あの〈味坊〉による日本初の羊肉専門高級中華料理店がオープン。

あの〈味坊〉による日本初の羊肉専門高級中華料理店がオープン。

FOOD 2025.11.01

オープン当時珍しかった中国東北地方の家庭料理を提供し、食通の間で一気に有名になった〈味坊〉。この度新しくオープンしたのは、羊肉を専門にしたレストランでした。

text_Riko Saito

25年前に神田のガード下の小さな店から始まった〈味坊〉は、オーナーの梁宝璋（リョウ・ホウショウ）さんの出身である中国東北地方の家庭料理を日本に紹介して大人気店に。その美味しさにファンの数は増え続け、今や点心専門店や蒸し料理専門店なども含めそれぞれ独自性を持つ中華料理店を15店舗も展開するまでになった。

その〈味坊〉が新たにオープンしたのが、日本で初の羊を専門にした高級中華レストラン〈美羊味坊（びようあじぼう）〉。中国東北地方の主要食材である羊肉文化を日本に広めてきた〈味坊〉らしく、羊肉の魅力を全面的に打ち出した〈味坊〉初の高級路線だ。

羊肉はオーストラリア、ニュージーランド、アイスランド、イギリス、チリ、アルゼンチン、フランス、日本の8カ国から厳選されたものを自社調達。産地ごとに異なる風味、脂の質、肉の味わいを吟味して最適な一皿に仕上げていくのは、中国料理界で最高峰の資格“特級厨師”を有する明信江さん。羊肉の香や旨みを繊細にコントロールし、それぞれの羊の持ち味を最大限に引き出す卓越した腕と技が素晴らしい。

軽やかで食欲が増す前菜から、重厚感のある煮込みやローストまで、羊肉の多彩な魅力を堪能したいならコースがおすすめ。羊肉を細かく叩いてミンチ状にしたものがナマコの下に隠れている“海の宝ナマコの葱香煮込み羊肉詰め”や、フワッフワな食感がたまらない“羊肉のふわとろ極上獅子頭”など、明さんが腕を振るう絶品の数々が堪能できる。

使われる野菜はすべて、自社農場の〈味坊農園〉で完全無農薬栽培されたもの。そこの鮮度抜群な野菜もたっぷりと使われているのが嬉しい。料理はきちんとした高級中華でありながらコースが6000円～という手頃なお値段はさすが〈味坊〉！

料理も内装も、今までの〈味坊〉にはなかったテイストだが、美味しいものを気軽に楽しめるコンセプトはそのまま。日本初の羊中華料理専門店で、洗練された羊料理の奥深さをぜひ体験してみて。