京都人の誇り！〈イノダコーヒ 三条店〉が2年半の時を経て復活

京都人の誇り！〈イノダコーヒ 三条店〉が2年半の時を経て復活

FOOD 2025.09.12

昭和初期から喫茶文化が脈々と受け継がれる京都で、今注目したいのは、大切に守られてきた空間を次の世代へとつなぐ喫茶店。京都で長年愛され続けている〈イノダコーヒ 三条店〉を紹介します。

photo_Yoshiko Watanabe　text_Mako Yamato

2年半の時を経て、待望のオーバルカウンターが復活！

京都で喫茶店といえば、真っ先に名前のあがる〈イノダコーヒ〉は1940年創業の老舗。1970年に7番目の店舗として作られた三条店（当時は三条支店）は、ほかにないオーバルカウンターが印象的な人気店だった。

建物の老朽化によって建て替えのため休業に入ったのは2022年の3月のこと。カウンター席が新店舗に受け継がれるか心配する声が聞かれたものの、2024年10月に誕生した新生・三条店には以前と変わらないオーバルカウンターの姿があった。アールを描くマホガニーの天板をよく見れば細かな傷があり、その歴史を伝えている。背の高い椅子の座り心地も昔のまま。中で働くスタッフのきびきびとした姿勢も変わらない。とはいえアーチ窓が優雅な雰囲気を漂わせる2階席が新設され、定番をブラッシュアップさせた限定メニューも登場。守り続ける部分と変化する部分のバランス感覚に老舗が老舗たる所以を見るようだ。

【受け継いだもの】