったという宿、南会津〈紅葉館〉で製法を学び、かつて江戸前そばが主流だったとされるこの場所で店を開いた。師匠にならい通常の裁ちそばより細めに仕上げる。
石臼で自家製粉するのは、大粒の北海道·新得産と小粒の南会津·舘岩産のブレンド。安全性をクリアした敷地内の井戸から吾妻山の伏流水を汲み上げ、生地を捏ねて伸ばし、釡茹で。出来たては緑がかった色が美しい。特有の歯応えを味わうべく、この色がきれいなうちにいただくのが鉄則だ。
住所:福島県福島市在庭坂字桃畑39
TEL:024-591-1785
営業時間:11:00~そばがなくなり次第終了、17:00~(夜は要予約)
定休日:水木休(祝は営業)
席数:22席、テラス席あり
吾妻連山の裾野にある。丘陵地帯にあり、景色もいい。
2. 【割子そば】5種の具でめくるめく変化を堪能。〈蕎麦處 大福家〉

割子そばとは…白河そばの代表的な食べ方。専用の朱塗り椀にそばを小分けして盛って器を重ね、そばと同じ皿数の具も重ねて提供される。
江戸時代、睦奥白河藩第3代藩主だった松平定信により奨励された白河市でのそば作り。そのほとんどが地元で消費されてしまうため、白河そばはこの地を訪れないと食べられない希少な味だ。そばを小皿に分けて提供する割子そばの詳しい歴史は曖昧だが、明治20年創業の〈蕎麦處大福家〉では、少なくとも戦後からこの方式を続けているという。
そばも具も、上段から順に一枚ずつ食べていくのが緩やかな決まり。次にどんな味が出てくるか、楽しみながら食べてほしいと店主は語る。具の種類は店によって異なるというが、上から食べ進めることでどんな変化をさせるのか、店主が描くストーリーを感じられるのもおもしろい。ここでは、とろろ、なめこ、山菜、海苔おかか、いくらおろし、という順番だ。ネバネバ系で始まり、さっぱりとした後味で終わるよう組み立てられている。
住所:福島県白河市大手町2-2
TEL:0248-23-3021
営業時間:11:00~14:30、17:00~19:00(売り切れ次第終了)
定休日:月休
席数:27席
JR白河駅の徒歩圏内。食後には名物の「そば大福」も。
3. 【宮古そば】そばと水のクリアな甘みを享受する。〈宮古そば 権三郎〉

宮古そばとは…喜多方市の旧山都町宮古地区は、県内随一のそばの里。飯豊連山の豊かな水に育まれたそばを味わう食べ方「水そば」が有名。
標高400~500mの宮古地区はそばの栽培に適し、この店でも自家栽培のそばを使用。天日干しで甘みをさらに引き出している。
おいしさの源は、この土地の水の豊かさにある。飯豊山の伏流水“夢見乃水”をはじめ、宮古地区に引かれる水道水もほかのエリアとは風味が格別な超軟水。宮古そばならではの「水そば」は、そばをつゆや塩につけず、水につけていただく方法だ。「つゆなしでは抵抗があるかもしれない」と希望者にのみお試しの量を提供しているが、つゆを使わずに食べ切れてしまうほどの芳醇な味に驚かされるはず。
住所:福島県喜多方市山都町蓬菜字中村 4576
TEL:0241-38-2586
営業時間:11:00~そばがなくなり次第終了
定休日:12月中旬~3月休、ほか不定休
席数:50席
席は座敷とテーブルがある。
4. 【高遠そば】野菜の旨みで味わう、冷たいそば。〈大内宿 三澤屋〉

高遠(たかとお)そばとは…大根おろし汁で食べるそば。会津藩主を務めた保科正之公の、信濃高遠藩からの転封に併せて高遠そば文化が根付いたとされる。
通称「ネギそば」として親しまれるが、実はメインはネギではなく大根おろし。先が曲がるよう特別に栽培したネギを箸や薬味の役割で添え、アイコニックな品に仕上げたのが、〈大内宿三澤屋〉だ。会津の殿様が愛したというそばが、江戸時代の風景を残す宿場町で守られている。
あくまでメインは大根。つゆには水を一切使わず、かつおのだしを利かせる。夏の大根には辛みがあり、本来の高遠そばの味に近付く。逆に、冬には大根やネギの甘みが強くなり、周辺で採れたそばと味わいを引き立て合うのがよくわかる。
住所:福島県南会津郡下郷町大字大内字山本26-1
TEL:0241-68-2927
営業時間:9:30~16:00
定休日:無休
席数:80席
伝統的な建物も見どころ。大内宿は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
















