【銀座】ここぞという大切な時に!絶対にはずさない名店4選
1. 和牛の魅力を発信し続ける“肉の殿堂”の新たなステージ。〈銀座 吉澤(肉処)〉

昔から銀座には一流が集まるといわれるが、そうしたイメージを作りあげたのは、審美眼にすぐれた〝目利き〞の功績が大きい。
大正13年に京橋・宝町に創業した〈銀座 吉澤〉。初代は伊勢や松阪で肥育された牛を芝浦の食肉市場へ運ぶ商いからスタートし、昭和5年には現在の銀座一丁目に精肉卸の店を構えた。いまでは日本が誇るブランド牛、松阪牛の普及にも尽力し、食通のあいだで「吉澤の牛肉は間違いない」と評判に。日本の和牛文化を守り続けるという志は代々受け継がれ、2024年創業100周年を迎えるタイミングで〝創業の地〞に移転を果たした。1階は精肉店、2階には厳選した和牛をさまざまなスタイルで供する〈肉処〉を併設。すき焼きやしゃぶしゃぶに加え、新たに仲間入りしたのが、牛肩ロースに季節の野菜を巻いて蒸し上げるせいろ蒸しだ。いまや〝高値・の花〞である和牛をカジュアルに幅広い世代に。その懐の深さに頭が下がる。
2024年、新ビル2階にオープンした〈肉処〉は夜のコースメニューも多彩。すき焼きやしゃぶしゃぶのほか、自慢の和牛の焼肉も。
住所:東京都中央区銀座1-20-8 吉澤銀座一丁目ビル2F
TEL:03-3542-2981
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00
定休日:日祝休
席数:20席
2024年、移転リニューアルした。1階には精肉店がある。
2. 食いしん坊とシェアしたい銀座のシェフの物語。〈マルディ グラ〉

料理人としてつねに前進するために、新しい情報は「ストリートから得る」と話すのは〈マルディ グラ〉の和知徹シェフだ。
米国牛の輸入規制緩和の後押しもあり、日本が空前の肉ブームに沸いたのは2013年以降。それよりもずっと前から〝肉料理の伝道師〞として多くの食いしん坊の心をときめかせてきた。ヤワなハート(胃袋)では太刀打ちできない料理の豪快さもあって、24年前のオープン当初は男性客の割合が高かったが〝肉食女子〞の台頭により、店の空気感にも変化が生まれた。世界中を旅しながら、あらゆる町のストリートで吸収したものを料理に落とし込むスタイルは健在で、2025年の夏からは週末のランチ限定で自身の大好物でもあるダイナー料理を提供。ハンバーガーやステーキ、タコスなどにぎやかな〝顔ぶれ〞に心が弾む。
今日もゲストのことを思いながら「面白いことを思いついた」とうきうきと並木通りを歩くシェフの姿が目に浮かぶ。
週末の予約限定で和知シェフが考案したダイナー料理を提供。特製のバニラシェイク(700円)とともに味わえば気分もご機嫌に!
住所:東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビルB1
TEL:03-5568-0222
営業時間:18:00~23:00(土祝~22:00)、金土のダイナーは12:00~14:30(要予約)
定休日:日休、不定休
席数:22席
2025年9月に24周年を迎えた。
3. 日本の鮨文化を牽引する老舗で粋と意気の本質を知る。〈銀座久兵衛〉

もし、銀座に〈久兵衛〉がなかったら。鮨好きは想像しただけでも背筋が寒くなる思いをするはずだ。それぐらいこの店が銀座の、もっと言えば日本の鮨業界に与えた影響ははかりしれない。
かつて〝銀座御三家〞と呼ばれた名店には、知られざる数々の伝説がある。稀代の美食家、北大路魯山人が足しげく通ったというエピソードにはじまり、もともと江戸前寿司で使われることがなかった雲丹を初めて軍艦巻きとして提供したこと、白身魚に柑橘を搾るという関西寿司の技をいち早く取り入れたと聞けば、銀座の一線に立ち続ける店はやはり格が違うと腑に落ちるが、日本全国のみならず世界中からゲストが訪れるのは、時代に流されることなく平等で普遍的なおいしさを追求しているからこそだ。予約困難店や超高級鮨が増え続けるなかで、不易流行を守り続ける心意気。のれんをくぐったその先に、銀座で鮨を味わう真価に触れる、粋な時間が待っている。
敷居が高いイメージを払拭する心遣いに緊張感がほぐれる。本店のカウンター席はほどよい活気に満ちており、女性ひとり客も多数。
住所:東京都中央区銀座8-7-6
TEL:03-3571-6523
営業時間:11:30~14:00、17:00~22:00
定休日:日月休
席数:123席(別館含む)
握り16貫と焼物、椀、デザートの「久兵衛」16,500円。電話予約は2カ月前から。
4. パリへの空想旅行へと誘うビストロで心豊かな時間を。〈ビストロ ヌガ〉

かつてシャンソンの女王が歌った『バラ色の人生』。時代や国を超えて歌い継がれる名曲だが、銀座の裏通りに店を構える〈BistroLe Nougat〉でワイングラスを傾ければ、それがどんなものなのか想像ができる気がする。
王道かつクラシカルなフランス料理をカジュアルに楽しめるビストロのなかでも、この店にはまるで本場さながらの空気が流れる。17年の時を経て味わいが増した空間でメニューを眺めれば、カスレやカスベのムニエルといったビストロ料理の定番がずらり。人気のマッシュルームとクレソンのサラダ、短角牛のステーキアッシェも大満足のボリューム感だ。1階と2階では趣きが異なり、2階には、店名の由来であるヌガというシャンソンの楽曲で、主人公が見た幻覚の世界に登場するピンクの象の壁画が。銀座界隈での観劇後にチケットの半券を提示すればグラスシャンパーニュを1杯サービスという粋な心遣いにもエスプリを感じずにいられない。
料理に合わせるワインに悩んでもリストに丁寧な説明書きがあるので安心。どの皿もボリュームがあるため食いしん坊も大満足。
住所:東京都中央区銀座6-12-2 東京銀座ビル1F
TEL:03-6254-5105
営業時間:17:30~24:00(土日12:00~16:00、17:00~24:00、日~23:00)
定休日:無休
席数:45席
洒脱な佇まいもパリの街角にあるビストロそのもの。




















